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ハラスメントを知る、なくす

こんにちは。奈良県香芝市の社労士、宮永香織です。
厚生労働省が、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と位置付け、広報・啓発活動を実施しています。
今回は、今月が当月間にあたるため、ハラスメントについて綴っていきたいと思います。
今年の厚生労働省のリンクはこちら


職場のハラスメントの種類

パワーハラスメント

近年の社会問題化を受け、令和2年6月に労働施策総合推進法において、定義、措置等が条文化されました。
そして、令和4年4月から、中小企業を含め、職場のパワハラ防止措置を義務としました。

事業主は、
①職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
その雇用する
③労働者の就業環境が害されることのないよう、
当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために
必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

労働施策総合推進法30条の2第1項

上記①~③の要素を全て満たす行為がいわゆる「パワハラ」となります。

セクシャルハラスメント

パワハラより歴史が古く、法律の条文でもより早く示されています。

事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

男女雇用機会均等法11条1項

妊娠・出産・育児等に関するハラスメント

妊娠(マタニティハラスメント…いわゆる「マタハラ」)
男性従業員の育児等(パタニティハラスメント…いわゆる「パタハラ」)等
妊娠・出産・育児に関して、労働者は法律で休業や休暇、また、給付金等受ける権利があります。
これらの権利は、年々手厚くなってきています。
それに伴い、会社側は代替要員の確保(今居る人員でシェアするか?他部署人員を異動させるか?それとも、臨時で人を雇うか??)、仕事の割り振り等に苦慮することは確かだと思います。
「育児する人に優しくない会社に未来はない」…一言で言えば簡単なのですが、どうしても代替人員等に仕事の負担が増え、「どうして自分ばかり」といったフェアでない気持ちが芽生えてしまうかと思います。
また、妊娠・出産を盾に、権利ばかり主張して義務を果たさない労働者が居る事も確かだと思います。そういった労働者に、マタハラ・パタハラだ!と声高に主張されない様、冷静に指導する必要もあるかと思います。
産休・育休対象者が安心して休業・休暇を取ることに加え、これらの事も益々目を向けないといけないと感じています。そして、その方法も会社の理念等によっても異なってくるかなとも思います。

カスタマーハラスメント

上記ハラスメントに加え、近年問題となっているハラスメントです。
いわゆる、「カスハラ」です。
「お客様は神様」…確かにそうですが、行き過ぎた対処で労働者が疲弊すると元も子もありません。
クレームに関しても、「聴くべきクレーム」とそうでないものとを見極めて対応してもいい、また、しなければ労働者も会社も益々疲弊してしまいます。

ハラスメントに対する私の思い

とりわけパワハラに対してですが、私は個人的に、
「私たちはこれだけ苦労したのだから、あなた達も同じ(かそれ以上)の苦労をしなさい」と理不尽に強いられることに抵抗があります。
(あくまで「理不尽に」です。もちろん、しなければならない苦労もあるかと思いますので)
例えば、厚労省の上記リンク内にある、

厚生労働省
「就活ハラスメントリーフレット」 2頁

上記のような扱いは、氷河期世代の私達はそれなりに経験しました。
当時の採用側の言い分は、
「ストレス耐性を見るため」等の理由であったかと思いますが、そこでは就活生側が心の傷を負うことはあっても、何か前進できる、成長できることはありませんでしたから。
その苦労をする間に、今目の前にある課題に向き合った方が、よっぽど建設的、合理的ですし。
社労士関連の課題だけでも、
少子高齢化、人手不足、年金問題、そして、ハラスメント…と山積みです。
時代とともに、進化もしますが、必ず新たな課題は出てくるのです。
過去の苦労はそれとして理解し、現在、未来により向き合っていきたいと考えています。


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