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顔見知り作り

東京に越してきて3年。
東京は田舎と比べて冷たい印象があったけどそんなこともない。
人見知りで人とあまり話すことがない私にも優しく笑いかけてくれる人がいる。


お弁当屋さんのおじさん。


月に1回か2回くらいのペースで3年間通っている。
毎回同じお弁当を注文しているので分かってますよって表情をしてきているように勝手に感じる。
特に言葉を交わすこともないけど微笑み方で何となく覚えてくれてるような温かさを感じる。
それがすごく嬉しい。


3年間同じ場所に住んでこの町で顔見知りだなと思うのはお弁当屋さんのおじさんだけ。本当にこの町では誰も話す人はいない。なんか寂しいなとふと思う。当たり前のことなのかもしれないけど。

毎日歳の離れた職場の人としか関わることはない。友達は離れた場所にしかいない。
私にはこの町に気軽に微笑み合う顔見知りが必要だ。
という変な思考に至った。
あくまで顔見知り。
話すのは苦手だから会釈程度する顔見知り。
お弁当屋さんポジションを増やしていきたい。

だから勝手に通勤電車で同じ時間に乗る人たちを顔見知りだと思い込み始めた。
もう仲間。共に戦いに向かう戦友。こわ。

人の少ない早朝の電車で毎日仕事に向かっている。自分一人では心が折れそうになる時がある。
同じように頑張っている人たちがいると思うと頑張れる。
サラリーマンのおじさんたちもご年配の警備員さんらしき人も作業着を着ている何の職業か分からない人もみんな私のちょっと大切な存在。

だからいつものメンバーがいないと大丈夫かなと勝手に心配になる。
仕事で何かあったのかな、今日は有休なのかな、朝の時間変えたのかな。

そんな勝手に顔見知り気分で勝手に心配している今日この頃。


今の段階でさえ同じ時間のメンバーが激減しているのだから、きっとこの先私の作り上げた顔見知りはまたお弁当屋さんのおじさん一人になるのだろう。

お弁当屋さんありがとう


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