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企業人事が抱える女性活躍のお悩み3選を23卒内定者が考察してみた!vol.2

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お悩み② 女性活躍の本来の目的を見失ってしまう

 女性活躍を推進する!と言っても、職場には女性だけでなくもっと多様な属性の人がいます。「女性だけ」を優遇するような女性活躍推進施策をすると、女性以外の社員から反発がくるのではないか、結果的に優遇された女性がむしろ働きにくくなってしまうのではないか、と考える人もいると思います。それは、本来は「手段」である女性活躍を最終目的として捉えてしまっていることが要因となり、発生しています。

 要因① 本来は「手段」である女性活躍を最終目的として捉えてしまっている

 女性活躍の施策を考える時、その目的はなんでしょうか。職場での女性の地位向上?女性活躍に関する評価指標の評価向上?誰もが働きやすい職場づくり?組織によって様々な考え方があると思います。もし女性活躍を「女性だけ」のためだと考えている場合は、女性活躍の推進がうまくいかない大きな要因の一つです。私は、女性活躍は「女性だけ」が働きやすくなるような環境を作ることではなく、「働く全ての人」が働きやすい環境を作るための一つの手段にすぎないと考えています。なぜなら、職場には多くの場合女性だけではなく色々な属性の人、背景を持つ人、想いを持つ人が働いていて、多様な働き方が求められる時代になってきているからです。現代は労働人口が不足し、一億総活躍社会とも言われています。これまで労働者の中心だった男性だけでなく、女性、シニア、グローバル人財など多種多様な人財の活躍を応援し、力を合わせて組織運営をしている企業からイノベーションが生まれ、評価される時代です。企業として成長し続けるための手段の一つとして女性活躍を位置付け、考えることが重要です。

対処法① 「女性だけ」から「働く全ての人」へ

 最近では、女性だけに焦点を当てた社内取り組みだけでなく、全ての社員をターゲットにしたダイバーシティ経営も話題になっています。これまで最も厚い人材層だった異動などもできる日本人男性の労働人口は減少していくことが見込まれ、多様な人材の活用が経済発展、自社の魅力アップのためにも多様な人材を生かすダイバーシティ経営の手法は有効とされています[1]。

 女性の活躍を推進するための施策は、女性だけではなく「職場で働く全ての人」が働きやすい環境を作ることにつながるのです。女性活躍を女性だけの問題ではなく、全社的な問題として捉えることで、これまでと違った視点が見えてくるのではないでしょうか。女性の活躍は、女性だけのものではなく、会社全体をより良くするための考えるきっかけだと私は考えます。

 その考えを広めていくために、人事や管理職が中心となってメンバーとの面談などを通じて意識浸透を図るといいでしょう。「女性だけ」が働きやすくなるための施策だと勘違いしているメンバーは想像以上に多いかもしれません。「あなた」も含めた全ての人が働きやすい環境を作るための施策の一つだということを共有することで、職場に共通意識が浸透し、同じ目的に向けて団結して行動できる組織になるでしょう。

 女性活躍を推進するためには、「働く全ての人」を巻き込んだ意識改革が重要だとお伝えしましたが、とはいえ、全ての人を巻き込み、多様な人財を輝かせるための具体的な施策がわからないとなかなか実行できない…というお悩みも新たに出てくると思います。そこで、多様な人財が輝く組織を作るために、わかりやすい男性社員の育休取得推進に着目して考えてみたいと思います。


[1] 佐藤博樹「ダイバーシティ経営と人材活用の課題 −働き方と人事管理システムの改革が鍵」

http://kakeiken.org/journal/jjrhe/111/111_01.pdf(2022年8月23日閲覧)

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