見出し画像

「さみしい」管理職に今こそ求められているもの。


在宅勤務や日頃のコミュニケーションにおいて、動画アプリ「Zoom」の活躍が目覚ましい。1日の延べ利用者は3億人を突破。意思疎通のあり方を猛烈な勢いで再定義中だ。

同時に、自粛生活の中で「動画疲れ問題」が顕在化している。反応がコンマ数秒遅れる違和感、ずっと監視されている束縛感。知らず知らず心身を蝕む。より厳格な外出規制を敷く英国ではことさら深刻なのだろう。”Zoom fatigue(ズーム疲れ)”なるフレーズが紙面に踊る。


・不安でさみしい管理職

急激な働き方の変化(向こう数年の変化が1か月で押し寄せた)は、管理職を戸惑わせる。曰く、3割が部下と会えなくて「さみしい」のだそう。(面倒見のいい上司、風通しの良い職場なのだと好意的に解釈しておこう。)


私が疑問に思ったのは、後半の「部下への不安」に関するアンケート結果だ。勤怠管理や報連相などの面で、不安があるという。

テレワークへの不安_SHIFT_20.04.26

職場によって、
・動画アプリの常時起動
・常時ではないが、抜き打ちで動画アプリを起動
・動画アプリの代わりに、不定期でPC画面の操作を要求
等の拘束があるようだ。考えただけで億劫だ。理解のある会社に勤めていて良かった。心底そう思う。


・日本の低生産性の本質

監視という手法は、リモートワークの目的・部下の管理手法の両面で明らかに見誤っている。日本の働き方(低生産性)の課題本質はここにある。時間至上主義。時間こそが成果という歪んだ価値観だ。これでは、妊娠・出産という身体的特徴で時間リソースが制限される女性は不利なままだ。出生率も、社会進出も、生産性もいつまでも上がるはずがない。


・社会変革の好機到来

歪みを正す、絶好の機会が突然訪れた。在宅勤務より、実質すべてのコミュニケーションが【データ化】される。誰が、誰に、いつどのようにコミュニケーションを試み、どの程度活性化したのか。その結果どのような成果物ができあがったのか。蓄積され続けるデータの分析さえできれば、あるいは時間に依拠しない、恐ろしい実績が浮かび上がってくるかもしれない。


・出社しても部下を監視することは不可能

考えてみれば、そもそも上司は部下を監視できない。出社していても同じだ。監視するには、四六時中デスクに着座し、イニエスタが如く首と目を縦横無尽に動かしながら、広範な視野で常に部下を注視しなければならない。そんな上司は存在価値がない。互いが会議の時、出張の時、電話やメールでコミュニケーションを図る時、資料を閲覧する時。従来でさえ、部下の言動のほんの一側面を掬っていたに過ぎない



・やることは変わらない

どこにいてもやることは変わらない。課題を発見し、社内外を調整し課題を解決する。ただそれだけだ。そのやり方が、対面かオンラインか。アプローチと道具だけが異なっている。その単純な事実に気づけなければ、管理職としての役目はある日突然終わるだろう。我々は、未来に向かって光の速さで歩みを進める。今この瞬間、少なくとも日本はひと月前の、数年分の未来を歩んでいる。そのひずみが解消された時、歴史は音を立てて動き始める。


・「何のために在宅勤務を行っているのか」

そもそも、なぜ在宅勤務を行っているのか。今や、その原点さえ見失っている。在宅勤務の目的は、社員の安全確保とウィルスの拡散防止だ。会社の要請で、プライベートな空間に踏み入り、個人の道具で業務に臨ませる。(幾分かの補助が出る場合もあるだろうが。)ただでさえ日本全体が非日常を生きる2020年に、部下を監視下に置き、さらに抑圧する行為。監視より心のケアだ。異常な環境下で平静を保つ努力を、まずは称える必要がある。


・つらい管理職

管理職はつらいそうだ。ノウハウある事業への責任は負えるが、本業でないマネジメントに手を焼くのもわかる。彼らは、人材育成やメンタルのプロではない。

だからこそ、今般のコミュニケーションに労力を割く必要は無い。1~2分の雑談で、心身の健康が保たれているとわかればOK。部下は「上司が心配してくれている」と分かれば、自分から気軽に報連相するものだ。報連相とは部下がなすべき事ではない。「報連相が自発的に行われるような信頼関係を作る」ことの重要性を管理職に説いた言葉だと、今こそ思い返したい。後輩へ接する際の、自戒を込めて。


おしまい。


【参考情報】

・英文記事閲覧には、超高性能翻訳サイトDeepLが有用!

DeepL 紹介記事

英文記事をコピー ⇒ DeepLへ貼りつけ

するだけの簡単設計です。ぜひお試しください。
(翻訳精度が異常に高く、論文やビジネス文書の翻訳にも有用です!)


【マガジン】


【Twiter】
アカウント: @nemutai86608814
内容:色々とつぶやいていますが、主に2点。良ければフォローください。
 ①noteで呟く前のアイデアの垂れ流し
 ②国内外のニュースを用いた情報分析、考察等

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!



何かのお役に立ちましたなら幸いです。気が向きましたら、一杯の缶コーヒー代を。(let's nemutai 覚まし…!)