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『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の感想を書きます。

サンキュータツオ著 『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』 (KADOKAWA 、2016)

知人に教えてもらった本。
自分では、見つけられないであろうタイプの本。
これだから、話すのは楽しい。

ざっくり内容

辞書の特徴、その歴史が書かれている。
日本語の辞書には、複数種類がある。
その違いを本書では、「恋愛」という単語を一つ例に用いて、辞書でどのように説明されているのかを紹介している。
また、版が変わるごとに意味合いが変更されているものもあり、非常に興味深い。
編集者の視点から、言葉を見るような感覚だ。
それが辞書や辞典の、違いでもある。

後半のページでは、著者により辞書が擬人化されている。
擬人化により、それぞれの国語辞典の特化したところが、非常に分かりやすく紹介されている。

感想

知らない間に、辞書内に図解ありなものもあるのか。
辞書の持つ、その多様性を見比べるだけでも楽しい。

私自身は、普段辞書を引くタイプ&電子辞書派。
今は通信機能があれば、データ更新も可能だし、SDカードなどで他言語の辞書を追加することも可能だ。

私の電子辞書にある、国語の辞書を紹介してみる。

精選版 日本国語大辞典
広辞苑
明鏡国語辞典
新明解国語辞典
新漢語林
NHK 日本語発音アクセント辞典

などなど。

この本に出てきた辞書は、もちろん入っている。
個人的に広辞苑は、読み物だと思っている。
独特な解釈が面白い。

いや、もう正直に書いてしまうと辞典とは言っても、読み物だ。
なんせ面白い。

最近、電子辞書で遊んでいたという貴重な仲間を発見した。
今まで生きてきて、自分と同じタイプの人に会ったことがなかったので、嬉しくてたまらなかった。
本書の著者、サンキュータツオさんも同じようなタイプなのかもしれない。

本書によれば、夏目漱石は初め、五十音順の辞書を肯定的にとらえなかったとか。
もし「いろは…」で探すことが定着していたら、今の日本語は大きく違っていただろう。
そして、明治政府から命を受けて大槻文彦(ほとんど1人で)により作られた、近代日本初の国語辞典の名は『言海』というのだと。
言の海。
ロマンでしかない。
言語大好きマンは、ずーっとニヤニヤしながら読んでました。

後半のページでは、辞書の特徴が擬人化されて説明されている。
最後まで読んでから、最初のページにYES/NOを選択して「あなたが辞書だったらどれか」が、書かれているのを思い出してやってみた。

私は「岩波国語辞典」タイプだった。

委員長タイプだと紹介されているこの辞書。
例えば、こんな具合だ。

「いや僕がどう思うかというよりも、まず事実だけを考えてみるとこうなる。あえてどう思うかというと、社会通念的にはあまり感心しない」みたいな正論をはいてくれるのが<岩国くん>なんです。

サンキュータツオ著『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』(KADOKAWA 、2016)、134頁。

超保守的だと書かれている、岩波の辞書。
国さえ、信用していないところもあるとか。
擬人化された、岩波国語辞典の上記特徴。
うわー、自分言いそうだ!!と思って、周りの数人にきいてみた。
「言いそう。てか、言ってる。」と。

面倒くさそうな感じさえ、辞書から感じさせる面白さがある。
擬人化することに、結構消極的な私ですが、こういう解説には分かりやすいので良い。

辞書を購入する必要がある場合、学校から辞書の指定をされるかもしれない。
そうでなければ、辞書を購入する際、いくつかの単語を複数の辞書で実際に見比べたり、先生にきくかもしれない。
友達と相談したり。
そんな時、そっと本書も参照にすることをおすすめしたい。


非常に興味深い本でした。


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