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【アルバム紹介】Everything Happens To You / Miii (2013)

今回は、Maltine RecordsよりリリースのEveryting Happens To Youをご紹介します。

はじめに

各サブスクリプションサービスにはあがっていませんが、公式がクリエイティブ・コモンズの下mp3ファイルを公開しているので誰でも視聴可能です。公式アプリでストリーミング再生もできます(https://apps.apple.com/jp/app/maltine-records/id394434448)。

この大サブスク時代にあって、先駆的に楽曲の無料公開をしているネットレーベルからアルバムの紹介をするのはなんだか変な気分です。曲をCDをアルバムを購入しなくなってからまだ日が浅いことに気付かされます。

本アルバムは全4曲構成ですが、そのうち3曲が7分超えでダンスミュージック(広義)の中では若干長めかなと思います。ただ、メインのフレーズを背骨にいくつもの展開が行ったり来たりするのを楽しんでいると、それもあっという間です。

全体として、日中の住宅街の情景が後味に残るような曲調です。都心へのアクセスも良さそう。乗り換え1回。近所の公園にはブランコがあって、手すりは完全に錆びついています。黄色い柵もある。腰くらいの高さのやつ。

曲へ

1曲目"Everything Happens To You"では印象的なオルガンっぽいリードが終始流れ続けていますが、その安定感をいいことにsynth bassが暴れます。何回聴いても曲調の暖かさが崩れず進行するのが不思議です。
時折差し込まれるピアノも最高。ダンスミュージック(広義)のエレピ挿入はお馴染みの展開ではあるわけですが、ベターにはベターたる理由があります。

2曲目"Structured Strings"は暗めのdrum and bass(?)ですが、途中でメロディラインがやってきます(3:00以降)。ここまで待つと、同じアルバムに収録されていることに納得できます。
後半、するすると4つ打ちに収斂していく様に驚いているうちに曲が終わっており、埋め合わせをしようともう一度聴いてみることにしています。

3曲目"Dipped Pops Future"では、アタック感抑えめのメロディにバキバキベリベリのベースが無理なく噛み合っていきます。すごい。dropの各所に見え隠れするメインのフレーズが命綱になっており、最後には聴き手を住宅街の昼下がりに連れ戻してくれます。

4曲目"The Automatic Scatter Machine"。アルバムの中ではいちばん聴きやすい。
いつもdrop前(2:25あたり)で幸せになり、そのまま終わりまで駆け抜けます。こういう曲展開を浴びるために私は曲を聴いています。drop部分はなんというか優勝の余韻に浸る部分で、勝敗はbuild部分でほとんど決まっています。

以上4曲"Everything Happens To You"です。部屋で落ち着いて聴くのもいいですが、外出中、特に帰路の終盤で聴くと刺さるものがあるかなと思います。

あとがき

ダンスミュージック(広義)の話。どういう括りが適切かわからず、大まかに自分のよく聴くジャンルを答える時に勝手に使っています。
例えばこれはダンスミュージック(狭義)で、同じカテゴリに入れてもなあという気分です。


それと、4曲目"The Automatic Scatter Machine"内の蛇口を捻ったような音ネタ結構好きなのですが、最近遭遇の機会が減ったような気がします。


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