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もし、子どもに「無視された!」って言われたら…?正しく見守るためのファーストエイド

※この毎日投稿は、Stand.fmの音声投稿をふりかえりながら、補足や一歩踏み込んだ内容を書いています。

子どもに無視された報告を受けたので、早急にファーストエイドだけ見たい方は、目次の「ファーストエイド」をクリックして飛んでください。


反省点と、きわどい内容になってしまったことへの補足

今日は反省点が多い。

・編集しやすいように、内容のまとまりごとに空白を入れてしゃべるようにしたつもりが、導入以外できていなかった。

・結び文を失敗して切り貼りになるも、音質に差がついて聞きづらい。

・「相手の立場に立つ」という例が、例として複雑すぎて、誤解を産みそうな内容になってしまった。

本文は、結局無編集に終わったので空白は不要だったけど、結びとして決めている、

「『本日』も最後まで聞いてくださり、ありがとうございました。あなたの『今日』が○○な『1日』になりますように」

この、同じ意味の言葉が連続しないように言い換えるのを、いつも失敗して録り直しになる。

喋りながら、言葉の重複を避けるのが、本当に難しい。
録音の内容じゃないけど、「言葉の重複を避けよう」というお題目、しゃべりながら実行するのは簡単ではない。

さて、ここで補足したいのが、最後の「誤解を産みそうな内容」を例として使ってしまったことだ。

今回、子どもが「友達に(あいさつをしたのに)無視された」というケースを例として出した。

「無視」

これ、大人の介入が必要な深刻なトラブルでもサインとなる事象

聞き手の「無視された経験」のなかに、深刻なものが含まれている場合、まず単語だけで不快に感じる可能性、そして私が提案した対応は、深刻な仲間はずれに陥っている可能性を無視している、危険な対応と見做される恐れがある、と思った。

わたしも、自分自身が子どもの頃に「深刻な無視」=「イジメの一形態としてのクラスぐるみでの仲間はずれ」に遭ったことがある。その感覚を呼び起こして聞くと、自分で話していているのに、聞いていると引っかかる点が多々あった。

だから、ここで補足したいと思う。

まず、初期対応

私の語り方だと、いきなり笑い飛ばすように見えるけれど、これは「相手の立場に立つ」に導くためのフェーズのみを切り取って話している。

実際には、「無視された」のがあいさつだけであったとしても、まずは状況を詳しく聞くことが必要だ。

つい最近、自分の子にもあって対応したことなのだけど、まずは受け止めて共感したあと、感情にフォーカスして「いやだね、つらかったね」と発散を促して浄化するより先に、「いつ」「どこで」起きたのかという事実を拾い上げることが、深刻なものを見逃さないために重要だと思う。

「無視」のバリエーションと分析

「無視」には段階がある。

まず、「命令」にあたる働きかけを無視された場合。
例)「○○して」と言ったのに、聞いてくれなかった。
これは、こちらの言い方(あるいは内容)が相手を不快にさせたか、相手にとって都合が悪いので答えたくなかった可能性がある。対等な立場で起きたケンカ、あるいは自分の子が相手より上位であるかのようにふるまって、友達を萎縮させた可能性もあり、そうであればむしろ加害者になり欠けている可能性がある。別の意味での観察が必要なケースだ。

次に、「依頼」にあたる働きかけを無視された場合。
例)「○○をお願いしたのに、知らないって言われた」
頼み事をなかったことにされたケースも、子どもは無視と表現することがある。理由は上記と似ている。これも、イジメにつながる仲間はずれのサインとは別の問題自分の子が加害者の可能性も含めて観察する必要がある。

(なお、自分の子が加害者の可能性への対応は、ここでは割愛します)

それから、「あいさつ」を無視された場合。
例)「おはよう、って言ったのに、行っちゃった」
これは、意図して無視したケースと、単に気づかなかったケースが混在する。これまではどうだったのか、他の子はどうなのか、イジメに発展しうるサインなのかの見極めには継続した状況把握が必要

今回、「相手の立場を考える」ことが有効になるのは、このフェーズまでである。

ここから先の「無視」報告は、相手の立場を考えるアプローチは、むしろ禁じ手になる。

グループでの会話で自分の発言だけ、グループの誰もが反応しない
例)「みんなで好きなものを話すとき、わたしだけ言ってもだれも何にも言わないで、みんなだけで話し続けてた」
明らかにそこにいるのに、あたかも存在しないように集団で振る舞うことが確認できた場合、それは相手側にも理由がある(誰かを排除することで仲間意識を強くする等の無自覚なものも含む)としても、それは汲み取って「だからしょうがないね」で済ませてよい話ではない。

ボーダーは、明らかにこちらの存在を認識しているはずなのに、いないように振る舞うかだ。

子どもの報告から、その可能性が強く感じられる場合は、相手の立場に立つことより、また同じことがあったら報告するように伝え、感情に寄り添うことに徹した方がよいと思う。

「相手の立場に立つ」を導入する方法

子ども自身はこの無視の段階を客観的に把握できず、自分が無理を言ったことで、相手がダンマリを決め込んだケースも、声が届いてなかったケースも、全てごっちゃにしている。

だから、「無視されたときは、相手が非常時だったことを想定する」ライフハックを軽微なケースで一度覚えてしまったことで、深刻なケースに至った場合に、大人に伝えずにそれで誤魔化そうとしてしまう可能性もある。

そのため、軽微なケースであっても、今言った段階を、紙に書いて示しながら話し、無視にもいろいろな理由があることと、最後に示したケースのように、今教えたやり方では対応できない深刻な無視=「例外」もあることを伝えることは、大切だと思う。

また、音声投稿内容で示したような、笑いに変えることで緊張を解いて狭まった視野を広げ、「相手の立場に立つ」という、高度な思考をはたらかせる余白を作るときも、

その後に感じたことを吐き出させてあげたり、それが苦手な子には「あいさつを無視されるって、聞いているだけで胸がキュッとなるよ」と先に自分の体感を伝えて引き出してあげるとよいと思う。

その、「相手の立場に立つ」経験につなげる伝え方についても、補足をしたい。

投稿では、排泄物を我慢しているのかも?と考えてみるように促すことを提案した。

けれど、これはあまり上手なやり方ではない。
受取手の中で燃え上がる感情の炎が強いと、あらゆる提案は、そもそもキャッチできないからだ。

だから、まず炎に油を注がないように注意しながら、「なぜ友達は自分のあいさつを無視したんだろう?」と、大人が考えるしぐさがまず必要になる。

そして、

「え〜、なんでだろうねぇ… … あ!う○こ我慢してたとか…?」

と、ボケる演技を噛ませる

提案するのではなく、こっちが突飛な結論に至る。

相手にそう考えるように提案するより10倍キマる

「えーーー!!!なにそれ!!」

子どもに突っ込ませたら勝ちだ。

感情の炎は吹き消され、思考の枠は吹っ飛び新しい視点を持ち込める余裕が生まれる。

家族相手なら、下手な芸でも意外とイケるもの。

余裕がある大人は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

普段大人の世界では言えない下ネタを、社会に役立つ形で堂々と口にできて、結構爽快ですよ。

まあ、そういうわけで我が家では、ママはう○このことばっかり考えてる人みたいになっていますが(だっていくつになっても、笑ってくれるんだもん…!)。

相手の立場に立つ、って究極的には無理だから、相手視点でありうる可能性を想像するってこと。

どうせわからないのだから、もしかしたら、だれでもよくある緊急事態だったのかも!?

想定することができるようになると、軽微な無視を大袈裟に受け取って不必要な人間関係トラブルを減らすことができる、と思います。

余談ですが、車が急に危ない運転をしてきたとき

「数十年連絡が取れなかった家族が事故に遭って、集中治療室にいると連絡が来た」

と相手の境遇を想定して、やショックを感動に変換する…などの「やり場のない感情」への使い方もできますよ。

ハウツーになってきたので、後半口調が変わってしまいましたが、

もし、子どもが「無視された!」と訴えてきたら、以下のファーストエイドを見て、対応してみてください。

「無視された!」ときのファーストエイド

  1. まずは共感的に受け止め、詳しい状況を聞く

  2. 今までも同様のことがあったかを聞く

  3. 相手が複数かを聞く

  4. もしも初めてかつ相手が一人で、返事がなかったのが、挨拶か、命令や依頼への返答(軽微なもの)かを見極める

  5. 4に該当する軽微なものでなかった場合は、共感的なコミュニケーションに戻り、本人にも経過をまた伝えるように頼み、連絡帳で教師にも観察をお願いするなどして、経過を見る

  6. 4に該当する場合は、大人の余裕具合に応じて、相手が特殊な状況に置かれいた可能性を子どもに示してもよい(軽微なものへのストレスを軽減するためのオプション)。(やり方の詳細は、「相手の立場に立つ」を導入するステップ」の項をご覧ください)

  7. 5と同様、子どもにもまた無視があったら伝えるように頼み、経過を観察する


音声投稿では、無視されたときの「オプションとしての対応」だけを切り取って話してしまったので、深刻なケースを見逃すリスクを高めるような内容になってしまいました。

本当にごめんなさい!

無視されるって、いくつになってもつらいけど、シビアな目と笑いを織り交ぜながら、しなやかに乗り越えていけますように!


自分の書く文章をきっかけに、あらゆる物や事と交換できる道具が動くのって、なんでこんなに感動するのだろう。その数字より、そのこと自体に、心が震えます。