『三体』
やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の感想を書きます。
劉慈欣著 『三体』 大森望/光吉さくら /ワン チャイ訳 立原透耶監修 (早川書房 、2024)
中国語のペーパーバックは、2008年に発売(私調べ)
日本語版は、2019年にハードカバーが発売された。
そして、個人的に超待望の文庫本は、2024年に発売!!
三体問題は、天体力学の分野。
宇宙という、とてつもなく壮大なスケール舞台での、「そんなバカな」と思うような話がある。
しかし同時に、まったくのファンタジーとは言い切れないような、程よい緊張感に溢れる。
中には、同意出来ずにモヤっとさせられるところもある。
長編大作なので、全部で3部構成となる物語の第1部を読んだところで、
この記事にまとめる。
あらすじ
タイトルについて触れておく。
天文力学には、三体問題が存在する。
三体文明とは、太陽3つに囲まれた星の文明である。
恒紀と乱紀から成り立ち、度々文明は根っこから滅ぼされる。
恒紀は春のような気温と天候で成り立ち、生物が生きやすい。
しかし、乱紀では極寒か灼熱しかなく、生き物が存続することは不可能であり、たちまちすべてが滅ぼされる。
三体文明は、これ以上滅びることがないように宇宙へと発信する。
この物語は、1967年、中国の文化革命から始まる。
科学を、彼自身の信念を曲げなかった葉哲泰(イェ・ジョータイ/よう・てつたい)。
※中国史や中国について知らなくても、物語を読むことに支障はない(持論)
時は流れ、葉哲泰の娘である葉文潔(イェ・ウェンジェ/よう・ぶんけつ)の生きる時代の話に変わる。
彼女の時代に並行して、現代を生きるナノマテリアルの研究者、汪淼(ワン・ミャオ/おう・びょう)。
三体文明を疑似体験出来る選ばれた知識者たちは、Vスーツを着用し、
VRゲームをプレイし、文明が滅びないように導く者としてプレイする。
ステージが進むごとに明らかにされていく、三体文明。
頭脳戦と知能戦が、壮大なスケールと時間で描かれる。
感想
本書は、私の書店散歩経験で多分、初めての経験をした本。
本屋で見つけた瞬間、「これは絶対面白い」と、何も知らずに確信を持ったことだ。
直感は裏切らなかった。
全部で3部作だが、あまりにも壮大なスケールなので、第1部を読み終わったところで感想を書くことにした。
実に緻密に書かれている文章によって、ミステリ要素も多く含まれている。
突然生じる、不可解な出来事や事件の連続。
カウントダウン。
誰がどこまで知っていて、誰が裏切るのか。
どこまで、本当の話なのか。
個人的に痛烈な印象を受けたのは、三体文明が抱く科学者たちへの恐怖。
何かの研究を誰かが出来なくなっても、誰かがその意思を引き継ぐ可能性がある。
それならば、その思想ごとくじけば良いという発想。
学問は、難しいことほど根底を問い直される。
基礎論を研究するような科学者は、徹底してマークされる。
知人に数学基礎論の話を聞いた時に、ゾッとしたのを覚えている。
物事の根底を問うという姿勢であれば、哲学も入ると思うのだけれど(持論)
ネタバレしたくないので、フワフワした感想しか書いていないのですが、自分の覚え書きのための記事でもあるので。
マイク・エヴァンスの船の名前が<ジャッジメント・デイ>なのは、なんてこったい!!としか思えない。
第1部の最後では、智子(ソフォン)が登場し、地球人はもはや三体文明から隠れることが不可能となった。
人類の見聞きするあらゆる情報は、彼らのもとに届く。
約400年後に到着するかもしれない三体文明。地球人(人類)は、距離も時間もある、見えない敵(三体文明)とどのようにして戦うのだろうか。
Netflixで、シーズン1は鑑賞していたので、だいぶ小説へのハードルが下がった(映像化した監督も凄すぎる)
こんな物語を、あれだけの時間にテンポ良く収めてしまうなんて。
あまりにも壮大な物語で日常のことが、どうでも良くなってしまうことも、この物語の魅力の1つ。
面白過ぎるので、仕事に支障が出ないようにしないと。
重厚な物語ですが、SF好きはもちろんおすすめ。
とんでもなく面白い!!
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