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釣り人同士の派閥争いに関する考察

ごきげんよう、拶双魚(さっぱ)です。

今年もあと1週間と少々になり、2024年度発売の製品が各種釣り具メーカーから発表されましたね。

YoutubeやSNS等で釣り具関連のコンテンツを見ていると
何やら熱狂的なファンが他メーカーを貶している様子が散見されますね…

まぁ、釣りは自己満足の趣味ですし他人様に迷惑かけなければ楽しみ方は自由なので仕方ないことなのかもしれませんけど

こうも冷え込んでくると心細くなるからか、普段ならスルーできるものが目についてしまって駄目ですね…

僕は特定のメーカーに拘りがあるわけではないので1歩引いて観察しているのですが
張り合っているように見えても実はほとんど片方からしか噛みついてないのが分かったり
自分の推しているメーカーのどういうところを誇りに思っていてどこに不満を覚えているのかが透けて見えたりするのは
何だか見ていて面白いですね。

コミュニティに所属する成員の行動と心理について(学問の体系としては組織行動論に分類されるものですね)、大学の講義で学ぶ機会がありましたが

釣り人は「釣り人」という社会的カテゴリとしての大きな集団ではなく「どんな釣りをする人」「どの地域の釣り人」…
もっと言うと「どのメーカーの製品を愛用している人」「どのプロのファン」「どのタイプのタックルを好んで使う人」と、所属する集団を細かく切り分けているケースが多くみられるように感じます

で、社会的アイデンティティ(組織行動論の用語で、簡単に言うと特定の社会的カテゴリ集団の一員としての自己定義でありその集団の一員であるということから得られる誇りに対する知的評価のこと)の観点から考えれば

・自分や他者を特定のカテゴリに当てはめる時は状況によって自動的に決まり、
・外集団(自分の所属しない集団)と内集団(自分の所属する集団)を対比し
・「内集団のメンバーとしての自分」にアイデンティティを見出し
・肯定的な社会的アイデンティティの獲得により、その自己高揚によって肯定的な自尊心を得ようとする
・だからこそ内集団の方が優れていてほしいと考えるし(内集団ひいきと言われるものですね)、そのために集団間で比較を行う評価を内集団に有利な形で行おうとする

そりゃあ毎日のように小競り合いが起きますよね、それぞれ一人一人がたくさんの細かい派閥に所属しているんですから…

もちろん派閥争いなどにはほとんど関心がない温厚な釣り人もたくさん知っていますが、彼ら彼女らに共通しているのは釣り以外の部分にも一定の自信や心の余裕があったりだとか、他ならぬ自分自身の釣りへの向き合い方が確立していたりだとか、自己定義が十分にできている所だと感じています。
実際、内集団ひいきを引き起こす主な条件に「自分を集団の一員としてしか定義できない状況」などもありますからね…

相手が釣り人だと分かっても安易には声を掛けづらくなったぐらいには派閥争いが激しいと感じる(人見知りしているだけとも言う)昨今ですが、釣り一辺倒ではなく他のことにも挑戦し、余裕を持って生きていきたいですね。

ではでは。


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