「ポジティブ」とは何だろうか、という話。

私は、いわゆる「ポジティブ」な人間だと思われているし、自分でもそう思うことが多い。だが、よく考えればそうでもない。むしろ元々ネガティブ側の人間だ。私をよく知る人間も、この告白には驚くことだろう。

心配事があると、
「怒られたらどうしよう」
とか
「こういう風に思われやしないだろうか」
と、内心小さなことにドキドキしていることも多い。

幼少期は、この特性のおかげでひどい人見知りに悩んだりしたものだが、そんな話を今しても誰も信じてくれない。「謙遜がお上手ですね。」となってしまう。では、なぜそのようなことが起こっているのか。

ポジティブ側に思考をもっていくためには、自分の精神状態をできるだけ安定させる必要がある。だから、避けて通れる不安要素はできるだけ取り除きたい。対人関係の些末ないざこざはその本丸だ。

そのために、悪口を言わないようにしている。悪口とは「人の行動に寄らない批判的言動」だ。「悪口は必ずいつか対象人物に伝わる」と繰り返し頭の中で唱え、「これは悪口だろうか」と、ついには目の細かいフィルターを備えるに至った。批判は必ず具体的な事象とワンセットで伝えるようにしている。

笑顔でいることも大切だ。誤解を恐れずにいえば、笑顔でいるから楽しいことが起きる環境が生まれる。ムスッとしている人と一緒に過ごしたい人などいるだろうか。笑顔でいるから周りを和ませることができ、その結果私も和んで、自然に笑っている。面白くない時こそ、笑っていた方が良い。

いつも笑っていて、人の悪口を言わない人間。考えてみれば、そんなやつは「ポジティブ」というほか無い。そんな人間が貴方の周りに何人いるだろうか。多分、10人と居ないのではないか。そういう風に考えていくと、「ポジティブ」とはえらく希少価値の高い資質である。何かの時に安心して誘いたくなるのはそんな人間だ。

もちろん、そうして骨の髄まで「ポジティブ」なることはできない。けれど、これまで一度も楽しかった日が無いという人も居ないだろう。少しの心がけで、自分という人間を、できるだけその日に近い状態に保ち続けることはできる。

そんなことをしていると、ある日、何の前触れもなく、突然その瞬間が訪れる。


「何でそんなにポジティブで居られるんですか。」


その実、そうあろうとしているに過ぎないのだが。人生はそんなものである。

何かのお役に立ちましたなら幸いです。気が向きましたら、一杯の缶コーヒー代を。(let's nemutai 覚まし…!)