小野 ぽのこ

誰かが「生きてて良かった」と思えるような、ひだまりで感じる風のような作品を生み出したい|食いしん坊Webライター|#磨け感情解像度 最優秀賞|#給付金をきっかけに PowerToスモールビジネス賞|#ここで飲むしあわせ キリン特別賞|#おいしいはたのしい 企業賞

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    • #真夜中インター まとめマガジン

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      インターネットで創作するたのしむ文芸誌「真夜中インター」のまとめです。 #真夜中インター ネットで出会うような、あなたの創作とのエピソードをまとめます!

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    【小説】顔を隠す人

    このままずっと、マスクをつけて生きていきたい。 誰もが一つは後ろめたく薄暗い願いを抱えているとすれば、佳世にとって、それは顔を隠すことでした。 疫病が世界中を覆ってから、早一年が経ちました。 政府は感染拡大を食い止めようと、食事中など特例を除き、マスクの着用を徹底するよう強く求めました。要請は性生活にまで及び、婚姻関係にない者同士の「口唇の接触」はマスク越しにおこなうようにと異例の声明も。これには反発の声が多くあがりましたが、ドラマや映画のキスシーンは、次第にマスク越しが当

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      • 捨てた茄子とともに

        晩夏の日曜日。出汁や醤油、生姜を合わせた濃いつゆで、茄子をくったり煮る。蕎麦屋のような香りが台所に満ちる。鼻の穴がぷわっと広がり、思わず深呼吸。そうだ、残った煮汁は冷やして、明日素麺のつゆに使おう。きっと美味しい。 心踊りながらも、あの日を思い出す。 ずっと悔やんでいることがある。15年前、新卒で初めて一人暮らしをしたとき。スーパーで買った茄子を1本も食べずに捨ててしまった。まだ萎びてもいなかったのに。 自炊するぞと意気込み休日に食材を買い込んだが、いざ平日の夜になるとヘト

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        • #もの書き100問100答 をつくったので答えてみる

          「なんでこんなに必死に書くんだろ」 夫の寝息しか聞こえない午前2時。布団に潜り込んだ私の手に光るスマホ。 スーッとまぶたが閉じ、手からスマホが滑り落ちる気配で意識が戻り、でもまたすぐにまぶたが閉じる。 小さなディスプレイの中のカーソルはちっとも動かない。寝たい。明日も仕事。 それでもこの小説を書きたい。牛の歩みでも完成させたい。でも、なぜ? * noteで出会った憧れの創り手である野やぎさん、猫野サラさん、山羊的木村哲也さん。 なんと、この御三方と一緒に人生初の同人誌を

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          • 夫が初めてネイルを塗った日

            夫が「ネイルを塗りたい」と言い出したのは、年明けだっただろうか。 先にお伝えしておくと、夫は特別おしゃれというわけではない。 自分の服は自分で吟味して買う人だが、買い物の頻度はさほど高くない。1シーズンに3着買うか買わないか。その選りすぐりを何年も着る。ちなみに本人の見た目は、くまのプーさんをほんの少しだけ縦に引き伸ばした感じだ。 ただ、夫は昔からおしゃれや美容に関して「よい目」をもっていた。 たとえば、私たちの女友だちがボルドーやモスグリーンなど上品なカラーのネイルをし

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            今宵も二人、鍋祭り

            鍋はよい。 健やかなるときも、病めるときも、鍋はとてもよい。 毎日つけている献立日記によると、2020年の1年間で私たち夫婦は69回も鍋をしたらしい。ほぼ5日に1回のペースである。日本で一番は大げさかもしれないが、市内で一番鍋を食べている自信はある。 我が家の鍋は、いわゆるしゃぶしゃぶだ。 「夜ご飯、鍋でいいよね」「むしろ鍋がいい」と二人の意見が一致したら、ル・クルーゼの赤い鍋をゴトンとガスコンロに置く。鍋の下ごしらえのスタート。 鍋に昆布をポイと放り込み、日本酒をちょ

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            広島のお好み焼き屋で大阪弁の天使に出会った話

            広島のお好み焼き屋で天使に出会った。 おじさんの姿で大阪弁を話していたけれど、間違いなく天使だ。 * 11月中旬、夫と二人で広島を旅した。 私たち夫婦は2019年に神奈川から兵庫に移り住んで以来、旅らしい旅をしてこなかった。1年目は新生活を軌道にのせるのに精一杯で旅どころではなかったし、2年目にようやく落ち着いてきて「そろそろどこかに行きたいねぇ」と話していたら、あれよあれよとコロナ禍の世に。 年に1回は見知らぬ土地を訪れ、美味しいものをたらふく食べるのを楽しみに生き

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            大好きなお店を支えたくて、人見知りが花を贈った話

            カワタ製菓店は本日をもって閉店させていただくこととなりました。 大変悔しいですが、偏に私たちの力不足によるところです。 それはあまりに突然のことでした。 5月25日、私の大好きな大阪のカフェ『カワタ製菓店』がInstagramに閉店のお知らせを投稿しました。 私がフォローしているカフェ好きな方々は一様に衝撃を受け、カワタ製菓店の投稿には400件以上ものコメントが寄せられました。 ご夫婦で営んでいた一軒の小さなカフェに、です。 その多くは、閉店を惜しみ、これまで素晴らし

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            3ヶ月ぶりの外食、おめでとう。

            土曜の夜、夫と握手をした。七輪が置かれたテーブル越しに。 二人ともくちゃくちゃの笑顔で、いつも以上にガッチリと固く手を握った。 私たちは、お互いの喜びの感情がピタリと合わさったときに、握手を交わすクセがある。 その瞬間が訪れるのは、たいてい美味しい外食をしているときだ。 まるで縄跳びの二人跳びをするように、同じ料理を「せーの」で口に運ぶ。すぐに「うまっ!」という感動が同時にぴょこんと飛び跳ねる。 あるいは、片方が「こりゃ絶品!」な食べ方を発見し、「うむ」とうなずく。相方

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