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ビューティフル・レインボー

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LGBTQ+やジェンダーなどに関するnoteを、幅広くピックアップしています。
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2022年2月の記事一覧

私を諦めること、受け入れること

「私はMtFレズビアンです」 自分のアイデンティティをこう説明し始めてから、だいぶ年月が経つ。現に今も女性ホルモンの投与を継続し、ゆくゆくは性別適合手術を受け、戸籍上の性別も女性にしようと検討している。 (注:MtF→Male to Female) しかし当の私といったら、フリフリの可愛い服を着ようとはしないし、声や仕草を女性らしいものにしようとしない。ましてや髪型に至っては坊主である。 バーテンダーとしてカウンターに立つ際、お兄さんと呼ばれることなんて日常茶飯事で、何

自己紹介

今さらですが、自己紹介です。 自分がノンバイナリーであることに気付いて、今年の初めからnoteを書き始めました。膨大なバリエーションがあるであろうノンバイナリーのたった一例に過ぎませんが、自らの経験や思うことを書いています。 なお、ここで言うノンバイナリーとは、心の認識を意味していて、外見的な表現(服装など)は意味していません。心の認識についての日本特有の表現としてXジェンダーという言葉があるようですが、バイナリー(典型の女性や男性)ではないという表現が好きなのでノンバイナ

ぼくの「エラ」はもしかすると、わりに美しいのかもしれない

「あいつの顔って、ホームベースに似てるよな」という陰口を叩いていたのは、野球部のくせにぶよぶよと醜く太った男子だった。そしてそれをわざわざご丁寧に教えてきたのは、”少なくともあんたよりは私の方が美人”と会話の端々に滲ませる細い目がコンプレックスな女子だった。 うるせえよ、デブのくせに。いちいち伝書鳩してんじゃねえ、糸みたいな目をしてるくせに。 些細な棘といえばそれまでだけど、その棘はいつまでもぼくの胸に刺さって抜けなかった。エラの張った輪郭が、幼い頃からコンプレックスだっ

夫が初めてネイルを塗った日

夫が「ネイルを塗りたい」と言い出したのは、年明けだっただろうか。 先にお伝えしておくと、夫は特別おしゃれというわけではない。 自分の服は自分で吟味して買う人だが、買い物の頻度はさほど高くない。1シーズンに3着買うか買わないか。その選りすぐりを何年も着る。ちなみに本人の見た目は、くまのプーさんをほんの少しだけ縦に引き伸ばした感じだ。 ただ、夫は昔からおしゃれや美容に関して「よい目」をもっていた。 たとえば、私たちの女友だちがボルドーやモスグリーンなど上品なカラーのネイルをし

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強行突破彼女

「LGBT当事者」という枠大き過ぎませんか?

こんにちは、椎名です。 あと2ヶ月で新年度。1月は行く2月は逃げる、3月は去ると言うくらいなのでおそらくあっという間に4月がやってくるのでしょう。 新年度である22年度、東京都は都としてパートナーシップ制度の導入を目指します。 同性婚がいまだ国で導入されていない中、法的拘束力はなくてもその前段階として、パートナーシップ制度は「同性婚が必要なカップル」を数値的に可視化出来る制度だと思っています。僕たちカップルも都のパートナーシップを利用予定。 世の中的にも認知度はどんどん上