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【エッセイ】大人になってからの学習について~詩を学ぶことって?~

こんにちは、長尾早苗です。
どうやら誕生日から三日も過ぎると、新生活を送りたくなるのがわたしという生き物のようです。去年はとにかく新刊を出版社から作るということに重きを置いていましたが(第二詩集『フレア』七月堂、七月堂のみなさまありがとうございました!!)、今年は詩集をZINEという形でライトに出そうと思っていて、詩誌の活動も相まって、ひたすら学習をしてみようと思いました。
普段はまとめて家事をし、在宅ワークをしている夫と家事を分担する生活をしていますが、今回からの新生活は「学ぶこと」にあるようです。
大人になってからの学習をどうやっていくのか、詩を学ぶこととは、わたしなりに書いてみます。

生涯・学習

わたしは大学を卒業してから、図書館司書として働きたいという夢があったため、資格を取るために通信制の大学の課題を一年半こなしていました。
スクーリングという授業もあったのですが、ほとんどがレポート。独学で学び、その与えられた課題で単位をとっていくやり方でした。
働きながら学ぶ20代もいれば、フリーで活動されている方まで、幅広い年代層の方がいました。
最初のころは慣れずに再提出ばかりだったのですが、だんだん「あ、あの時のままでいいんだな」と思うようになっていきました。「あの時」。中学受験で勉強に励んでいた時のことです。
わたしは「メモ魔」「二宮金次郎」とあだ名で呼ばれていました。重たそうなリュック姿で、時間があれば本を読んでいました。当時のことは塾の先生も覚えていてくれていて、長尾全然変わってないなあ!とお話に行った時に笑っていました。先生がブログにまとめてくれた記事があるので、よかったら読んでみてください。

友人にわたしの授業ノート・復習ノートをほめられたことがあります。
わたしのノートは手書きで分かりやすいこと、が友人に好評だったようで、今もそのコツは持っています。
いつまでたっても人は学んでいく生き物
と、今しみじみ思っています。
ノートのコツやレポートのコツは、
・トピックに分けて書くこと
・5W1hで書くこと(Why なぜ What 何が When いつ Who 誰が Where どこで How どうしたら )
この2つのポイントを押さえておけば、何もかも勉強になると両親から教えてもらっていました。
さいわい、そのおかげもあってか受験も資格も丸く収まり、それでも違う道に詩人として進んで、自分の「学ぶ姿勢」を持て余していたように思います。

ことばの動き方を学ぶ

ことばや意味の動き方は、詩では行間でつかず離れずと思っています。
教えを受けた大学ではほぼ実作で、詩人の先生が指導しているのですが、大学生が書いた詩を自作朗読、他の学生からコメントをもらい、先生がさらにコメントする合評形式がメインでした。
そのため、2020年に始めたオンラインでの合評会で来てくださった皆様にはなるべく朗読をお願いし、わたしは司会として聞いていました。その蓄積も大きくことばの動き方、筆の進み方の勉強になっていきました。

韻律を学ぶ

韻律は短歌や俳句で学ぶことが多いです。
自分の詩を音読して、気に入ったものをYouTubeに写真の静止画を動画にしてアップすることもやっています。
文字で書くことは簡単です。しかし、声に出して読んでみると、読みにくいことば・わかりにくかった細かなレトリックの難点がわかるようになってきます。
わたしはだいたい朝にコワーキングスペースでノートを広げ、今日の課題図書とした詩集や歌集・句集を読んでわかったこと・気づいたことをまとめているため、音読するのはほぼ午後になっています。
また、映画やドラマを見るのも一つの手段です。
映画は二時間半近く、ずっとことばが流れているものが多いので、映像として楽しむことも、映像をことばとして自分のうちに保っておくこともできます。韻律を学ぶことは、細かな自分の発見材料にもなります。

詩を学ぶことで忘れられない出来事

あるイベントの帰りに不意に呼び止められて、詩人の先輩方と飲み会をしてわいわい詩について語り合ったことがあります。
その時に、詩人の学びについて色々と教えてもらいました。
考えるきっかけになりました。
ある詩人の先輩が、「短歌は学んでいる人がとても多いけれど、詩はどうしたらいいのか分からない人が多いのでは」ということを仰っていて、そのことも考えています。

詩の学習について

詩は学ぶものではない、感性のものだという方もいます。
それも確かにそうだなあと思います。しかし、感性はどうしても磨かないと鈍っていくものでもあります。
自分の生活の中心に詩を置くことが一番大切だと思っていて、わたし自身そういう生き方を許された点がありました。
司書として働いていた時に、働き方が合わなかったので一旦職をやめ、本格的に詩人として活動していって2年になります。書き始めてからは16年が経ちました。
家族もそのことを許してくれていることが最大の今の喜びです。
また、そうであればわたしはフリーランスなので、孤独と常に闘うことになります。詩集や歌集などを読んでメモを取ったり勉強していても、自分が孤独の闇に包まれていてはいい原稿も書けない気がしています。
その点で、今のコワーキングスペースで色々な職種や年代、若い世代の人々と交流を持つことができるのは非常によいことでした。

自分の詩を発表しないとしても、自分のスタイルが確立されたようでいてなぜかいつも同じような詩になってしまうと感じた時、そのタイミングにわたしは学ぶことを始めようと思っていて、それが今の時期でした。
詩集を出したのであまり投稿もしていません。詩人の先輩方からご指導を受ける機会も減っているので、合評会に参加したり、自分なりに学習してみようと思います。
もちろん詩集を出しても投稿する方もおられますが、わたしの独学は非常に詩的には孤独な作業です。同じような詩ばかりでつまらないと思った時に、他の人の芸術や生き方、自分の体験から「生活の中で、ワクワクした詩の目を持つ」ことを大事にしていきたいと思っています。

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