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疲れを取る・疲れにくい身体を作るライフスタイル

いつまでも終わらない仕事、毎日の家事・育児、職場や学校での人間関係のストレス、これらが原因で一日の終わりにぐったりとしてしまう。その疲れが取れずに、頻繁に体調を崩したり、集中力が続かなかったり、常に身体の体調がすぐれない、など、こんな経験をしたことがある人・している人は多いのではないでしょうか。あなたの感じている疲れは身体からのSOSサインです。この記事では、疲れをとる・疲れにくい身体を作るための生活習慣についてご紹介します。

そもそも疲労とは何か?

「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」日本疲労学会では疲労をこのように定義しています。

他にも疲労は、痛みや発熱と並ぶ生体の3大危険信号で、疲労を感じるときは、「これ以上、作業を続けると身体に悪影響がでる」という身体からのSOSサインとも言われています。

つまり疲労とは、身体を壊したり体調を崩す前段階であり、一般的に疲れと言えば軽く見られがちですが、疲労が溜まることで様々な病気や不調につながっていきます。そのため、疲労の段階から、身体のケアを行う事が予防医療やアンチエイジングにはとても重要です。

疲れには2種類あります

疲労は、末梢性疲労と中枢性疲労の2種類に分けられます。

末梢性疲労とは、肉体的な疲労の事で、筋肉や臓器、各組織で起こります。身体を動かし続けると筋肉内のエネルギーがなくなり、血流が悪くなることで老廃物が溜まり、パフォーマンスが落ちて、筋肉のだるさやハリ感として体感が現れます。末梢性疲労は、筋肉だけでなく、内臓でも使いすぎることで疲弊してその機能が低下します。内臓の疲弊は筋肉に比べ分かりづらいですが、各臓器の機能低下が起こり、全身の倦怠感や消化不良などの障害として体感が現れます。

中枢性疲労とは、脳の疲れのことで、精神的・神経的な疲労として現れます。長時間の勉強や会議、会社でのプレゼンなどの後、身体を動かしていないのにぐったりと疲れてしまうという経験はないでしょうか。これは、長い時間ストレスや緊張状態が続くと、脳や自律神経の働きが活発になるため、大量の酸素とエネルギーが必要になります。その結果、脳や神経のエネルギー不足と、大量の活性酸素が発生することによる脳や身体に酸化ストレスがかかることで疲労を感じているといわれています。

疲労の原因は活性酸素

運動が続くと発生する疲労はこれまで乳酸が原因と考えられていましたが、最近の研究では乳酸はむしろ筋肉の活動に必要な物質であるとされ、活性酸素による酸化ストレスが疲労の一因であるとされています。

酸化ストレスは、先に紹介したように過度な運動や緊張・ストレスが続いた時、酸素が大量に消費されることで活性酸素も発生します。

もともと人の身体には、活性酸素を取り除く抗酸化力が備わっていて、活性酸素を無毒化しています。

しかし、酸化ストレスの抗酸化が追い付かなくなると、活性酸素が優位になり、酸化ストレスの状態になります。この状態になると、優位になった活性酸素が細胞の機能を低下させたり、体内の栄養や細胞を有毒なものに変異させたり、正常な細胞を傷つけることで身体は疲労を感じます。さらに疲労が改善されないと症状の悪化や病気の原因となってしまいます。

疲労を感じる原因は色々とあります

先に説明した過度な運動やストレス・緊張以外にも活性酸素が増えて疲労を感じやすくする原因は色々とあります。

「年を取るごとに疲れやすくなる」よく聞く言葉ですが、これは加齢によって酸化ストレスに対抗する体内の抗酸化力が低下するためです。

他にも、紫外線や放射線、環境汚染、食品添加物や古い油、喫煙など、活性酸素が増えたり、抗酸化力が低下して、酸化ストレスによる疲れを感じやすくなる原因となります。

疲労をとり、疲れにくい身体を作るライフスタイル

1.食生活に気を付けて疲れにくい身体を作る

【食べ方】
・朝食を抜かずに食べるようにする
・食事は出来るだけ決まった時間に食べる。間食、過食、偏食をしない
・よく噛んで食べる  など

【食べるもの】
・欧米食や外食は出来るだけ控える
・コンビニ食などの加工食品、菓子パン、菓子類、清涼飲料水は控える
・一日の摂取カロリーを抑える
・青魚に多いオメガ3系の体にいい油を摂る
・食物繊維を摂る  など

日本人のからだには昔ながらの伝統的な食生活があっているとされており、近年の欧米食傾向は良い面もありますが、基本的には日本人のからだには合っていないため身体的なストレスの原因となりやすいです。日本人の昔ながらの食事では、魚に加え、豆類、海藻類などは食物繊維を多く含んでおり疲れや体質の管理においてはとてもおすすめです。腸内細菌の記事で詳しく解説しています。

それ以外にも、インスタントフードなどの加工食品、菓子パン、菓子類、マーガリン、ショートニングに含まれるトランス脂肪酸は内臓に負担をかけるので、疲れを感じている方はできるだけ避けるのがベターです。

2.適度に運動が身体のリフレッシュになる

日常的に運動しない方や、体調がすぐれずに休養が長くなりなどで運動をあまり行わないと疲れによる症状を悪化させることがあります。
無理をしない程度で段階的に、有酸素運動を行う事で疲労を改善し、身体機能を高めると言われています。しかしいきなり運動をするのはハードルが高いので、出来るだけ日常生活に取り入れるのがベターです。「昼休憩に少し遠くのお店まで行ってみる」「たまに階段を使う」「家事をしながらスクワット」「椅子に座っているときにモモ上げや踵上げする」など。このように少しづつ習慣に取り入れていくと良いでしょう。

3.息抜きやリラックスできる時間に疲れをとる

例えば趣味の時間に没頭したり、心置きなく話せる友人と会ったり、リラックスして睡眠出来る時間をとるなど特に中枢性疲労の方は日頃から交感神経を酷使しているため、自律神経のバランスを崩しやすい傾向にあります。ゆっくりとリラックスする時間を作り、自律神経のバランスを整えることが疲労改善に有効です。最近では、多くの人がPCやスマホに触れている時間が長く、疲労の原因となっていることが多いので、休みの日には”デジタルデトックス”をしてPC・スマホから手を離して生活することもお勧めです。

まとめ

疲れの感じ方は人によってさまざまです。身体を動かす仕事の方が、身体の各所にハリや違和感を感じることもあれば、ストレスの多い仕事の方だと、脳や神経を多く使う事で、疲れが出て集中力が途切れたり、無気力になったりするのも大きくまとめればすべて疲労によるものともいえます。

他にも満腹食べた次の日に胃がむかむかしたり、考え事が増えると鬱々とした気持ちも身体からのSOSサインです。

小さな不調でも身体からのSOSサインを感じ取って身体の不調がひどくなる前に生活習慣を少し変えてみてください。当院では、疲れに関する相談も承っておりますので気になる方はお気軽にご相談ください。

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