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今村夏子『むらさきのスカートの女』を読んで

町内の有名人って、いるとわくわくというか、ちょっと怖かったり。

でも子どもの頃って、そういうの懐かしかったりするんですよね。

むらさきのスカートの女、もそうで、主人公のわたし、はずっと近くでその女を追います。

文体としては一人語りなのですが、自分の事はそっちのけで、ただ淡々と「むらさきのスカートの女」を描写していく。

ストーカーってこわいな、と思うのですが、そこには病的な執念があるのかもしれないな、と思います。

本編では詳しく触れられていないけれど、もしかしたら「わたし」は離れ離れになってしまった姉にむらさきのスカートの女を重ねていたんじゃないかな。

家族、大事な人、執念、恋、見つめ続けること。

そんなことを考えました。

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