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「ひとごと化」のススメ


インドアモード 人の認知、輪郭を考える

最近は思うことを書くことが増えてきました。元々、乗り鉄などで派手に出かける以外は基本インドア派なのですが、最近それに拍車がかかっている気がします。

比較的アウトドアよりのモードの時は深く考えたりはしませんが、こんな動画とか割りと共感します。

これは虹は日本では七色とされるのに他国では六色や二色とされるのかという所から言葉の意味する境界線や輪郭の話に発展します。

私たちは物事を理解するために、ラベリングしますが、そこには人によって若干のずれが生じるのです。

私も自分の分かりやすい構造に置き換えたりすることはあります。

 高校時代に鷲田清一さんのエッセイを教科書で読みましたが、よくわからない。なんやこの人幻覚が見えてるのか?こんな人が持て囃される意味がわからないという感想をもちました。当時の大学入試のセンター試験も鷲田さんのような抽象的な問題、抽象的な回答選択肢が多い。

今でも自分の実力不足を棚にあげ、この業界腐ってるとか思ってしまう訳ですが、これも一種の輪郭の差がうんでいるものかもしれません。

輪郭のずれを示すために自分の文章は鉤括弧「」を多用しているのかも。あれだけボロカスに書いた鷲田氏だが、鉤括弧の多用は鷲田氏もするらしい。地味に彼の影響を受けている。

輪郭のずれが争いをうむらしい

しかし、そのずれが時に争いをうみます。

ロシアとウクライナの戦争やイスラエルの問題はもしかすると輪郭のずれがあるかもしれません。

ロシアにとってはウクライナに住んでいるロシア人の保護を大義にウクライナを攻めています。

一方のウクライナは自分たちの領土を守るため戦っています。国歌の歌詞も領土を守るとあります。

領土というのは一種の輪郭と言えるでしょう。輪郭をどう捉えるかによって正義は変わります。

争いを例に輪郭のずれを「知る」

さて、このような見方をするには輪郭の差異が人によって違うと認識する必要があります。

それを阻むものがプロパガンダだったりもしますが、過度の「自分ごと化」こそが弊害だったりすると考えます。

再びロシアとウクライナの戦争を例にあげます。

ウクライナ派の推測される主張

ウクライナ側につく人は、ウクライナの悲惨な映像をみて、ロシアに怒りを覚えるでしょう。
そして、こう思う人もいます。侵略国ロシアだ。近くにはお仲間の中国や北朝鮮もある。ロシアの暴挙を許せば、日本もいずれ攻められる。自分たちの生活が危ないと。ロシアの味方するやつは売国奴だと。

ロシア派の推測される主張

一方、ロシアに味方する人たちはウクライナのあの映像は西側諸国のプロパガンダに過ぎない。ウクライナには攻められる理由がある。そしてロシア制裁はかえってロシアを刺激し、資源価格高騰に繋がっている。
比較的親日派のプーチン大統領を敵にするのは得策ではない。西側諸国の金儲けに利用されるだけで自分たちの生活が奪われる。ウクライナに味方するやつは、西側資本家の犬だと。
 

自分ごとになると感情的にもなりやすい

こんな感じでつきつめて考えると自分の生活に直結するという結論になり、結果として国内のネット世論でも争いがおきます。

そして、このウクライナ派、ロシア派という輪郭設定でも主張の推論がずれているとか、ウクライナ派、ロシア派と言われるのは心外とかいう思いも出てくるでしょう。

私自身どっちの考えだと聞かれると、どちらかといえばロシア寄りです。
しかし、遠い海の向こうの戦争、つまりひとごとだからこそ、冷静に双方の主張を知ることができるとも言えます。

もし、自分の家が立ち退きになるとか、自分の会社の人が自分にとって嫌なことをするとかなると話は変わってきます。相手側の主張に納得できるものがあっても、それは見えなくなります。

再び登場 本田さんー歯磨き論争

例えばこの動画もそうです。本田さんばっか引っ張りだしてあれですが。

歯を磨かないことをカメラマンと討論する本田さん。普段歯を磨かない?本田さんは「歯を磨くことが常識とは限らない」みたいなことを実際言います。
カメラマンは世間一般には歯を磨くことが当たり前、磨いた方がいいのは100%みたいな事を言っています。

本田さんの件を自分ごと化

自分がもし本田さんと関わるとすれば、カメラマンと似たようなことを言うし、似た感情を抱くでしょう。もっと怒ってるかもしれません。
歯を磨かないと匂いなどで、相手に不快な印象を与える訳ですし、自分の健康にとってもマイナスです。

本田さんの件をひとごと化


しかし、本田さんをあかの他人と思えば、私はこう考えます。確かに本田さんに結果はないけど一理あると。
そう思ってしまう自分自身も本田さんの思考に案外近いのかもしれません。

歯を磨くのはあくまでも人間が定めた常識に過ぎないと捉えることは可能です。本田さんは動画内で本田圭佑さんなどを挙げていますが、少し例を変えます。
ヒト以外に歯磨きやそれに類することをしてる動物はほとんどいません。
そして、歯磨きと言っても一日に数回する方が好ましいとされますが、一日一回の人もいます。

一回の人もいればゼロ回の人もいるという事実に過ぎないとあえてみることもできます。
また、歯磨きの仕方にも議論があります。
フッ素は歯にいいとされます。歯医者でもよく使われます。しかし、フッ素は危険ともされています。 
フッ素は安全で歯にいいと言う人がいても不思議でもなく、それが多数派になればそれが常識になります。

歯磨きそのものに置き換えても、今現時点で歯磨きがいいと思う人が多数派なだけで覆るかもしれないという考えはできます。

ひとごと化と自分ごと化を使い分ける

こういう見方は、ラベリングしたり、輪郭を定める人にとって「ひとごと化」をしないとなかなか見えてこないかなと考えます。

人から学び自分ごとのように捉える「自分ごと化」することが大事な時も結構多いです。実際、前の会社にいたときはヒューマンエラーなどを自分ごとのように捉えて、仕事では注意して行動してくださいという教育がされてました。

しかし、「ひとごと化」をして他人の輪郭を見ることは争いを減らすために大事なことかもしれません。

自分ごと化」も「ひとごと化」も上手くコントロールするのは困難なスキルですが、上手くつかいわけることで、ミスや思い込み、トラブルを減らせるかもしれません。


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