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アパホテル×堀江貴文 「創業51年、ずーっと黒字」の秘


司会:外志雄さんはアパグループの会長、芙美子さんはアパホテルの社長。それぞれ会社での役割分担は?

外志雄:妻は広告塔です。

堀江:広告塔は大事だよね。顔社員がどーんと入った看板なんてインパクト大!

夫人:あれは300ヶ所近くあります。

堀江:どういう経緯であの看板を?

外志雄:名前も知らないホテルに泊まらないでしょうから、まずアパという名前を知ってもらわないといけない。看板なら目立つし、顔を載せればなお目立つ。

堀江:顔を出すのって、勇気いりません?

外志雄:彼女は慣れてるよ(笑)

夫人:へーきです!


赤字ゼロの秘訣

司会:51年、赤字ゼロでやってこられた。

外志雄:日本のインフラを使って商売しながら、ゼニを払わないような会社も世の中にはあるけれど、私はちゃんと儲けてゼニを払う。そうやって事業を続けるのが、大事なことだと思っている。

堀江:71年に創業して、いきなりオイルショックをくらいましたよね。

外志雄:その時も黒字だった。儲かってたから。

堀江:僕の知り合いはワーっとマンション開発してたけど、リーマンショックやコロナでバタバタ潰れましたよ。

外志雄:アパは単に売買で儲けているのではなく、資産(土地)を所有して、運営で利益を出している。資産を所有したうえで利益を出すのが良い。

ホテルは立地産業だから、需要のある場所につくらないと利用してもらえない。儲かる場所につくることが鉄則。ホテルは儲かることを1番の目標にしなければならない。

堀江:東京だと、駅近だけど、すごく地味な駅にあったりしますよね。

外志雄:縁あって買ったところだね。買い占めるというやり方ではなく、持ってこられた話の中から、駅に近いところを抑える感じ。
高くても立地の良いところを買うべきだね。出費は一時的なもので、儲けはずーっと続くものだから。


掟破りの施策

堀江:ダイナミックプライシングは話題になりましたね。今でこそ当たり前ですが、日本のホテル業界がなかなか手をつけなかったところです。

外志雄:資本主義、市場経済でビジネスをやっておきながら、定価でしか売らないというやり方は間違い。需要があるときには高く、ないときには安く。当然のことをやっているつもりだけど、世間の見方は違うようだね。

芙美子:私達のほうが真っ当なんですよ、多分

堀江:僕も真っ当だと思う。祇園祭りの時期なんか、京都のアパはものすごい金額になると、叩く人がたくさんいた。でも最近になって、他のホテルも追随しはじめましたね。

外志雄:アパは1984年から導入してたよ。

堀江:そんな昔からやっていたんだ。

芙美子:せっかく社長にしていただいたのだから「できるかどうか分からないけど、頑張る!」とやってみたんです。ホテル業界のジャンヌダルク、革命児でありたいと思って。

堀江:十分、なってますよ(笑)

芙美子:アプリでチェックインをやっているのも、世界で私どもだけ。ものすごく斬新なんです。

堀江:ネット予約の『アパ直』はどうですか? ここから予約するのが最安値なんですよね。

外志雄:予約は全部アパ直からきているね。

堀江:アパ以外の、提携ホテルも予約できるんですよね?

芙美子:そうです。でも提携ホテルもポイントはおつけします。

司会:こういった独特な戦略はどこから思いつく?

外志雄:囲い込みですね。人は1回使って、良いと思ったらリピートする。まず最初に使おうと思ってもらえる、数ある中から選んでもらえるホテルにしたいと思った結果だった。

芙美子:1度は来ていただけるようなチャンスを持ちたい、その一心です。

ホテル業界の思い込み


堀江:僕から見ると、やるべきことをちゃんとやっているホテルという印象。逆にいうと、周りのホテルは何やってるんだろう?って。

外志雄:「ホテルとはこうあるべき」にこだわりすぎなのだと思う。昔からあるカテゴリーに属さないと、良いホテルだと思われないという思い込みだね。

例えばホテルの部屋って、どこも薄暗いでしょう?
あれは電気が通ってなかった時代に、灯油で灯りをつけていたことの名残です。それでいまだに、部屋全体を明るくすることは考えていない。

でも実際に泊まって薄暗かったら、ベッドに寝転んで本も読めないし、仕事もできないしで、すごく不便。それでスタンド照明を別途、持ってこないといけない。

堀江:そうなんですよ! あれ、なんなんですかね? 僕はホテル住まいで、色々なホテルに泊まっているので、余計に気になる。

芙美子:頑張ってアパのフランチャイズ建ててください(笑)。私が経営します!

海外進出もアツい

堀江:コロナ前の外国人比率は?

外志雄:3割。

堀江:そんなに。外国人はどうやってアパを知るんですか?

芙美子:「APA」って簡単な名前でしょう。3文字で、子供でも覚えられる。「JAPAN」の真ん中だから、覚えやすい。

堀江:たしかに(笑)

芙美子:アジア圏よりもヨーロッパや北米、アメリカあたりにアパファンが多い。だから海外進出も、アジア近隣より北米やアメリカ・カナダの方に先駆けて出店しました。

堀江:今海外には何店舗あるのですか?

芙美子:42かな? 4、5000室あります。

堀江:そんなに!

外志雄:ホテルチェーンを買収したんだよ。

芙美子:買収しても、コロナ禍でお客様来なかったけど(笑)。
でも代表が「1人でもいらしてくださる方がいるなら、毎日オープンしなさい」と。そうやって地道に地元の信用を得ました。

堀江:僕が泊まってたホテルは、コロナ禍でクローズしましたよ・・・。
コロナに負けるなんて、2度と行くか!って思いましたね(笑)


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