ねこ|愛とヨガ哲学のエッセイ

愛とか祈りとか魂とか。 ヨガ的な日常のエッセイを綴ります。 エッセイ本を出版するのが夢。

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愛とか祈りとか魂とか。 ヨガ的な日常のエッセイを綴ります。 エッセイ本を出版するのが夢。

最近の記事

「愛してる」と軽率に言いたい

「好き」とか「愛してる」というセリフを大切な日のためにとっておいたのに、いつまでも出番がこない。 あの日、確かに感じた胸いっぱいに広がる気持ちは、私の喉を通って口から飛び出すのを今か今かと待っているうちに、賞味期限切れになっていた。 お気に入りのワンピースをとっておきの日に着ようと思っていたら、出番がないまま冬が来てしまったように。 いや、ワンピースはまだいい。だって来年着れるから。 でも、あの日あの時あの場で感じた気持ちは、どんどん鮮度が落ちて野菜室の隅っこで干からび

    • 私は私が誇らしい

      なんだか風邪を引いたかもしれない。 季節の変わり目に弱い私は、夏から秋に変わる一番好きな時期を今年も微妙な体調で迎えてる。 昔から体力がなかった。 周りの友達は30代になったら体力がなくなって体調に変化があったと言っていたけど、私は25歳の時にすでにそれを経験していた。 体力がないなりに社会で生きていくための対処法をここ数年試行錯誤した。 今ではちょっとした体調の変化も見逃さなくなった。 無理をせず、ありとあらゆる方法で自分を緩める。 結局ゆっくり休むのが一番だ。 今夜

      • パズルのピースが合わない2人は倦怠期

        あの人とパズルのピースが合わない。 カチッと上手くハマっていたと思ったのに、よそ見をしているうちにガタガタしてた。 いつぶり?これで何回目? 「ああ、またこの時期がやってきた」 心の中で半分諦めつつも、やっぱり気になる。 完璧主義ではないけど自分の身の回りは綺麗に整理整頓しておきたい派の私。 そしてまさしくあの人は、私の身の回りの一部なのだ。 錆びついた車輪みたいに一応回るけどぎこちない。 何度も油をさそうとしているけど、上手くいかない。 応急処置が失敗に終わったとき

        • 仕事を変えたら幸せの形も変わった【足るを知る】

          ちょうど1年前、仕事を変えた。 インスピレーションと瞬発力と勢いでアウトプットし続ける前職は楽しかった。 周りからはキラキラして見えたと思う。実際キラキラしていたとも思う。 でもなんとなくずっとやり続ける仕事ではないと心のどこかで思っていた。 そして、好きだからこそ仕事にするのが嫌になった。 誰かにシェアしたい!という思いから始めた仕事を、今度は宝物みたいに大切に扱いたくなった。 学べば学ぶほど、やればやるほど、自分が未熟者であることを思い知らされたから。 静かに集中して自

        「愛してる」と軽率に言いたい

          わたしは踊る、ヤシの木のように。

          しなやかに生きることを知ったのは、ちょうど4年前。 ふにゃふにゃと芯のない、 水やりを忘れた萎れかけの花のような心と えんぴつの芯のように 硬いくせにぽきぽきと折れてしまったプライドを 大事に大事に抱え込んでいたわたしに流れ込んできた教え。 ガンッと鈍器で頭を殴られたような目覚めの感覚を今でも覚えている。 「ヤシの木のようになりなさい」 師はそう言った。 風が吹いても雨が降っても楽しそうに踊るだけ。 彼らは拒否しない。じたばたしない。絶望しない。 ただ、風や雨を受け入

          わたしは踊る、ヤシの木のように。

          今日もまた、息を吸って吐く。

          息を吸って吐くことを繰り返す。 すでに今日の空は暗くなりかけている。 座りっぱなしの背中には、どうもうまく酸素が届かない。 私の胸の浅いところで、控えめな呼吸が出入りしている。 ヨガをしたあとの自然と呼吸が深く入っていく感覚は、私の体の内側はこんなにも広かったのかと思い出させてくれる。 でも今はどうだ。 風通しが悪いがらくたばかりの部屋みたいに、酸素がうまく循環しない。 私の中は、狭く窮屈な空間になった。 ああ、また埃が溜まってる。 むかしからそうだった。 ふと目の前が

          今日もまた、息を吸って吐く。