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好きなことを一生し続けたいならマーケティングは必須スキル

先日、友人の紹介で、とあるキャンプギアメーカーのオーナーさんのコンサルティングをすることになった。

話をきくとそのオーナーさん、4,5年ほど前からキャンプにはまり、昨年に脱サラして、焚き火台やランタンポールなどのアイアンギアを作成・販売するビジネスを始めたとのこと。しかし、思うように商品が売れず、自己資金で運転操業していたがそれももう限界だという。その状態を何とかしたいということで、僕のところに相談に来たというわけ。

そのメーカーのWebページを見せてもらい、商品をチェックすると、あら、カッコいいじゃない。とても武骨で軍幕とか使ってる男性ソロキャンパーさんが好きそうな感じ。使い勝手も良さそう。妻に見せたら、

「おぉ、カッコいいね! 使ってみたい!」

って言ってた。女性でもサバイバル系、ブッシュクラフト系のキャンパーには支持されそう。僕の感覚では、この商品は売れる。爆発的な人気にはならないかもしれないけど、少ないけど根強いファンが出来そう。商品を見て、僕はそう感じたんだ。

しかし、残念ながら今のままでは、売れない。実際に売れてないし、この先も売れないと思う。なぜなら、魅力が伝わっていないから。商品はもちろんのこと、何よりも作り手であるオーナーさんの魅力が伝わっていない。この魅力ってのは、マーケティングで言うところのUSPや独自の強みを出しましょう的なことではなく、人柄、在り方の話。要するにね、オーナーさん個人としての、そしてメーカーとしての在り方(Being)が定まっていないってこと。これってどういうことかと言うと、自分の世界観を持っていないということで、魅力の種がないってこと。自分の世界観が無いから、商品ラインナップや金額を周りに似たようにしてしまう。こだわりが何もないからね。周りに合わせるしかない。色も使い方も周りと同じ。そうすると、消費者に他社商品と比較されてしまうのは当たり前だよね。

商品価格を聞いた時、安いな! って感じた。アイアンギアでハンドメイド。その割には安い。焚き火台で18,000円。キャンプギアとしてはちょっと値が張るけど、アイアンギアとしては平均的な値段設定。ギア作成に費やしている労力、時間を考えると、安売りしているようにしか見えないんだよね。で、なぜこの価格設定なのか? を尋ねたところ、案の定、まわりに合わせたらしい。欲しい金額ではなく、売れそうな金額にしたというわけだ。確かに商品はカッコいいし、使い勝手も良さそう。でも、それって他社商品も同じ。それ以上の魅力も出ていないし、価格も平均だとしたら、もっと魅力のある他社商品、もっと安い他社商品を消費者が選ぶのは当たり前だよね。

オーナーさんと色々と話していると、キャンプが好きでアイアンギアが好きだということは十分に伝わってくる。しかし、悲しいかな。その魅力を十分に伝えることが出来ていない。マーケティングもよくわかっていない様子。勉強をしていないわけではないみたいだけど、『生存』のマーケティングをしている様子。生き残りを前提にしたマーケティングだとさ、必ず勝負に巻き込まれるのよね。だから、『存在』のマーケティングに考えをシフトして、オーナーの在り方に人が集まるようにしていくことが大切なんだよな。ということで、まずはOPMをやってみることをおススメしといた。

今回、このオーナーさんの相談を受けて感じたことは、好きなことを仕事にしても廃業してしまう可能性がある、ってこと。これは、僕も経験した。ずっとやりたいことが分からなくて、夢も希望もない生活をしていた中、ようやく見つけたセミナー講師という職業。セミナー講師として起業したけど、結局お金にならず、借金まみれになり、一時的に派遣社員として働かなければいけなくなった。好きなこと、やりたいことを始める。これもすごい勇気がいることで、人によっては凄いハードルが高い。そして、そのハードルを越えたとしても、今度は持続の課題が出てくる。好きなことを仕事にした、やりたいことをやり始めた。それと、やり続けることはまた別なんだよね。

僕は、全ての人が本当にやりたいことをやれる世界を目指している。で、どうしたら、本当にやりたいことをやれるようになるのかを考えたら、

1:本当にやりたいことを見つける
2:本当にやりたいことをやり始める
3:本当にやりたいことをやり続ける

という3つの段階があることが分かった。本当にやりたいことを見つけて、はじめるだけでは不十分で、その先も続けられる状態を作っていくことが凄く大事で、そのために必要なスキルがマーケティング。マーケティングって、ビジネスをしていない人には関係ないと思っている人も少なくない。でも、ビジネスに関係なく、自分がやりたいことをやり続けたいと思ったら、誰かを巻き込んだり、コミュニティをつくっていったりすることになるから、マーケティングってのは絶対必要なんだよね。しかも、『生存』ではなく『存在』を前提にしたマーケティングね。

ここ数年、好きなことを仕事にするのが流行っている。でも、どれだけの人が続けられているんだろうか? 僕の感覚だけど、そんなに多くないんじゃないかな。たぶん、キャンプ業界にも今回のオーナーさんのように、キャンプが好きで起業したけど経営がうまくいっていないオーナーさんは沢山いると思うんだ。好きなことを仕事にできるって、本当に幸せなことだと思う。だから、それを志半ばでやめなければいけないというのは、ちょっと寂しいよね。やめたかったらやめれば良いけど、やめたくないのにやめなければいけない。それはちょっと寂しすぎる。

やっぱりさ、好きなことはずっとしていたいじゃん。その方が幸せじゃん。自分が幸せだと、周りの人も幸せになるじゃん。幸せの輪はどんどん広がって、地域や世界も幸せになっていくじゃん。だけど悲しいかな。お金がなくて続けられないなんてことが起きてしまう。そうならないためには、マーケティングを学んでおくことが大切だっていうのが、僕の実感。好きなことを仕事にしたいのであれば、マーケティングを学んでおくことをおススメするよ。

好きなこと、100年続けられるようにしていこうぜ!

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