冲方丁『はなとゆめ』を読んで
以前も読んだことがありましたが、24歳を経て、再読。
なぜ24歳を過ぎてからかというと、この小説の主人公、清少納言の「若さの限界」が24歳と書かれてあったからです。
そう、この物語の話者は清少納言。
それを、現代の男性作家の冲方さんが書いているのですが、女性の声で本当に聞こえてくるような文体で、とても美しいんですよね。
優しく、時に激しい平安時代の女性。
恋をすること自体が「生き方」とされていた宮中で、離婚を経験し、キャリアウーマンとして生きる道を選んだ清少納言。
そんな彼女だから作る事ができたのが『枕草子』のような気がします。
この平安時代、勉学自体もこの時代の「キャリア」のような気がしていますし、それを持ち合わせているかどうかではっきりと身分が変わっていったんです。
この時代、男だけが勉学をし、発言ができる男尊女卑が続いていましたが、それでも清少納言は筆をとる。
柔らかで、やさしくて、情熱的に。
やさしくなりたいときに読むのがおすすめの一冊です。
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