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セクマイの私が、ノンケの彼女と付き合えたきっかけ


元々彼女とのお付き合いまでの経緯を書くつもりはなかったけれど、自分の記憶だけでなく何か形にして残しておきたいと、突然ふと思ったのでこのnoteに残そうと思う。

後々見返した時に、恥ずかしくなったら非公開にするかもしれないけれど。


彼女は私と付き合う前までは異性と恋愛しており、同性に対して性的魅力を感じたことは一切なかったらしい。

そして私と付き合ってレズになったのかと言われるとそういうわけでもないという。

もし仮に私と別れたとしても、他の女性に対して性的魅力を感じる気が全くしないと言っている。

その一方で私は以前からお伝えしているように、男女共にお付き合いの経験がある。

でもどちらかと言えば女性に対して恋愛感情を抱くことの方が多かった。

相手が女性で、しかもノンケを好きになる度に"絶対に付き合えるわけないじゃん"と何度も思ってきたけれど、なんだかんだでお付き合いすることができていた。

寧ろレズビアンの方と知り合ってお付き合いするといった機会がそもそもなかった。

今でもリア友の中にセクマイの人は誰一人としてもおらず(もしかしたら隠してるだけかもしれない、私だって隠してるくらいだからね)、周りにそんな感じの人がいなさすぎぬて、もしかしてセクマイって私以外架空上の設定人物みたいなものなんじゃないかと疑い始めてる

話を戻すけど、私はノンケを好きになる度に最初から諦めて自分から告白はしてこなかった。

有難いことにノンケの女性と付き合う時は相手から告白されてお付き合いをする、といった形がほとんど。

べつに同性からモテてましたアピールをしたいわけではなく、ただ単純に当時の私は中身だけでなく見た目も男っぽい雰囲気があったので、そんな私に対する興味本位で告白してきたんだろうと思う。

もちろんどれも長続きはせず「普通の恋愛がしたい」「やっぱり相手は男の子がいい、彼氏が欲しい」と言われお別れすることが多かった。

そんな散々な恋愛ばかりしていたけれど、今の彼女とはこれまでとは違った形でお付き合いに至っている。


実は彼女とのお付き合いまでの道のりは、決して綺麗なものとは言いえない。

どっちかというと自分の理想とする恋愛の順序からかけ離れている

彼女とは進学先で出会い、一目見た時から気になる存在だった。

スタイルが良くて大人っぽいのに可愛らしくて、講義中にうとうとして居眠りをする姿とか、休み時間に好きなお菓子をもぐもぐ美味しそうに食べている姿も可愛かった。

共通の友人ができたことをきっかけに段々と話すようになり、数ヶ月後には二人で遊ぶ仲になった。

その頃は以前と同様に、彼女のことが好きだけど話を聞く限り完全にノンケだから、これ以上好きになる前に諦めて、これまで通り友達でいようと思っていた。

彼女と仲良くなってからは、講義終わりに当時テレビで放送されていた韓国の恋愛ドラマを、私が一人暮らしをしているマンションで一緒に見るという流れがお決まりになっていた。

最初の頃はソファーに座って見ていたが、慣れてきた頃には彼女は無防備にもベッドの上で横になり、うとうとしながらドラマを見るように。

いやいや無防備すぎでしょ…

なんて思いながら、私は隣に座って固まっていた。

ただの女友達なら何とも思わないけれど、それが気になる相手となればそれはそれで変に意識してしまう。

ある日、いつものように一緒に見ていたドラマが最終回を迎え、感想を言い合っているうちにお互いの恋愛の話になった。

すると突然彼女が「ねぇ前から聞きたかったんだけど、ぶっちゃけ女の子に好かれるでしょ。女の子もいけるの?どうなの?」と布団にくるまりながら聞いてきた。

この言葉を聞いた瞬間に、本当に突然糸がプツンと切れるような感覚が襲ってきた。

自分が好意を寄せている相手が警戒することなく、無防備にもベッドに横になってる状態で、そんなことを聞いてこないでほしいという若干の苛つきが沸々と湧いてきた。

"私はノンケだからそもそも貴女のこと眼中にあるわけがないんだよ、友達として質問してるだけ"と遠回しに見せつけられているような気がして。

でもそれとは逆に"もしかして、誘ってきているのかも"とか変な期待も出てきたりして。

"いやいや彼女はそんな深いことは考えずに、ただの興味本位で聞いているだけ"と冷静に分析する自分もいて。

しかも丁度その頃の私は、同性を好きになる自分にうんざりしていて少し自暴自棄にもなっていた。

一気にいろんな考えが溢れてきて、もうわからない、もうどうにでもなればいいと思った。

「じゃあ逆に聞くけど、女の子もいけるよっていったらどうする?そんな無防備にしてたら今から襲われるかもよ」

そう言いながら彼女に覆い被さり、唇が触れるか触れないかのギリギリのところまで顔を近づけた。

"そんな大切なこと、ベッドの上で聞くような話じゃないでしょう"と、忠告というか注意喚起みたいな感じで思い知らせてやりたくなった。

"同性が恋愛対象の人は黙って秘密にしてるだけで、実は貴女のすぐ身近にいて、密かに好意を寄せて、あわよくば貴女のことを狙っているのかもしれないよ"とわからせてやろうと思った。

急にこんなことしてくる私のことを拒絶したかったらすればいいし、このまま嫌われてもいい。

その方が潔く諦めがつくし、もうとりあえず早く楽になりたい。

あーでもこの事を友達にバラされたら、入学したばかりなのに凄く面倒なことになっちゃうな。

一瞬にしていろんな感情と考えが頭をよぎった。

でもそんな私をよそに、彼女は全く動じることなく、今にも眠りにつこうとしてる。


((え、まって??この状況で寝るの?????))


仕掛けた私が動揺してしまった。

彼女の肝が据わってるのか、それともただ単に眠たいだけなのか、一体どっちなんだろう。

「ねぇこの状況で寝るの?拒否しないの?笑」

「うーん。別に拒否するほどでもないかも」

「あの、ちゅーできる距離なんだけどさぁ…」

「何なんさっきから。したかったら好きにすればいいんじゃない?」

本当に眠くてどうでも良くなってるだけなのか、肝が据わっているのかわからない。

いやもしかして、私のこと好き?やっぱり誘ってる?

本人は嫌じゃなさそうだし、好きにしろって言ってんだからもういいかと吹っ切れて、唇を重ねた。

彼女の唇が柔らかすぎて「え、やわらかぁ…」と思わず声が漏れた。

あ、勢いに任せてしてしまった。

しかもクソダサい反応しちゃった、気まずすぎる…!!

すると彼女が「何その反応」と無邪気に笑った。

その可愛らしい笑顔を見て安堵した。

「嫌じゃない?」

「うん、嫌じゃない」

そう言っている彼女の顔を見て、段々と私の余裕がなくなってきた。

「ごめんこのまま続けても良い?嫌だったら言って、すぐやめる」

いきなり同性からこんなことをされて、しかも最低でめちゃくちゃな流れになったのにも関わらず、彼女は拒否する事なく最後まで私のことを受け入れてくれた。

そのまま曖昧な関係を持ち続けて約一ヶ月が経ち、さすがに関係をはっきりさせた方がいいということで、話し合いをすることに。

正直彼女のことが凄く好きだけど、これまで同性を恋愛対象として好きになったことがない彼女を、この界隈に巻き込みたくないという気持ちが強くて、先に彼女に手を出したのは私なのに、私から「付き合おう」なんて言葉を言えずにいた。

いや、まじで本当にクズすぎるよ自分。

でも彼女は"好きになっちゃったんだもん、しょうがないでしょ"といった様子で淡々としていた。

そんな彼女を見て、芯のある人だな、私のそばにいて欲しいと心の底から思った。

そしてようやく私から、不安に思っていることも含めてしっかり気持ちを伝えた上で、お付き合いをしたいと告白。

こんな感じでやっと正式にお付き合いすることができた。


最後少し端折ってしまったけど、今振り返ってみてもお付き合いをするきっかけが私の自分勝手な行動で、半分八つ当たりみたいなものだし、本当に最低なことをしたなと猛烈に反省してる。

彼女には「身体目当てだったの?」と今でもよく揶揄われる。

「あの時されて嫌じゃなかったってことは、私のこと好きだったの?」と彼女に聞いてみると「あの時はただ友達としての好きで、関係を持ってから恋愛対象として意識するようになった」と教えてくれた。

「したかったら好きにすればいい」と言われたとき、私からしたら彼女から誘ってきたようにも思えたけど、後から聞いた話によるとあの時は本当にどうでもいいって思うくらい眠かったらしい。

「なんかとにかく眠くて、気づいたら始まっちゃってた」とか彼女が言っている。

吹っかけてきたのはそっちなのに、なんて奴だ…!笑

「でも嫌だったら全力で拒否してたよ。流されるような女じゃないし、自己防衛はちゃんとできますので」となんだか得意気に話してくれた。

でもあの時あのタイミングで行動してなかったら、きっとお付き合いすることはなかっただろうなと私は思うし、彼女もそう言っている。

その場で好意さえもきちんと伝えていない相手にいきなり手を出すなんて、なかなかクズでチャラい気はするけど、ある意味あの時の私の行動はファインプレーだったのかもしれないと思うようにしてる。

ただ一つだけ言いたいのは、私たちの場合はちょっと特殊なパターンだということ。

きっとそんな人はいないとは思うけれど、もし今好意を寄せている人(特にノンケ)とお付き合いがしたいと思っている人は、私たちが付き合うきっかけとなったこの経緯を絶対に参考にしないでほしい

こうゆう馴れ初めのカップルもいるんだな、という程度に留めて頂けると嬉しい。

私たちは本当にたまたまこのパターンでお付き合いすることができただけで、そもそもリスクが高すぎるし、何より相手の気持ちを全然考えていない自分勝手な行動なので。

せめてきちんと好意を伝えて、相手の気持ちを確認してから関係を持ちましょう!!!!(あの頃の私に口酸っぱくして言ってやりたい)


決して綺麗な形とは言えないお付き合いの仕方をしてしまったわけだけど、これまで別れ話を一度もすることなく、今でも仲良く一緒にいられているのは本当に凄いことだなと思う。

あの瞬間からセクマイ界隈に彼女を巻き込んでしまったわけだけれど、やっぱり肝が据わっているのか彼女の方はそんなことは気にしていない。

なんだかあいつは面構えが違うんよ。笑

もしかしたら私が気づいてないだけで強がってしまっていないかと心配になることもあるけれど、何でも素直に言ってくれるタイプの子なので、とりあえずは大丈夫かな。

私も彼女を見習って"よそはよそ、うちはうち"といったスタンスで、これからも彼女にしっかりと愛を伝えて生きていきたい。

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