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『さみしい夜にはペンを持て』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、最近読んだ本を紹介します。

古賀史健 『さみしい夜にはペンを持て』 (ポプラ社、2023)


もちろん内容も良い。
しかし、それだけでなく本書は紙媒体で持つことを深くおすすめしたい。
イラストがめちゃくちゃキレイなので、イラストだけ眺めていても楽しいからだ。
ページを捲る、前ページに戻ってみる。
これらの動作をしたくなる本だ。
イラストも、全ページにあるページ番号のフォントや色使いも全部魅力的。

さて、この本。
始まり方が良くて、本屋で手にとってページを捲って即購入を決意した。

ぼくは、ぼくのままのぼくを、好きになりたかった。

古賀史健『さみしい夜にはペンを持て』(ポプラ社、2023)、1頁。

イェーイ!!最高かよ。
これは読まねば!!


本書は、6章で構成されている。

1章 「思う」と「考える」はなにが違う?
2章 自分だけのダンジョンを冒険するために
3章 きみの日記にも読者がいる
4章 冒険の剣と、冒険の地図
5章 ぼくたちが書く、ほんとうの理由
6章 「書くもの」だった日記が「読むもの」になる日

私が学生の時に、こんな本があったら良かったのにって思った。
でも、サッカーボールを追いかけていた日々の私が読んでちゃんと考えたのかは謎。
今の私が本書を読むと、同意することの多い本なのかもしれない。
とても面白いし大好きな本だと思った。
本書の良いと思ったことを忘れないように、何度も読み返したいと思わされる。

ざっくり内容&各章の感想

1章 「思う」と「考える」はなにが違う?

あぁ、すぐに言葉が出てこない自分が本にされているような気分だ。
私の場合は、タコジローのように赤くはならないけど。
周りに分かりやすい方が、いっそ良かったのかもしれない。
分からないけど。
それぞれの苦労があるんだろうな。

思ったことを書く。
これにより、自身の分からないモヤっとした思いについて考える。
書くことの良さの1つに、消しゴムが挙げられている。

そうだよな、相手に言ってしまったら取り消せない。
でも文字化しているものは、消すことが出来る。

どこかで読んだ「話すということは、離すことでもある」という言葉を思い出した。
言葉の良さと、それの持つ脅威を思う。

「ごめん。あれ、なし!!」
それが出来るのは、文字だけだ。
言葉として話して、言葉が自身から離れたら、もう取り返せない。

2章 自分だけのダンジョンを冒険するために

「どうして「ことばの暴力」が生まれるのか」

同上、85頁。

これはもう、読んでいて個人的にめちゃくちゃ反省したところ。

「……ていねいに説明するのが面倒くさい。論理的に説明するのも面倒くさい。反論されたら面倒くさい。自分の気持ちをことばにすること自体、面倒くさい。そこに時間や手間をかけることも面倒くさい--。そういうさまざまな面倒くささにぶつかったとき、『暴力』という一発逆転の手段が浮かんでくる。暴力に訴えてしまえば、それだけで相手を屈服させることができるからね」

同上、87-88頁。

そう、私は面倒くさがりだ。
話し合うのも疲れるし、分かり合える気がしないと思えば、ずっと黙っていることが多い。
黙っていれば、相手は怒鳴ろうと、何を言おうとも早く終わるから。
最初から分かろうともしない、分かり合おうとしない私がいる。
これにより、自分を守ってきたところもあると思うけど。

相手を黙らせるために、といえば最近だと「正論(自分の正義)を振りかざす」ことをよく聞く。
2章まで読むだけで、以前のように日記のようなものを書こうと(文字を書く)反省させられた。

3章 きみの日記にも読者がいる

書くこと。
それがSNSなどのやり取りと異なるのは、返事を待つ言葉だという。

対話形式のチャットはよくやることだけど、これは最近友人と話したばかりのことだ。
既読や未読がメールには付かないのにねって話。
要は急かされている。
対話(直接会って話をすること)も大事だよねって話をした。

余談だが、この友人とは6時間かそれ以上通話状態だった日がある。
ずっと話しているわけではないけど、通話状態。
通話時間長っ!!って思うけど、誰かと会って遊んでいたら6時間なんてあっという間じゃないかって話もした。

対話だと返事を求められるし、やっぱり同じところに戻ってきている感じはあるけど、対話というところではチャットと違う。
書いていないけど、それとも違う良さ。
というのも、すでにお互い書いた内容について対話するから。

4章 冒険の剣と、冒険の地図

書くことが苦手なら、好きになれば良い。
特に書くことがなくて苦労するのであれば、書くための方法がある。

すげーな。

第4章のみの感想でも、この一言に尽きる。
なぜか?
特別に何もない日、しかも書くことが好きでもない人が書けるような方法が実に分かりやすく書いてあるからだ。
”面倒くさい”と話すことも、説明することも嫌がる私でも本書を読み、実行出来ていれば去年は違った思いをしていただろう。
余計にリベンジしたくなったことを、ここに記しておく。

だから、すげーな。
この章を読んで、私は思うんだ。
人の心を動かすから。

5章 ぼくたちが書く、ほんとうの理由

日記を書いていると、それは他者に言い難いことであり、
また同時に自分にも言い難いものである。

本書によれば、ネガティブな事などは分けて考えると良い。
時制を変えてみることや、人称を変えてみたり。
メタ認知するわけか!!
んああああー!!いいねぇ。
メタ認知。
簡単なことではないけど、必須事項だと個人的には思ってる。
メタ認知出来ないと、反省も出来ない。
変わることが難しい。
どれほど良いことを知っていても、それが生きることは難しいのではないだろうか…

6章 「書くもの」だった日記が「読むもの」になる日

どんな文章にも読者がいて、日記の場合は分かってほしいと思う自分と、
伝えたい自分なのかもしれない。

読みたいと思える内容であれば、日記を書くのは面白いかもしれない。
ただ淡々と書くのではなく、主観的に、客観的に。
これまで読んできた内容をきちんと理解して、実行出来たら読み返したい、続きが読みたい日記となるだろう。

これはnoteにも通じるんだろう。
自分が読み返していて楽しくない記事は、自分でも読みたいと思えない。
読み手を意識して書く大切さか…

まとめ

各章の内容紹介、感想はすでに書いてきた。
それらをふまえて、まとめてみる。

なかなか慣れないから、全然使わない今年初めて買った万年筆の存在を思い出した。
あれを使おう。

面倒くさい
大きな変化のない日々

そんなことばかりか?そんなことないぞ。
本書を読んで気付かされた、結構色々ある日々。

急に結論を書きます。
この本に興味を持ったら、読んでみてください。
きっと楽しいから。
タコジローが主人公なので、海の中の会話。
名作が海の生物でパロって出てくるのも、楽しい。
とにかく本書のイラストが素晴らしいので、紙媒体で購入することを強くおすすめします。


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