貴方にとって特別な香りはなんですか？

白粉花（おしろいばな）ってご存じですか？

夏の夕暮れ時、ピンクや黄、白などの可愛い花を咲かせる多年草です。

黒い種子を割ると、白い粉状のものが入っていて、これが化粧の白粉のようだったので、この名前が付いたそうです。

子供の頃に住んでいた家の玄関先に、黄色とピンクの白粉花が植えられていました。花をままごとに使ってみたり、落下傘に見立て遊んだりしていました。

夕方になり、花が咲き始めると、ほのかになんとも言えない優雅な香りが漂います。私はこの香りがとても好きでした。

私は子供の頃から香りに対して敏感で、香りが原因で気分が悪くなったり、その反対に気分が良くなったり、面白いなぁ、と思っていました。

大人になって、仕事のストレスで身体と心のバランスを崩してしまったときに、アロマの存在を知りました。

香りに気分や体調を改善させる力がある。

とても興味を持ちました。子供の時の経験が思い出されたからです。

香りは鼻から入って、ダイレクトに大脳に影響を及ぼします。

だから、即効性があるのですね。

そして、思い入れのある香りを嗅ぐと、瞬時に誰かのことや、それに関連した出来事などが思い出されるのです。そんな歌がありましたね。

海外などでは、お店毎に独特の香りを漂わせて、顧客に印象づけているそうですよ。お店のことは忘れても、香りは記憶に残っていたりします。

だから、次に訪れたときに、『あ、この香り！』と思い出して、購買意欲がアップしたりするのでしょうね。

私にも、いくつかそんな思い入れのある香りがあります。

その１つが、今回ご紹介した白粉花なのです。

白粉花の香りは穏やかで楽しかった幼少期を思い出させ、ノスタルジックな気分にさせる香りなのです。

私はこの白粉花の香りと、精油のネロリの香りが、なんだか似ているように感じるのです。実際、私以外にも、その様に感じていらっしゃる方がいるようなので、チョット安心しました。

精油のネロリはビターオレンジの花から抽出されるとても貴重で高価な精油です。香水の原料としても用いられます。ネロリという名はイタリアのネロラ公国の公姫様が愛用した香りであることに由来しているそうです。

ネロリはアンチエイジング効果が高い精油であることで知られ、ある種の高揚感と同時に深い沈静をもたらし、心の安定を導きます。

私は心も身体もつらかったときに、このネロリの香りにとても助けられました。白粉花を連想させる、その優雅な香りは心を元気にしてくれるだけでなく、子供の頃の穏やかな日常をも思い出させてくれる特別な香りなのです。