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60代の今だからこそできる新しい夫婦のかたち②

最近よくドラマで、いい感じに登場するASD(自閉症スペクトラム症)
の主人公がいる。
うちの夫も多分、生まれた時からずっとASDだったのだ。
時代もあって、気づいたのは50代になってから。
実は、本人はずっと自分に違和感があったと話す。
よくよく聞いてみると、高校生の時に親しい友達がいなくなったと
言っている。
理由は全く分からず、気づかない振りをして何となくやり過ごして
いたらしい。

結婚して付き合っているときは、そう言えば2人の世界だった。
私は仲のいい友達と付き合わなくなり、夫とばかり過ごしていた。
その後、22歳で結婚2人の子どもに恵まれるが息子の先天性の病気が発覚し入院し1歳の誕生日に手術が行われた、助かる確率は極めて低くて万が一の事があってもいいですという承諾書を書いた事もあった。
1人で必死に目の前の事に集中する日々が続き、娘の出産後私は動けなくなり意識不明で救急車で運ばれた。体が強制終了したのだろう・・・。

出産と引越しを重ね息子は小学1年生、私は体が動かず寝たきりなので
家の中で子供達と3人、孤独で辛かった。
夫は情緒面を読み取ることが出来ない人、仕事で深夜に帰って来るが何を言っても「お前の言っている事は分からないとハッキリ言われる」

「みんな、こんなもんだよね」って自分に言い聞かせながら笑い、
心の底で「寂しい!!」と叫ぶグレーのリトルがヘドロのように
滲み出てきていた。
30代、40代と原因不明のめまいや貧血という体調不良は酷くなるが
自分を騙しながら目を背け続けていた。

最近また再会した学生時代からの親友に聞くと「あのころは急に付き合いが悪くなって」と文句を言われた。
全く気付かなかったけれど、私も彼と付き合い始めたとき周りから孤立していったのだ。

色々あった。
一言ではとても言い表せないほど、
試されているように次から次へと事件が起こり、
ホッとしたのはつい何年か前だ。

子供達が結婚し夫婦が再び向き合った時、
私は初めて自分の事を考えてみた。


今までいったい私は何をしてきたんだろう???

いい娘として両親の期待に応え、結婚。
今度はいい妻、そして母、両親の介護をして、昨年両親は他界。


気づいたら「もう私のこと以外は何にもしたくない!!」と、
心の底から叫んでいた。

心理学を学び、受験して国家試験を受けて公認心理師になった。
そのときは達成感があった。

それから自分のために初めて大金を使ったのが、
小田桐あさぎさんの「魅力覚醒講座」だった。

申し込んだ時は大金に躊躇して手が震えたけれど、
1年前のあの時、申し込んだから今の仲間がいて、
そして、今の自分がある事は確かだった。

あれからたった1年。
凄く密度の高い毎日だった。
何十年も時間を止めてきた私にとって、
この1年はどれほどの月日が詰まっているのだろう?


私達夫婦にとっても、この1年は結婚してから
一番しっかりと向き合った日々だった。


夫は、楽しそうに過ごす私を嬉しそうに眺めていた。
そして私が変化し意見を言うと、不機嫌に黙り込むようになった。

半年が過ぎた頃、夫は倒れた。
私の急激な変化に混乱したという。
「どうか前の私に戻ってくれ」と懇願してきた。
今まで夫をカバーしすぎていた私のせいでもある。

夫は壊れてしまったけれど遅すぎたくらいだった。
原因不明の体調不良が今度は夫を襲う。
これは夫が自分と向き合うための時間。
仕方がない。

こうして今、2人は程よく距離を置きながら、
お互いを邪魔せずに見守り体制で調整している。

これでいいのかは、わからない。
夫婦としてどうか、なんて関係ない。
一人の人間の人生として生きるだけ。
ただそれだけ。

私は、まだまだ変化したい。
したい事だけすると決めている、
自分の人生だから、誰かの許可や顔色を伺う事はない。


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