ぼくの勝利 #3「会社という牢屋」 |小説 ユニバーサル・カバラの物語 第四章
ぼくは受験生の教材を販売する会社の専務になった。年上の部下ができる。ぼくのアイデアは面白いように売り上げを伸ばす。ぼくは社長に表彰される。
社長が言う。
「君はどこでマーケティングを学んだのかい?」
「マーケティングを学んだことは一度もありません」
「そんなはずはない。それに、君は海外でレストランを成功させたんだろう?」
社長はしたり顔で言う。けれども、ぼくは本当にマーケティングを学んだことはない。ぼくがやっていることはいつも同じだ。欲しがる相手に欲しいものを提供す