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「変顔」で私を救ってくれた助産師の話

たおたおさんのこちらの記事を拝見して、
思い出した人がいます。

私を救ってくれた助産師の女性です。

2人目の出産の時でした。
分娩室に入ったものの、なかなか赤ちゃんが降りてこない。

早く産み出しちゃいたいと懇願する私に、
担当医は淡々と説明してくれました。

まだもう少し先ですよ。
深夜2時ごろの予定です。
なぜなら…


痛みでのたうち回る中、長い説明はよく理解できません
私は涙目で室内の時計を見上げました。

深夜2時と言うことは…
あと5時間もこの状態!?
間違いなく体力が持たない。

勝算の低さに唖然。
次第に頭がぼんやりして、視界がチカチカしてきました。

ふくださんも、赤ちゃんも、
呼吸が苦しそうなので酸素マスクをしましょう。
なぜなら…


もはや担当医の説明を聞く気力もなくなった私。

もうダメかもしれない

と諦めた時でした。

はい!ドンドンいっちゃお〜!

パン!と手を大きく打ち鳴らしながら
1人の助産師が分娩室に入ってきました。
中年の女性。
手首にはキティちゃんの腕時計。

ふくださん、この後混み合ってるのよぉ。

とっとと済ませてもらえないかなぁ?

え、済ませることが可能なの?
5時間耐えなくていいの?
担当医のメンツ丸潰れじゃない?

呆気に取られているうちに、本格的な陣痛が始まりました。

この時のキティ助産師の対応について、
実はnoteに書くのは若干憚られるのですが…

品位に欠ける表現を予めお詫びしつつ、
キティ助産師への敬意を表して書かせていただきます。

おっきな💩するのと同じ!
ふぐっ💢よ!


ふぐっ!そう言いながらキティ助産師は
物凄い形相で顔に血管を浮き上がらせて、
大迫力の変顔を見せてくれたんです。

私は何だかもう脱力して笑ってしまって。

な〜んだ、そんなことだったのかと
良い意味でバカバカしく感じる余裕
痛みの限界を迎える私に届けてくれたのです。

間もなく私は出産しました。

よっ坊ちゃん!見事なモロー反射!


産後の息子をケアしてくれるキティ助産師の
威勢の良いかけ声を聞きながら、
私は胸がいっぱいで泣いていました。

その人が纏う底抜けに明るいムードと、
飾らないストレートな言葉は、
危機的状況にある私を「こっちにおいで」
安全地帯に救いあげてくれました。

本当は、神様だったのかもしれないと思っています。

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