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裏麻雀本レビュー

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2020年9月の記事一覧

ネマタの「裏」戦術本レビュー第20回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その8

第四章 守備

①盾

 リーチや鳴きといった「手段」を武器に喩えるなら、盾に喩えるのもベタオリや安牌残しといった手段がふさわしいでしょう。「直感」は自分自身のステータスであり、「情報」は戦況に他なりません。

 攻撃は最大の防御が正しいとしても、守備は最大の攻撃が成り立つとは限りません。逆は必ずしも真ではないのですね。必ずその捨て牌になった理由は手牌にあるは正しいとしても、その手牌になった理由

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第19回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その7

第三章 副露

⑤迷彩

 本書を流し読みして真っ先に目を疑ったのがこの項目。タイトルに「迷彩」とありながら、下の牌図は迷彩とは何の縁もなさそうな門前1シャンテンの牌姿です。

 続く解説も突っ込みどころばかり。1mが残っていないことを言いたいのは分かりますが、「片アガリシャンポン」ではなく、1mが純カラのシャンポン。イーシャンテンを維持せず2枚切れのトイツ落としとありますが、1mを切ってもイーシ

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第18回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その6

第三章 副露

①ネット麻雀なら

 「副露」とはその名の通り「露にする行為」。プロデュース業で言うならば、副露はアイドルが脱ぐこと…品の無い喩えで申し訳ありませんが、麻雀では4副露して手牌1枚を残して全てが露になることを、まさに「裸」と言うのであります。

 手組で真ん中の数牌をキュート派、字牌をセクシー派と申しましたが、真ん中の数牌をかき集めてメンゼンリーチを目指すのが清純路線。脱げばアイドル

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第17回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その5

第2章 リーチ

②他家の挙動

 リーチとは何ぞやという説明がまだでしたね。アイドルプロデュース業で喩えるなら、リーチはアイドルの宣伝。広告費はたったリーチ棒1000点。上手くいけば宣伝効果で収益が2倍にも3倍にもなります。売上トップを目指すのであれば宣伝は当たり前。リーチをかければライバルグループがあの手この手で邪魔をしてくるかもしれませんが、ひとまず気にしないでおきましょう。

 何故なら、

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第16回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その4

第2章 リーチ

①リーチとは 

 伝説のクイズ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」のそのまた伝説の第13回(1989年放送)の話。予選の前日に参加者の家庭に訪問するところから番組が始まるのですが、ある家庭では明日が気になって寝られずに家族で徹夜麻雀を繰り広げていました。一人の女性が何と門前で高め大三元四暗刻聴牌。下家の男性から発で和了って役満を決めるのですが、流石にTV局の仕込みでしょうね笑 

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第15回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その3

第一章 手組

③ターツの優劣

「牌効率」が本来何を意味していたのかはこちらを御参照下さい。本書の使われ方は「誤解」に基づくものです。

「期待値」の意味はこちらを御参照下さい。「アガリ率」と「収支」両方あってこその期待値。本書で出てくる、「アガれる期待値が高くなる」は明確な誤用。「アガリ率が高くなる」と言うべきです。

 麻雀界隈で定義が浸透していると言えない、「牌効率」という言葉がやたら使わ

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第14回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その2

第1章 手組

①序盤の手組

 序盤と一口に言っても、①巡目が早い②手牌が和了に遠い 二つの意味で使われる場合があります。本書に限らず、巡目ごとに手組を解説しようとするものが実に多いのですが、手組を考えるうえで最も重要なのは、手牌そのものに他なりません。手牌のパターンごとに手組を考えるようにしなければ、手組の技術が頭打ちになっています。頭打ちになっている人の解説を、別の頭打ちになっている人が分か

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第13回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その1

https://umaimahjong.onasake.com/book.html

「ここ数年の麻雀本では珍しいレベルの駄作」とまで言い切ってしまい、流石にオーバーだったかなと本書を読み直して見たのですが、少なくとも2019年に出た麻雀本の中では最低の出来と言わざるを得ません。某所では萩原プロの麻雀本が最低評価とされていましたが、麻雀打ちとしての萩原氏の魅力が表現されているという点を踏まえると、

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