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ビューティフル・レインボー

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LGBTQ+やジェンダーなどに関するnoteを、幅広くピックアップしています。
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#コラム

LGBTと私

きのう「ビューティフル・レインボー」というマガジンを作りました。 作った経緯はこちらに書きましたが、今日はもっとズバッと踏み込んで、私自身のジェンダーに関する話をしようと思います。 文章につらつら書くより、この漫画を読んでいただいたほうが早いかもしれません。 主人公のユウは、私の分身です。 「女」であることを求められ、自分にできる範囲で女らしくふるまうものの、やはりしっくりこずに最後は「私自身」であることを選ぶ話。 「私は男でも女でもありません」という邦題のついたドキ

本当は傷ついていた僕へ 既婚バイの覚え書き

記憶というのは不思議なものです。 前回の記事で、「同性」に惹かれ始めた子供の頃のことを振り返っていたら、30年の時を経て、さまざまな思い出が芋づる式に蘇ってきました。 良い記憶ももちろんあるものの、中には、どうしてこんな辛い体験を忘れていたんだろうという思い出もあります。 以前、自己紹介として書いた文章の中で、「自分がセクシャルマイノリティであることについて、あまり悩まずにここまで来てしまった」と記したのですが、今回、蘇ってきた記憶の数々を咀嚼してみた結果、「そうでもないな

誰にだって自分がわからなくなるときはある。

初めての記事に何を書いたらいいんだろう、と考えたのだけど、私がどんな人間で何をしようとしているのかを書いたら1人くらい、いや、10人くらいは興味を持ってくれるんじゃないかと思うので、最初は私が考えていることを書くことにした。 そもそもなんでnoteを始めようと思ったか、というと、出版社の編集さんにオススメされたからなのだけれど(自分は何が発信するのにいいのか、とか、世の中の流行りに疎いので、プロからのアドバイスはとてもありがたい)オススメされてもやりたくないものには手を出さ

LGBT当事者は“時代の最先端”じゃない

プライド月間ということで、LGBTQ+当事者として暮らす中で最近モヤモヤしていることを書いてみようと思います。ポジティブなテーマの方がいいかな?とも思いましたが、等身大のものを選びました。 あまり長くないのでサクッと読めるはずですので、読んでいってください。 身体の性は女性で、心の性は男女どちらにも定めないxジェンダーのLGBTQ+当事者として生きてきた。女性のパートナーがいて、平凡ながらに幸せに暮らせています。 だけどそんな平凡な暮らしにも、当事者として生きることでモヤモ

僕がライターとして顔出しをしていない理由。

こんにちは、椎名です。 2020年の秋ごろから細々と見よう見まねでライターのようなことをはじめ、21年7月からは「by them」さんというメディアで不定期でコラムの連載をさせていただいています。 今は複数、定期でリピートいただいているそれぞれ別のクライアント様の案件をいただいています。本業があるので今はちょうどいい量と言えば量なのですが、ライターの端くれとしてもっと色々なところで書いてみたいというのも正直なところです。 最近はインスタもライター用に新しいアカウントをつ

11/1から東京都でパートナーシップ宣誓制度がスタート 都内に暮らす当事者として感じたこと

今月1日、ついに東京都で“都”としてパートナーシップ宣誓制度がスタートしました。 都内に暮らすセクシャルマイノリティ当事者として、こんなに喜ばしいことはありません!暗いニュースの方が目立つ昨今、本当に明るいニュースだなと思いました。 なので今日は都内に暮らす当事者として、今感じていることを率直に書き残しておこうと思います。 はじめにお伝えしておくと、僕は身体の性は女性ですが心の性を定めていないセクシャルマイノリティ当事者です。身体の性で言うと同性にあたるパートナーとは、一緒

「どうしてセクシャルマイノリティだと公表しようと思ったのですか?」

およそ8ヶ月にも及んだ僕の転職活動の中で一番印象に残っている質問は、 「どうしてセクシャルマイノリティだと公表しようと思ったのですか?」 という質問だった。 セクシャルマイノリティ当事者を否定する意味を含んだネガティブなものではなく、未だ理解されにくい状況がある世の中で顔出しをしていない、ペンネームとはいえWEBメディアやSNSでセクシャルマイノリティ当事者であると公表し文章で伝えていく活動をすることはとても勇気のいることだと思う、という文脈に続いてあった質問。 なにせ僕

「LGBT当事者」という枠大き過ぎませんか?

こんにちは、椎名です。 あと2ヶ月で新年度。1月は行く2月は逃げる、3月は去ると言うくらいなのでおそらくあっという間に4月がやってくるのでしょう。 新年度である22年度、東京都は都としてパートナーシップ制度の導入を目指します。 同性婚がいまだ国で導入されていない中、法的拘束力はなくてもその前段階として、パートナーシップ制度は「同性婚が必要なカップル」を数値的に可視化出来る制度だと思っています。僕たちカップルも都のパートナーシップを利用予定。 世の中的にも認知度はどんどん上

【by them更新のあとがき】悪いのは法律なのか、人なのか。

22年度中を目標に東京都でパートナーシップ制度の導入を目指す、今の世の中で国が同性婚を認めてくれないことを考える。 こんにちは、椎名です。 今回更新したコラムでは、同性婚について改めて書かせていただきました。 生まれた国で、愛する人と生きていきたいだけなのに。日本はなぜ同性婚を認めない? 例えば罪を犯しても、それが誰かの命を奪ってしまうような罪で合っても、身体の性が男と女であったら結婚できるのに。 誰の命も奪わず、犯罪も侵さず、未熟かもしれないけれど人並

東京都でパートナーシップ制度が導入されたらしたいこと💍

東京都「同性パートナー制度 来年度から導入の方針」 先週そんなニュースがTwitterのTLに流れてきた。ニュースなのだから当たり前だけれど、前触れも突拍子もなく目の前に飛び込んできたことが嬉しくて信じられなくて2、3度見返しました。なぜなら僕はこのニュースを待ち望んでいたから。 どうやら今のところは本当らしい。 僕は身体の性は女性だけれど、心の性は定めていないいわゆるセクシャルマイノリティで女性のパートナーとふたり暮らしをしています。 僕たちがこの街で暮らしはじめて干

恋人のおかげで大切なことに気づけた

私は物心ついた時から、セクシャルマイノリティである自分自身がコンプレックスの塊だった。 恋愛でも上手くいかないことが多く『どうせ自分は幸せになれない』なんて思っていた。 今の彼女とお付き合いした当初は嬉しい反面、『私と交際を始める前まで異性愛者(所謂ノンケ)の人だから、きっとすぐ嫌になって私のこと振るんだろう』なんて思いながらも嫌われないように必死だったのを覚えている。 彼女と一緒にいられる幸せを感じる分、気分が酷く落ち込むこともあった。 男でも女でもない中途半端な立

魅力的なデートプランから垣間見える様々な差別

先日何気なくテレビを見ていた時のこと。 その番組は、とある街に新しくできた商業施設を満喫しながらデートにぴったりだということを紹介するという趣旨のものだった。 何人かの男性出演者が、ゲストとして番組に招かれた女性に向けて、その商業施設でデート用の勝負服を買い、理想のデートを考え、最終的に誰のファッションセンスとデートプランが一番魅力的だったかを対決する、という内容のものだった。 よく見かけるような何の変哲もないバラエティ番組だ。 施設内の素敵なカフェや周辺のスポットを歩きな

あなたの家族や親しい友人にLGBTQはいますか?

 LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとった頭字語で、性的少数者(セクシュアルマイノリティ)の総称の一つです。ほかにも「クィア」などの総称があり、LGBTQと言ったときのQはクエスチョニング、または、クィア(性的指向や性自認が非典型な方全般)を指し、性的少数者はL、G、B、Tだけではないという意味を強調するニュアンスがあります。 LGBTという言葉は浸透してきたけれど 2015年に渋谷区で始まったパートナーシップ制度、毎年日本各地で開