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BLACK HOLE:NOVEL

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新作小説レビュー企画。姉妹企画「BLACK HOLE:VIDEO」「EXTRA」「MICRO BLACK HOLE」とともに、毎月末更新予定。
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記事一覧

『冬期限定ボンボンショコラ事件』米澤穂信(東京創元社)

BLACK HOLE:NOVEL 2024年5月 小市民を志す小鳩くんはある日轢き逃げに遭い、病院に搬送され…

江戸川乱歩関連ミステリ:『乱歩殺人事件「悪霊」ふたたび』/『時空に棄てられた女 …

BLACK HOLE:NOVEL 2024年5月 今年は江戸川乱歩生誕130周年。そのためか、今年に入ってから…

『天狗屋敷の殺人』大神晃(新潮社)

BLACK HOLE:NOVEL 2024年5月 横溝正史オマージュという文言に惹かれて読んだ。「犬神家状態…

『地雷グリコ』青崎有吾 著(KADOKAWA)

BLACK HOLE:NOVEL 2023年11月 一見ごく普通の高校生、射守矢真兎。彼女は勝負ごとにめっぽ…

5

『きこえる』道尾秀介 著(講談社)

BLACK HOLE:NOVEL 2023年11月 本作は五つの独立した物語からなる短編集だが、いずれも話の…

8

『未踏の蒼穹』ジェイムズ・P・ホーガン 著(東京創元社)

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2022年02月  高度に発達した科学技術を擁する金星…

『サバイバー〔新版〕』チャック・パラニューク 著(早川書房)

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2022年02月  主人公は集団自殺により壊滅したカルト教団の生き残りで、ハウスクリーニングで生計を立てている。定められたスケジュールどおりに働くだけの鬱屈とした生活は、未来を予言する謎の女・ファーティリティと出会ったときから変わりはじめた。他の元信者たちが次々に不審死を遂げる事件の背後にちらつく、死んだはずの兄の影。ついに最後の生き残りとなった主人公を使ったビジネスを以前から計画していたというエージェント。ファーティリテ

『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官』久住四季 著(メディアワークス文庫…

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2021年12月  人気シリーズの3作目。どんなことに…

『地べたを旅立つ 掃除機探偵の推理と冒険』そえだ信 著(早川書房)

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2021年1月  交通事故に遭った刑事が目を覚ますと……

『ブラック・ハンター』ジャン=クリストフ・グランジェ 著(早川書房)

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2020年10月  はっきりいってグランジェはあまり人…

『たとえ天が堕ちようとも』アレン・エスケンス 著(東京創元社)

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2020年9月  真実と事実は必ずしも同じものとは限…

『超世界転生エグゾドライブ01-激闘! 異世界全日本大会編-〈上〉』珪素 著(KADOKAWA…

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2020年9月  西暦20XX年。異世界の実在が証明され…

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』青柳碧人 著(双葉社)

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2020年8月  2019年本格ミステリベスト10、第9位に…

『プロジェクト・インソムニア』結城真一郎 著(新潮社)

毎月更新 / BLACK HOLE:新作小説レビュー 2020年8月  最近ブームの特殊設定ミステリの中でも、異彩を放つのが本作だ。館をゾンビが取り囲んだり、未来の映像を映し出す水晶が登場したりと、『ミステリのため』と言わんばかりの人工的な設定が占める界隈において(貶す意図は全くない。筆者はそういう作品も大好きである)、本作の設定は新鮮である。  夢を科学するベンチャー企業、ソムニウム社が実施する極秘人体実験、『プロジェクト・インソムニア』。年齢、性別、属性の異なる七人が、