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何もできなかった若者でも、プロ人材になれる。どん底の創業期を経て年商179億に成長【株式会社ナレルグループ】

株式会社ナレルグループは建設業界の人材育成と派遣業を展開する、2008年創業の企業です。
建設業界のリーディングカンパニーを目指し、専門領域とITを掛け合わせることで売上を順調に伸ばし、2023年7月には東京証券取引所グロース市場に上場を果たしました。
ナレルグループという社名は、はじめは何もできなかった若者でもプロ人材になれる、という創業者・小林 良 氏の経験からなる想いが込められています。

株式会社ナレルグループ 代表取締役 小林 良 氏

プロフィール

生年月日:1972年9月20日
出身地:浅草生まれの浅草育ち
座右の銘:稲盛和夫「あらゆる事象は、心の反映である」
愛読書:孫正義 「起業のカリスマ」
趣味: 娘とドライブ

■直近3期分の売上高
2021年10月期:     121億円
2022年10月期:     145億円
2023年10月期:     179 億円


10代で営業職に就き、トップセールスに

地元の中学校を卒業後、堀越高等学校に進学するも校風が合わず、1週間で退学します。その後、時計の卸売り業の会社に就職し、商品管理を担当しましたが、19歳の時、スーツ姿の営業マンに憧れ、社長に営業職への異動を直訴します。
希望の営業職となった小林は、契約が決まると先輩はじめ社長や専務が喜ぶため、彼らが喜ぶ顔が見たいと営業の腕をメキメキと上げ、20歳から27歳までトップ営業の座を貫きます。
それに比例し会社の規模も拡大しました。小林が入社した当初は社員7名規模の会社でしたが、この7年間で60名規模に拡大。年商も4億円規模だったのが45億円規模に拡大しました。その後小林は違う世界で力を試したいと数社転職します。
2003年5月に転職したホテル会員権売買企業は、ほぼフルコミッション制でしたが、転職3カ月で頭角を現し、2005年には年収2,000万円、翌年は年収3,000万円を稼ぐトップセールスとなりました。

「俺に売れないものはない」自信満々で起業

自分で起業して会社を設立した方が、より規模が大きくなる。父に相談したところ、建設業の人材派遣業に勤めていた父は「市場が大きく、若手が少ない建設業界の人材派遣事業は儲かるぞ」と伝え、その言葉に小林はビジネスチャンスを感じました。
2008年11月、父と父の同僚である宗村氏が小林の脇を固め、3名でワールドコーポレーション(注:現ナレルグループ)を立ち上げました。
当時の小林はフルコミッションで培われた営業力で「俺に売れないものはない」という自信、そして、父と宗村氏が建設業に強いことから、怖いものなしで起業しました。  

リーマンショックの打撃 明日をもわからぬどん底に

しかし2008年9月にリーマンショックが起こり、実体経済への影響が11月の起業直後に訪れました。小林は景気が悪くなることを予測していましたが、すでに会社を興していたため活動を止めることが出来ませんでした。
初年度は諸経費も併せ2,600万円の赤字となり、なおかつ資金繰りにも苦戦しました。それでも小林自身が貯めていた自己資金を補充に充てながら事業を回していました。しかし、2期目は融資がストップとなり、2年間無給で働きながら事業を回している中、だんだんと個人の資金残高も減り、来月はどうなるか分からない状態にまで来てしまいました。
毎日早朝から深夜まで働き、帰宅すると妻と子供が既に就寝している姿しか見ない状態でした。帰宅後子供の寝顔を見た時、年収3,000万円のトップセールスだった頃を思い出し、今は債務ばかりの現実に涙が止まらなくなった時もありました。

創業2期目の終わりにはリーマンショックの余波が徐々に抜けてきた感がありながらも、資金繰りは苦戦していました。小林個人の銀行残高が100万円を切っている中、銀行に資金調達を依頼しても門前払いという状態で、このままでは資金がショートすることは現実に見えていました。

融資を受け事業が回り出す ホールディングスに成長

ある日、小林は最初に勤めた会社の上司を訪れました。その上司は独立し自身で事業を起こしていました。
資金の相談をするつもりはなかったのですが、何かを察したその上司は今から自身の口座を開いている銀行に話すと言い、その後その銀行から小林に3,000万円の融資が下りました。それが2010年の時です。
そこから事業が回り始め、翌年の2011年には今も事業の中核を固めるメンバーがリファラル採用で入り、会社の基盤が整いました。  

2019年、ワールドコーポレーションはさらに規模を拡大すべく、ホールディングスとして舵を切ります。ここで改めて、小林はどういう想いで自身が会社を創ってきたかを振り返りました。これからは単に建設業界に人材を派遣するのではなく、技術を提供していきたい。そのためには、未経験の人材を育て、建設業界の底上げをしていかなければいけない。  
理想を言えば、入ってきた仲間たちがスキルを積み上げ、1人前として羽ばたいていくような企業にしたい。小林自身が経験をしてきた、はじめは何もできなかった若者が、上司や先輩の力を借りて「プロ人材」になれるように、という意味を込め、社名を「ナレルグループ」としました。  

その後、2020年12月にITに強い株式会社ATJCをグループ傘下に加えました。それは、「人材育成」の組織文化と育成技術を基盤に、ITの仕組みを掛け合わせることで、各業界で求められる専門知識とITに強い人材を数多く安定供給していく体制を構築するためです。 翌年には、人材供給のサイクルを構築すべく、「人材を求める現場」と「働く場所を求める人材」の両サイドを支援する、建設業界の「人材プラットフォーム」を展開する株式会社コントラフトを設立し、人材面での業界活性化を実現していきました。
当グループは、今後も人材育成と専門領域とITの2つの技術を掛け合わせ、建設業界における業務変革支援と、各業界の問題解決支援を力強く実現していきます。