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New Yorkで, Fashion Design勉強したら、皆んな、デザイナーになるの?

答えは、『NO』です。でも、他にも色々、楽しい仕事はあります。
取り敢えず、あなたが無事fashion designの勉強を修了し、業界で働く準備が出来たと想定しましょう。まず第一の質問は、『何のデザインをしたいのか?』

デザインできる分野は、盛り沢山
1. Women's (婦人服)
1-A. sports wear (婦人服一般で、この中で更に、以下の様な分類があります)
a. woven (布帛)  b. dress(一般に布帛のみで、セーターを除くドレス)   c. sweater/cut & sew (セーター・ニット一般で、ドレスも含みます) 
1-B. outer wear(ジャケットやコート・革や毛皮素材は別扱いの場合が多いです)
1-C. denim (ジーンズ・デニム素材を使ったジャケットやボトム一般)
1-D. evening / wedding gown (パーティー、フォーマルドレス/ウエディングドレス)
1-E. intimate apparel(ランジェリー・下着)
1-F. active sportswear (ジムウェア・運動着・水着を含む場合もあります)

2. Men's(紳士服)
分野が違うので、詳細は避けますが、一般的に、tailoring (スーツそれに伴うシャツ)や、セーターは別で、婦人服のセーターのデザイナーが、デザインを担当する事もあります。

3. Children's (子供服)
ベビー服以外を、フリーランスで取り扱った事がありますが、一般的には、乳児、幼児、16歳までを子供服の範疇に入れています。

大学で専攻を絞り込む
大体、大学3年、又はそれ同等の課程で、ある程度の興味を絞り込みます。大まかに以下の様に別れますが、大学により異なると思います。
1. Sports Wear (婦人服一般)
2. Men's(紳士服)
3. Children's (子供服)
4. Evening /intimate apparel(パーティー、フォーマルドレス / コルセットなどのランジェリー)
5. Knit (毛糸で編まれるもの全て)

会社によって千差万別
大抵の場合は、あなたが専攻した事に基づいて就職先を選びます。只、その会社により、その分野毎の別れ方は大分違います。やはり、大きな組織であれば、それだけ細分化されているし、小さければ、その逆で、いわゆる何でもやります。と言った場合もあります。

自分はデザイナーでなくても・・・
ここで自分の経験した事を、ご紹介します。なぜ、Fashion Designer からTechnical Knit Designerへと進路を変えたのか?
一言で言えば、やはりそこまでの情熱や執着がなかったのです。(もしお時間あれば、2月23日公開記事の、『好きな事』が見つからない。の中で、何故時間とお金をかけて、しかもNew Yorkまで来て、fahsion designで学士号を習得したかったのかを、書き記してみました。

方向転換の兆し
卒業後、一般的なタイトルですが、Assistant Designerとして最初の会社に入社し、社内の構築転換とやらで、最初のレイオフを経験し、次の職場が社長=ボス=デザイナーひとり、社員ひとりの小さな、ニットのデザイン会社でした。又、Assistant Designerとして採用され、そこでボスより徹底的に、ニットに関する全て(from design concept to bulk production = デザイン・コンセプトから生産まで)を叩き込まれました。’02〜’04は、未だfashion industryも活気に溢れ、デザインナーが海外へ市場調査の為に行く事も普通でした。ボスに付いて、ヨーロッパのお店に行き、どうやってトレンドになり得る事を選び、実際にデザインへと、取り入れてゆくやり方を学んだりして、本当に価値ある経験でした。

方向転換の決意
ボスは、会社規模で言えば、大・中・小、ありとあらゆるタイプのクライアントより、ニット(主にセーター製品)のデザインの依頼を受け、生産に移る一歩手前の段階まで、サンプルを作り上げる仕事をしてました。
ある日一番の大口の取引がなくなると共に、別のクライアントで、新たに始まったブランドが2年ほど経って閉じるという事が同時に起こり、私の2回目のレイオフがやってきました。
この時に、次の就職先を探す時は、もうデザイナーでなくてもいいかな。そう思ったんです。

日本に無いTechnical Designという職種
ボスの元でフルタイムで働きつつ、彼女のいくつかのクライアントの元でも、人手が足りない時にフリーランサーとして働いていました。その内容が、いわゆるTechnical Designという、アメリカのfashion industry独特の職種です。
デザイナーがデザインをして、デザイン画にしたものを基に、工場がサンプルを作れる様に, 全ての寸法や、編み方、編み具合など、細かい指示を仕様書(spec sheet )に書いて、その後サンプルが完成した後、モデルに着せてfittingをします。修正をしては又、工場に再度指示を出す。生産に回せると、確信が持てるまで、同じ事を繰り返す。 これが、Technical Designerの仕事です。
自分は、ボスの元でニットを徹底的に叩き込まれたので、Technical Knit Designerとして、ファッション業界では、やっていこうと思えたわけです。

ブランドの為、クライアントの為、引いては会社の為
もし自分が、最初からもっと安定した会社に就職し、Assistant Designerとして数年間経験を積んでいたら、きっと又違っていたと思います。
当たり前ですが、デザイナー達は、ブランドの打ち立てた、季節毎のデザインコンセプトに見合うものを作り上げていく為に、何度も話し合いを重ねます。もし、セールス側より売れ筋では無いと言われれば、又やり直す。そんな事も、多々あります。自分の作りたい物は、売れる物でなくてはならない。当然の事なのに、子供じみていますが、自分にとっては、何とも切なかったのです。

他にもある楽しい仕事
Technical Designは、自分にとても合っていました。デザイナーと話をしながら、どういう風な雰囲気に仕上げたいのか、フィットはどうしたいのか、などと自分の頭の中で思い描くデザインに、実際に寸法や細かい指示を与えていく。一番の喜びは、サンプルが上がってきた時に、自分が思い描いていた通りで、それがデザイナーがデザインしたかったものと、合致する時です。

デザイナーにならなくてもいい
他にも、デザイナーからtrim researcher (ボタンやレース、ありとあらゆる洋服に付け加える付属品の専門家)、pattern maker(パターンナー)、 merchandiser (ブランドの売れ行きを探り、トレンドに載せていく方向性を打ち立てる)などに方向を変えていく人達もいます。又、自分の同級生の中には、学校でfashion designを教えている友人達もいます。もちろん独立して、自分のブランドを立ち上げる人も大勢います。こうなれば、デザイナーであると同時に、全てを担当する事になるから、少し話は逸れてしまいますね。

One Door Closed Many More Open
結論、ファッション業界で生きて行きたい、と思えば、道は未知にある。という事でしょうか。

追記:自分にとって語れる、ファッション業界はNew Yorkだけですが、お役に立てば嬉しいです。


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