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夜中の
2021年5月30日 17:06
憂みて憂みてなお暗い春薄灰の夜を超えて虹彩、ゲーミング夏蛍光カラーで硬質だんだんと単細胞に洗練されていく真夜中思想・感情、ばらばらと撒いて収束するのは自己同一性のふりをしたキャラクター、着ぐるみ恋のように苦い薬が脳天を撃つ明日の朝はきっと凡夫なる我、少しだけ進化した生き物
2019年3月27日 20:21
少年少年少年、少年、菫色の瞳の少年、菫色の瞳の中の少年、安酒を飲み笑い出す少年、フリルとレースに溺れる少年、漂白する少年、漂白し漂泊する少年、漂泊する少年の中を泳ぐ少年、コンビニ、ホットスナック、油にまみれし薄紙、てらてらと輝ける、唇、入れ子構造の少年、少年の中には高密度の少年、もしくは夢の中の少年、少年少年少年少年、傷に当てしカットバンぐずぐずたらむ少年、なお愛しき
2018年6月30日 00:20
きっとここは中枢だろうたくさん歩いたから深層だろう声が遠いから最果てだろう君にもうすぐ会えるだろうか プレイリストはとうに終わって暗闇では目よりも肌を頼りに たくさん落としてきたけれど拾ったもので鞄は重い 薄い光を頼りに進む姿は深海魚みたいなにかを退化させてなにかを鋭くしていくそのうちこめかみにGPS機能が付くへそのあたりのAIが発達する 水底の首都高
2018年6月22日 19:30
バスが水槽に改造されていて人魚しか乗れないことになっていた 人魚たちはクリームソーダを飲みながら学校へ向かう窓から路面へと吐き出されるチェリー 私は人魚ではないから自転車で登校去年よりも日焼けするだろうたくさん汗もかくだろうわくわくするような、8時 いつの間にか夏の時間が進んでいてノウゼンカズラが空を覆う ひやひやとひえた橋桁に頬をつけたまま学校に行かな
2018年6月21日 23:08
更衣室のロッカーの鍵を飲んだのは私ですロッカーの中には白熊が眠っていますほら、いびきが聴こえるでしょう 先輩はそう言ってブラウスのボタンをはずしはじめる白い花模様のレースの下着 ロッカー、開かなくなっちゃったね 先輩それは困ります中には家の鍵とぬいぐるみとスマホが入っているんです困ります今、事務所からチェーンソーを持ってきますねそれできっと開きますから、 チェー
2018年6月21日 01:17
駅からの帰り道、自転車のハンドルを掴まれ倒された突然降ってくる暴力には熱を持って挑まなくてはならない 体温がみるみる上がっていく青い自転車はあっという間に溶けぶくぶくと泡を吹き地面に流れる 私を倒した男は溶け落ちた自転車に半身を焼かれながら立ち尽くす 私はカバンから地球儀を取り出し男の頭を殴りつける男は二つに割れる断面からエメラルドがのびてくる 緑炎の
2018年6月19日 00:46
鬼の居ぬ間にキスしよう鬼を交えてパーティーしよう テーブルには赤、朱、紅、カトラリー零れ落ちる銀色の音 ねぇ音楽をかけて猥雑なテレビを蹴破って ほら指をここへ冷たい場所を探して ねぇ彩度をあげて終わる予感に安堵と苛立ちを 靴擦れ悪酔い雨音夜明け 終わる前に一度もう一度舌を出して #詩 #写真
2017年9月26日 21:41
恋人が庭の花をたべてしまうからそろそろ別れようかと思った 別れを切り出すのはすこしばかり重たくてでもなぁ別れたいなぁ 恋人の唇から花粉が溢れる私は受粉しようと手を広げてみるが蕾はつかない 別れようか、 恋人の眼から蜜が垂れてくるハチドリが恋人をついばむ恋人の身体にうろができる 私はうろのなかで眠る 別れたかったのにだめだなぁ、と反省する
2017年8月9日 11:22
おまえの足の裏とわたしの手のひらの温度が一緒になる足の裏と手のひらをぴったりとくっつけた瞬間からチョコレートのように溶けはじめわたしとおまえの輪郭はなくなる最後に混ざりあわなかった骨だけがのこる骨は重なり合い檻のように茨のように絡み縺れくぐり抜けて行けるのは小さく身を屈めた少年だけ 少年はわたしたちの尖った骨で白い皮膚を裂きながら進んでいく皮膚を裂き、肉を抉るわた