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右脳と左脳と言葉と姉ちゃん

お姉ちゃんの右脳と左脳について書いてみようと思う。広島の夜を彩る薬研堀界隈のお姉ちゃんは、いかにして太客を獲得しているのか?
お姉ちゃん達の「右脳的思考」「左脳的思考」を焦点に解明していく学術記事・・

嘘です。コミュ障の僕にそんな記事は書けない。歓楽街で遊んだ事もない、つまらん人生の41歳。広島の広告会社勤務、プライベートでクリエーティブを盛り上げるためのイベントを自主企画している曽川慎司(そがわしんじ)です。今日は僕の家族である一つ年上の姉の話を書いてみよう。

僕のお姉ちゃんは乳児期から脳に重い疾患があり、知能、身体に重複障害を、さらに言葉が喋られない言語障害も併発している。

「難治性てんかん」という脳機能障害だ。

「てんかん」という病気の説明、言語化は非常に奥が深く難解である。
「てんかん」と聞くと運転中や仕事中に突然発作が起きてしまう症状を見聞きした方もいるかもしれない。まずは「てんかん」の定義を調べてみたい。WHOによると、てんかん(Epilepsy)とは、

と定義されている。原著1973年って古くねぇか?僕のお姉ちゃんも生まれてねぇぞ!2022年を迎えようとする今日に何故こんな古い出典なのか?上記WHOの定義にもあるように「てんかん」とは脳の異常放電から由来する反復発作を主とする症状の総称だ。飛躍的な進歩を遂げる医療の世界であっても「大脳」と言う「大宇宙」の研究は50年経っても定義を覆すほどの発見はされていない。この定義は古典的だが要を得て簡潔であり、未だに多くの医療機関、医師がこれに近い定義を使用している。「てんかん」という病症の歴史は理解の範疇を超えるほど古く紀元前460年ごろ古代ギリシアの医師ヒポクテラスの著書にも遡るらしい!いつの誰やねん!ヒポクテラス。ヒトの神経について書かれた書籍は膨大にあるようだが、普通の図書館ではあまり見かけない。「神経学の歴史ヒポクラテスから近代まで」と言う文献が詳しいらしい。古本で16,000円もする。しかもこれとて一次資料ではない。まぁそんな感じでWHOの定義わずか3行の出典を読むだけも難解だなぁ。

ニューロン(neuron)とは脳の神経細胞のことで、ヒトの神経系は、約1000億個のニューロン(神経細胞)によって構成されている。

Apple MacBook Proで例えるならM1 Proチップ+メモリの役目を果たすのがニューロン(神経細胞)って感じかな?ニューロン(神経細胞)からシナプス(synapse)と呼ばれる情報伝達構造を介して電気信号が流れ脳が機能している。

Mac(脳)の過剰な放電により各デバイスの反応が乱れ、固まってしまう現象に似ているのかも知れない。

脳の神経細胞が過剰な放電を引き起こすことで、反復性の発作(麻痺や痙攣が繰り返される症状)が生じる疾患の総称を「てんかん」と言う。

「てんかん」について、詳しく理解し論理的に説明できるなら、研究者か学者にでもなっていたと思う。しかし僕は最下層広告会社の最下級平社員だ。学などない。でも知りたくて、読みたくて、「てんかん」について調べてみようと思う。

たぶん今日のこの記事だけでは調べ尽くせないから、何度か連載して少しずつ「てんかん」について勉強していきたい。

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僕が物心ついた頃からお姉ちゃんは「言葉」を喋ることが出来なかった。「言葉」とは我々が日常的に使うコミュニケーション手段で、「言葉」を発し、理解し情報を論理的に思考する能力を司るのが「脳」である。その「脳」を機能させているのが「脳神経細胞(ニューロン)」などからなる「大脳」大脳は右半球と左半球に分かれていて脳梁(のうりょう)、前交連、後交連、海馬交連などの交連線維で脳の左右半球が繋がれている。大脳の右半球は左半身を、左半球は右半身の神経を調整している。らしい・・・

脳に何らかの損傷が生じたために、言葉を自由に操る能力を失ってしまう状態の一つに「失語症」と言う症状がある。

失語症・記憶障害などの高次脳機能障害が専門の山鳥 重 氏の著書を引用したい。

失語症:一旦獲得された言語能力の喪失

お姉ちゃんの場合はどうなんだろう?乳児期のお姉ちゃんは、子供が「言葉」を覚えはじめる前の「単語っぽい発声」はしていたと両親から聞いたことがある。お姉ちゃんの場合、不自由なく言語を使えた訳ではないので「失語症」とは言えないのかもしれない。素人が踏み込める領域ではない気もするが、実際に執刀医から聞いたことなどを思い出しながら組み立ててみよう。

大脳って大宇宙だな!

世界の医療は、宇宙ロケットのごとく飛躍的な進歩を遂げている。先進国を先駆けとして医療従事者・研究者・学者・介護従事者、患者の家族、患者本人の弛まぬ努力と英知のおかげで今日も大きな進歩を遂げている。地球上ではじめて生まれた生物から連綿と受け継がれている生殖細胞(卵子、精子など)と、体細胞(神経、筋肉、内臓など)の不思議な融合により生物は形作られ、この世に生を受け、お腹が空き、機嫌が悪くなり、泣きながら食物を求める。満腹になると機嫌がよくなり興味関心が湧き思考し発想し行動する。そして言葉や文字、表情や身振り手振りでコミュニケーションをとる。関心が発見を生み、ますます興味は広がっていく。そんな日々が繰り返されて大人になり地球を飛び越え宇宙に行く人まで現れる。そうして人類は発達してきた。

しかし、どんなに発達した人類も不死身ではないので、人間は怪我も病気もする。怪我や病気が怖くて、なんとかしたくて、「医療」が始まり、果てしない未知の生体を研究・治験・診察・治療し今日に至っている。人工多能性幹細胞(iPS細胞)や、人工知能(AI)などの最先端医療・技術により診断、手術、創薬、医療機器、救命救急、予防など本当に頭がさがる進歩である。

であるのだが・・・僕は正直まだまだ

「医療は進歩していない」と思う。

おねぇの話、てんかんの話はどこ行った?
話が外れすぎて見えなくなったので回収してみる。なんせ宇宙のような生体の話。調べ出すとキリがない。僕のお姉ちゃんは言葉でのコミュニケーションがとれない。嬉しい時に「ひゃっほー!」むかつく時に「なんじゃボケ!」悲しい時に「なんでそんなん言うん・・」楽しい時に「おもろいわぁ!」痛い時に「いったぁーのう!」と感情を言葉にすることが出来ない。自らの体の不調や精神状態を、患者本人が医師に言葉で伝える意思疎通が出来ないのである。

もちろん、意思疎通ができなくても意識混濁・不明状態の急患を医師の知見とデータと技術で診察、診断し治療することも可能だろう。しかし「言葉」を自由に使える患者の場合と、意思疎通ができない。つまり何らかの理由で「言葉」が話せない人に対する医療や医師の知見はまだまだ進歩の余地は残されている。

いくら医療が飛躍的な発達を遂げているとはいえ、医師と患者のコミュニケーションが成立してナンボの世界のように思える。患者の「痛い」「苦しい」という言葉を介して医師は最良の治療を判断する。お姉ちゃんは言葉が喋れない上に、重い知的障害があり、気持ちを「言葉」で表現できない。「言葉」からの情報を得られない医師は、患者の様子や、脳波、バイタルデータなどを頼りに患者の状態を判断する。それで患者の状態が本当にわかるのだろうか?

脳の電気的信号やバイタルデータには現れない「心理的」な情緒、例えば手術の後にベッドに寝ていて意識が戻り「背中が痛い」とか「足が痛い」とか「喉が渇いた」とか術後の自分の体の状態や変化など、患者本人が意思表示として「言葉」を発する事で、対話相手はそれを受けて判断し治療が進んでいく。

僕は願う・・・

人工知能などIT(情報技術)が発達して、障害により「言葉」にできない感情を細やかに正確に伝えてくれる研究開発が進んでほしいと願う。

何を書いてるんだろうか??

おねぇの事か・・そもそも僕は広告のお仕事はしてるけど、コピーライターじゃないので書く事が仕事ではない。そもそも書くことも、読むことも苦手だ。本は大好きで気になる本はよく買っているけど、調子が良くて頑張って1時間、調子が悪いと1ページも読むと目と頭が痛くなる。もともと超勉強嫌いで超強度近視だ。さて本題のお姉ちゃんの病気について調べるか・・・

ふぅ〜・・・・難しい。

僕は41歳になった今でも、お姉ちゃんの「気持ち」を言葉で聞いた事が一度もない。でもお姉ちゃんは「感情の表現」は出来る!!

声が出ないわけではない!

声は出せるので感情表現として泣くこともある。でも滅多に泣かないかな・・・なんでだろ?いろいろ痛くて苦しいはずなのに。

そこがすごく切ないしもどかしく思う。僕が調子に乗ってお姉ちゃんに肩を組んだり触りまくったりするとめちゃくちゃ怒ってものを叩いたりする。

大好きな童謡を僕が歌ってあげると笑ってもくれる!!でも言葉にはできない。

「難治性てんかん」について。

お姉ちゃんは生後2ヶ月より、てんかん発作(てんかん性スパズム〔点頭てんかん・ウエスト症候群とも言う〕)と重度知的障害が認められていたそうだ。1年後に僕も生まれた。お姉ちゃんパイセンが2歳の頃から岡山大学小児神経科にて治療している。岡山大学病院に家族一緒に車で行くのが弟の僕には旅行みたいで楽しかった記憶がある。

てんかんと診断された場合、多くは複数の投薬治療から始まる。薬の種類や組み合わせを調整しながら、数年経過観察をしていく。その過程で症状が和らいだり、抑えられたりするようだ。お姉ちゃんは生後2ヶ月頃からいろんな薬を試してみても症状が治らない。2歳の頃から「難治性」のてんかん。と診断されている。

「てんかん」とは人間の論理的思考を司っている「大脳」と呼ばれる大宇宙!で繰り広げられる異常事態である。人間の生態には無数の神経が張り巡らされ、その神経を電気信号が通る事で様々な情報が伝達される。そんな人体の中でもとりわけ多くの神経が集合するのが「脳」だとか。目や耳、皮膚、舌などから神経を通じて脳に伝達され「きれい」「痛い」「甘い」などと感じる。また脳からの命令を伝達することによって言葉を発したり、理解したり、体が動いたりする。さらに、感情・情緒・理性などの精神や記憶も脳で制御しているみたい!

そんな脳内の神経を通る電気信号が、何かの原因で一斉に過剰発して、脳機能が乱れ、脳は情報を受け取ることができなくなり、体をコントロールできなくなる。そうすると「てんかん発作」が起こる。てんかん発作は、

『脳の電気的嵐』

とも例えられるみたい!なんか少しわかってきたかも!!いやわからんな。「てんかん」という病気は100人に1人くらいの割合で起こるらしく、日本の人口からみると100万人くらいの患者が推定されているらしい。症状も日常生活を不自由なく過ごせる程度から重篤なものまで様々な例がある。てんかんは4つの大分類があり

1「年齢依存性焦点性てんかん」

〈基本、幼児期から学童期に発症〉

2「特発性全般てんかん」

〈基本、幼児期から思春期に発症〉

3「年齢非依存性焦点性てんかん」

〈幼児期から高齢期に発症〉

4「全般・焦点混合てんかん」

〈基本、幼児期から学童期に発症〉

お姉ちゃんは4分類の中では4の「全般・焦点混合てんかん」になる。分類の考え方や名称も病院によって若干違ってくるみたい。先にも述べたように「てんかん」の症状は、日常生活や仕事を不自由なくこなしている人が、突然何らかの脳機能異常により発作を起こしてしまう。発作が落ち着くとまた普通に仕事や日常生活に戻る人も多い。また投薬で寛解できる人もいる。大脳の神経細胞のうち右半球・左半球のどこのどの部位が異常信号を発するのかを正確に判断できれば、当該部分を切除する手術が可能だという。

姉ちゃんの場合はどうなんだろう?

入院が長くなるとバイタルデータも細かく観察するようになる。
「脈拍(HR)172」
「血圧(NIBP)最高値134・最低値76」
「経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)最低値90」
「呼吸数(RR)最高値32」

基準値と比較してみた。

全ての数値が基準値よりもかなり悪い。


お姉ちゃんは幼少期から岡山大学病院、20歳の頃から静岡てんかんセンターといろいろな検査診察、投薬を受けてきたが明確な原因も掴めないまま寛解はしていない。お姉ちゃんも40歳を越えているが、成長ホルモンにも影響しているらしく、身長体重は小学生程の体型でストップしている。

2018年ごろから発作が増加し2019年に広島大学病院脳神経外科で診療を受けるようになる。2019年6月25日から27日までの3日間、長時間ビデオ脳波記録という大脳で発生する電気信号を波形に変換して記録して、同時に患者のビデオ撮影をして発作の起こる様子を細かく確認できるという検査をしている。

それによると僕のお姉ちゃんは、まず歯ぎしりをしながら意識が減損し、頭部が右を向いて固まってしまい、やがて全身痙攣に移行し数十秒継続したのち、いびきをかいて眠る。という症状が特徴だ。

発作が大脳のどこで始まるのか?

これはてんかんの病状把握には重要な情報らしい。お姉ちゃんの場合、発作が「歯ぎしりから始まる。」と書いたがこれが厄介な問題らしい!?脳の電気信号である脳波を記録している時に「歯ぎしり」をするとアーチファクトと呼ばれる人工的なノイズが入ってしまい大脳のどこで発作が始まったか判別ができないらしい。

なんとかならんのですか先生・・

歯ぎしりの後、全身痙攣に移行するときの脳波は、すでに両側半球に広がって、てんかん性異常波が脳の至る所から出現している。といった症状だと脳外科医の先生は教えてくれた。頭部MRIでは、幼少期に大脳の表面に近い部分にある大脳皮質と呼ばれる場所が正しい形に作られない疾患「皮質形成異常症」とも診断された。

これまで40年以上、多種類の抗てんかん薬を内服してきたが歯ぎしりから意識減損、全身痙攣を起こす発作は抑制されず改善の見込みは難しいと判断だ。

そんなん言わんといて先生・・

発作と言ってもこれまた様々な症例があり、お姉ちゃんの場合は

「転倒発作」
体の力が抜けて、あるいは力が入って突然、ばたんと倒れる発作。

「強直発作」
体の特定部位が強直する状態、こうちょく〈硬直〉じゃないんだ??、きょうちょく〈強直〉というんだな何が違うんじやろ??また調べてみよう。

「全身性強直間代発作」
部分強直が全身に移行し全身痙攣に至る発作。

これらの発作はいずれも左右の大脳半球にてんかん性異常波が広がって起こると言われていて、特に急に転倒する発作は、この異常波が左右両側で共鳴し合って、急に転倒する発作を起こすらしい。

左右の共鳴を止める事ができれば異常波の発生をある程度は制御できる!!

で?で?先生?どうすればいいの?

お姉ちゃんの発作症状は脳のどこか一部から始まり(部分発作)、やがて脳全体に広がっていき全身強直を起こすものです。こういう症状を、

二次性全般性強直間代発作

僕の脳も限界がきている・・専門用語が難しい。そんな発作を軽減する手術を広島大学病院脳神経外科の先生が提案してくれたのだ。

「脳梁離断術」

のうりょうりだんじゅつ。

「脳梁離断術」脳梁は大脳の右半球と左半球をつなぐ働きをしています。右脳や左脳で司どった電気信号は脳梁や脳神経を介して人間の右半身、左半身へと伝達される。また感情や精神面のコントロールも脳梁を介している。この左右を繋ぐ脳梁を外科手術で切断する事で左右の共鳴が原因の異常波を、ある程度、制御でき発作の軽減に繋がるという大手術である。

脳梁離断術にも術法が大きく2種類あり脳梁の前2/3から2/4を切断する「前方離断」と全てを離断する「全離断」があるとのこと。

全部切ったらやばいでしょ??

いや2/3でもまずくねぇか??全離断を行うと左右の電気信号を絶たれるわけなので、術後に知的障害や記憶障害が生じるらしい。でもお姉ちゃんはすでに重度の知的障害があり、利益とリスクの観点から利益が上回る。つまり元々重い知的障害なので全離断しても目立たないとの話。

ほんまかぇ先生?

2/3にしてくれんか!と思ったがお姉ちゃんの症例だと前方離断では十分な効果が得られないとの見解でリスクが勝ってしまうらしい。

脳障害により「言葉」でのコミュニケーションがとれず、痛いもしんどいも言えないお姉ちゃんの病状が少しでもよくなる可能性があるなら!!と

父ちゃん、母ちゃんが決断してくれた。

僕は広島市内で働いていて2019年の年末に実家へ帰省して、手術の詳細や日程を確認し合った。お姉ちゃんは幼少期からずっと発作じゃなくても、足腰が弱く急に倒れたりするから目が離せない。常に両親とかケアマネージャーさん、福祉作業所の職員さん、誰かしらが見守っていないと危ないのだ。お姉ちゃんは普段、平日の日中は福祉作業所で過ごして、夕方から朝までは実家で両親が見守ってくれていて、入浴介護でケアマネージャー さんが来てくれている。

それが入院するとなれば一大事である。入院期間も検査入院から退院予定まで2ヶ月くらいの予定だと・・・病室の付き添いを24時間、両親2人だけでこなすのは体力が持たない。僕も交代しながら付き添ってやらねば。。。会社も休まないとな・・。大晦日から2020年を迎えるお正月は不安が嵐のように襲ってきた。

年末、猫が急に体調が悪くなった。

高校を卒業して福岡のファッションの専門学校に入学したものの「親不孝通り」と呼ばれるクラブやらライブハウス飲み屋などが集まる夜の街に住んでいて学校にもあまり行かなくなりクラブやライブハウスでハードコアバンドのライブを観たりして遊びまくっていた。まさしく親不孝者だなぁと思いながら、ゴリゴリのニューヨークハードコアとかメタリックなニュースクールハードコアに嵌って行った。当時の九州にはいろんなロックバンドや音楽ムーブメントは盛んでハードコアというジャンルも盛んではあったが、東京、大阪、名古屋みたいな成熟したハードコアシーンは見受けられなかった。僕が好きだったゴリゴリのニューヨークハードコアとかメタリックなニュースクールハードコアバンドは当時の九州には片手で数えるほどしかいなくてライブが見たいけど、そもそも開催されていない・・バンドの母体数が少ないんだから音楽シーンも定着していないのは当然だった仕方ない。ライブが観たいけどやっていない、でも観たい。数は少ないけど音楽性の合うバンドは多少いる。「どうしようか?」色々考えて僕個人で好きなバンドを呼んでライブイベントを企画主催するようになった。しかし自主企画でマニアックなハードコアイベントそんなにお客さんも入るわけもなくライブハウスの箱代も高いのでお金が足りない。大赤字になる・・だから親不孝な僕は親不孝通りを離れて専門学校も辞めてしまった。とんでもない親不孝だ。普通の会社員でお金持ちでもない家庭で両親にお金も出してもらい福岡の親不孝通りに住まわせてくれた。高校を卒業し、福岡に引っ越してマンションの内見をする時、不動産屋の兄さんから「親不孝通り」という地名を聞いて、隣にいた母ちゃんには言えなかったが「あー親不孝だなぁ」なんて未来をすでに予測してた。2年間の専門学校も中退して実家に帰って、定職にも就かずアルバイトをしていた。

猫の話をせぇ!
姉ちゃんどこ行ったんや!


猫の話をします!2001年くらいかな?実家近くでアルバイトをしていて、いつものように出勤したら駐車場に可愛い子猫がいる。捨てられたのか?子猫一匹だけで鳴いていた。まぁでもバイトしなきゃだしほっとくか・・と思い仕事をこなした。夜になりさぁ帰ろうと思うと。まだミャーミャー鳴いている。

気がついたら子猫を抱えて家へと歩いていた。


21歳にもなって情けない話だが、なんか悪い気がして両親には猫のことを言わず物置に隠してダンボールで子猫を匿った。

秒でバレるよね。

結局、子猫を飼うことにした。痩せていたので「ガリ」と名付けた。でも両親含め誰も「ガリ」が気に入らないのか「ガリ」と呼ばず何故か「チャオ」と呼ばれるようになった・・。動物病院で登録してる正式な名前は「ガリ」なのに両親や近所の皆んなからは「チャオ」と呼ばれていた。僕だけが密かに「ガリ」と呼んでいた。たまに「チャオ」と言ってしまい受け入れたみたいになっていた。

そんなこんなで十数年が経過、猫の年齢で言うと18歳くらい。人間で言うと何歳くらいとかよく言うよね!?あれ意味がよくわからんけど、まぁ相当な高齢猫だ。高齢なのでだんだん体力も落ちて調子も良くなかった。

お姉ちゃんの脳梁離断手術を年明けに控えた不安な年末年始だった。成猫時代にガリが交通事故で大怪我をして緊急手術をして大変だったことを思い出した。見るからにガリの体調が悪くなり、2020年のお正月を迎えお姉ちゃんの入院が2020年1月4日だったが、入院翌朝の2020年1月5日、ガリは推定19歳で亡くなってしまった。拾い猫なので正確な誕生日がわからない。どうしょうもない悲しさと、お姉ちゃんの手術の不安が色々重なって辛い時期だった。ペットの火葬をしてくれる施設で火葬して灰になってしまった。


猫の19歳。大往生してくれた!!

ありがとう!ガリ!
ありがとう!チャオ!

2020年1月6日、広島大学病院脳神経外科の執刀でお姉ちゃんの大手術「脳梁離断術」が行われた。朝早く手術前の検査やら準備をして8時過ぎには術前の見送りをして、お姉ちゃんは頑張って手術室に向かった。

12時間にも及ぶ大手術を終えて、お姉ちゃんが21時過ぎに帰還した!!良く頑張った!!!ほんとうに。。。

無事に終わったと先生が来てくれた。しばらくは経過観察と言うことで心配はまだまだ続きそうだ。それにしても頭を切り開いて大脳の真ん中にある脳梁を切断すると言う神業のような手術を長時間執刀してくれた先生には感謝しまくりである。

今日もお姉ちゃんは感情を「言葉」には出来くて、しんどいと思うし、痛くて苦しいと思う。欲しいものだってあるだろうし、行きたいとこだってある。不満もあるし怒りたくもなる。誰かと話してみたいだろうし、恋もしてみたいと思う。

でも「言葉」にできない。

それでもお姉ちゃんは、声を出して笑ってくれるし、怒って涙目になりながら膝を叩いたりもする。

願望なのでもう一度書く!

人工知能などIT(情報技術)が発達して、障害により「言葉」にできない感情・心情を細やかに正確に伝えてくれる研究開発が進んでほしいと願う。

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