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わたしは踊る、ヤシの木のように。


しなやかに生きることを知ったのは、ちょうど4年前。

ふにゃふにゃと芯のない、
水やりを忘れた萎れかけの花のような心と
えんぴつの芯のように
硬いくせにぽきぽきと折れてしまったプライドを
大事に大事に抱え込んでいたわたしに流れ込んできた教え。
ガンッと鈍器で頭を殴られたような目覚めの感覚を今でも覚えている。

「ヤシの木のようになりなさい」

師はそう言った。

風が吹いても雨が降っても楽しそうに踊るだけ。
彼らは拒否しない。じたばたしない。絶望しない。
ただ、風や雨を受け入れ、その場で踊る。

周りは心配するだろう、
「ああ、あんなに濡れて揺らされてかわいそうに」と。
でも、次の日には何事もなかったかのように
太陽の下で笑っている彼らを
誰がかわいそうと同情できる?

かわいそうと、わたしが、あなたが、
思いたいだけだったのでは?
彼らは風でも雨でも晴れでも楽しそうではないか。

しなやかに生きるとは、
ヤシの木のように踊ることなのかもしれないと
目の前の風に揺れている彼らを見上げて
たしかに感じた。


だからわたしは踊る、ヤシの木のように。
冷たい雨が降る日も、打ち付ける風の日も、

わたしは踊る。



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