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バイクでオーストラリア大陸縦断をする要領

今回は私のオーストラリアをバイクで縦断した体験をもとに、費用、日数、各種準備、注意点などをお伝えしていきます。

大陸をバイクで縦断する。これはバイク乗りにとってひとつのマイルストーンになると思います。いっぽうで、そんなことできっこない、時間とお金がある人や、安定した職業や家庭のない若者だからできるんだ。退職後に時間ができたらいってみよう、と思ってあきらめてしまう方も多いと思います。

結論から述べますと、それらは間違いです。コースの選定や正しい知識さえあれば現実的なーーそれも大変現実的なーーツーリングになります。この記事の内容がその一助に(あとはツーリングのお供にも)なれれば、僕としてはとてもうれしいです。

さっそく始めましょう。

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まずメルボルン~ダーウィンまでの走行距離は4000~5000キロ程度です。1日500キロ以上走るとして、飛行機や雨で走れない日を考えても期間は2週間ほどでいけます。(考えてみれば北海道を一周くまなく回るならば3000キロ程度はざらにいきます)また、オーストラリアは英語圏の国でもある(同じ英語圏でもアメリカ横断なら3週間はかかるでしょう)。スペイン語やらフランス語やらを必要としない。交通ルールも日本と似ています。国境をバイクで超える必要もなく、治安もよい。

これがアフリカ、南米、ユーラシアだと、そのすべての問題に直面することになるわけですから。そう考えると、同じ「大陸縦断」といっても難易度的には大きく違いがあることがわかると思います。

(もちろんどこか気に入った街で数日過ごしたり、寄り道したり、雨で動けなかったりすると思うので各自それらを勘案してください。僕はエアーズロックで2泊しましたが、全体としては10日ほどで走り終えて、バイクを少し早めに返却し最後はダーウィンでのんびりと過ごせました)

モデルケースとして僕の場合を載せておきます。

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時期:2018年のGW。約2週間の休み。

ルート:東京→メルボルン(飛行機)

    メルボルンにてバイクレンタル(バイク屋までタクシー)→

    グレートオーシャンロード経由アデレード→

    ポートオーガスタからスチュワートハイウェイに入り北上→

    エアーズロックに寄り道してからアリススプリングス→

    ダーウィンにてバイク返却→

    ダーウィン→成田へ(直行便はないので乗り換えが必要)

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となりました。

これで費用は、約80万。僕の今回の旅行は多くの人にとって標準的なプランになるかと思います。ですのでこの金額が大体の目安になるかと思います。

費用の詳細は以下の通りです。(オーストラリアは日本よりはるかにインフレの大きい国ですので、その分は各自割り増して考えてください。僕はこの10年間で何度かオーストラリアに行っていますが、ホテル代は約2倍になりました)

準備すべきものから順番に。

①まずはパスポートです。これがないと航空券やビザの手配ができません。
→有効期間や年齢によりますが、基本的に16000円と考えておきましょう。
詳細はのちほど。

②次にETASです。電子ビザだと考えてもらえばいいです。詳細はのちほど。
500~5000円

国際免許証
→都道府県などにより異なりますが、写真代など込みで5000円ぐらいです。

航空券
→取り方やシーズンによって大きく値段が変わります。僕が150000円でしたが、この時期(2018年)ならこの程度が最安値圏でしょう。

レンタルバイク
→車種によりますが一日だいたい15000円が最安値です。2週間ほど借りるのでディスカウントされます。しかし、ダーウィンでの乗り捨てをするので、料金は二倍になります。保険や、後述しますがレンタルヘルメットなどを含めると、350000円~400000円は最低でもかかるでしょう。

ホテル
→一日10000円~15000円と考えておけば十分でしょう。メルボルンなどはもっと安いところもあると思いますが、地方やアウトバックに行くと、そもそも選ぶほどホテルがありません。あきらめましょう。14日で200000円ぐらいあれば十分です。

食費
→物価は高いです。喫茶店でコーヒーと朝飯を食べたら、2000円以上は普通です。一日5000~7000円くらいでしょう。14日で、100000円あれば十分です。

ガソリン
→1日400キロ走るとして、リッター当たりの燃費が15キロのバイクを借りると仮定。ざっくり27リッターを一日に消費する。リッター当たり130円として、一日約3500円12日で42000円。総距離が5000キロとして考えた場合は、333リッターを消費する。130円なら、約43000円。大体このくらいでしょう。

⑨お土産、観光地への入場料。
→ここでは含んでいません。各自で計算お願いします。

これで合計が、約90万円です。

僕の場合と10万円ほど差がありますが、安全サイドに考えている計算であることや、豪華な食事をとらなかったこと、じっさいは10日ほどで走り終えて、最後はゲストハウスなどかなり安いホテルに滞在したこと(途中でも運よく安いホテルが見つかった)などが要因です。じっさいには安い航空券が見つかるなどすれば、80万前後でいける可能性は十分にあると思います。

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ここまでが費用でした。次に、費用で書ききれなかった注意事項などをまとめていきます。

①パスポート
→だいたいの人はお持ちだと思うので省略しますが、有効期間の残りには注意しましょう。有効期間のぎりぎりまでは使えません。半年以上残ってないと入国させてくれなかったりします。オーストラリアに限らず、海外旅行の常識です。

②ETAS
→2週間(3ヶ月までOKです)ならビザでなくETASを取得で大丈夫です。電子認証の観光ビザみたいなもので、これを持っていないと入国できません。旅券番号など入力。簡単。自分でやったら20ドルかかります(即日)。旅行代理店だと5000円くらいのはず。ビザ申請専門業者に頼むと500円くらいですね。ただ、業者はある程度の人数を取りまとめてからまとめて申請しているためか数日かかります。なので、自分でやるよりも、専門業者にお願いしたほうが実は安くなります。

③国際免許証
→国際免許証の取得。お持ちの免許を管轄する免許センターか警察署で取得。免許センターなら即日で出してくれるのでそのほうがよろしいでしょう。ちなみに1年有効。都道府県によって違いますが、だいたい2500円で、それに写真代やらなんやらで、5000円ほどですかね。オーストラリアは排気量の制限がないので、中型免許でリッターバイクも乗れます。僕も中型だけでしたが、600㏄のYAMAHA FAZERを借りました。レンタルするときに両方確認された、という噂も聞いたことがあるので、日本の免許も現地に持っていきましょう。

④航空券
→通常の往復チケットだとメルボルン到着のメルボルン出発となってしまいます。ダーウィンまで行って、折り返して帰ってくる人や、縦断した後さらに大陸をめぐる場合はそれでいいですが、ダーウィンで旅行を終える人は周遊チケットにしましょう。なるべく早めに取る。また、LCC(ジェットスター)やレガシーの割引を探す。この二つがコツでしょう。

⑤レンタルバイク
→少し長くなりますが。
バイクの手配については方法は3つあります。

値段が安い順に

Ⅰ.現地で買って、終わったら売る  Ⅱ.現地で借りる  Ⅲ.自分のバイクを持ち込む

Ⅰ.時間がある人はこれが一番安く済むようですね。ただ正直僕はやったことないのでわかりません。僕が10年ほど前にオーストラリアに行ったときはネットでの売買などはなく、ローカルの新聞だったりスーパーの壁に貼ってある、手作りの張り紙なんかをチェックしていいものを仕入れていましたね。今はネットでやり取りするのでしょうから、現地に行く前にやり取りを済ませておけばその日に購入もできるでしょう。名義の変更と登録自体は一日でできるらしいです。使い終わったバイクは現地で売却。もしくは、向こうではハーレーなどが割安で手に入るので、--というか日本のハーレーが高すぎる気が、、、--船便で日本に運んで、日本で売るともうけにさえなるという話を聞いたことがあります。

Ⅱ.僕はこれにしました。

今回は Garners Motorcycle Hire というバイク屋でレンタルしました。メルボルンの駅からタクシーで20分ぐらいです。

booking のボタンを押すと、借りる日と返す日のカレンダーが出てきます。あと時間。そして返すところが数か所提示されるので、望むところにチェックを入れる。これだけです。その後見積もりが出てきて、保険に加入するかなどが聞かれるのでそれらを入力していけば終了です。もっとも、僕はこのバイク屋の回し者でも何でもありません。melbourne motorcycle rental で検索すればたくさんヒットします。お好きなところでどうぞ。

僕の借りたバイクで一日約15000円。長期で借りるとディスカウントされて2週間で約15万円、、、なのですが、ここで注意。乗り捨てする場合は大体2倍の料金がかかります。ここではメルボルンでピックアップ、ダーウィンでドロップオフなので、約30万弱でした。(もちろん年齢などによりますが)これに保険などを入れると35万円程度が相場と言ったところでしょうか。

ちなみにヘルメットのレンタルもしてくれていましたが、僕は自分で持ち込みました。保険にも入りませんでした。これが失敗だった、、、

Ⅲ.世界中をバイクで旅する人は船便で送って大陸間を移動してバイク旅をしているみたいです。僕はやったことないのでわかりません。そのうちやってみようと思うので、その時はまた記事書きます。

安くするためには、安いバイクを借りることです。けれども、せっかくですので好きなのに乗りましょう。個人的には排気量の大きいほうが、スピードも出しやすく一日の走行距離も楽に稼げるのでいいと思います。

あとは、タンクの容量が大きく、航続距離が長いほうが安心です。200キロ走ってたどり着いたスタンドがガソリン売り切れ、次の町まで200キロとかだと身動きが取れないので、、、

それとハエがぶつかってくるのがいやな人はカウル付きのほうがいいかと。

⑥ホテル
→アウトバックではロードハウスでガソリンを入れて、食事を買って、そのまま宿を予約するということが多かったです。人口50人(?)ぐらいの町だと、ロードハウスがそのすべてを担っています。そのためほとんど選択肢はありませんが、可能ならゲストハウスやAirBなども検討してみるといいかもしれません。

⑦食費
→レストランは高いですが、朝に労働者たちと一緒にロードハウスでサンドイッチを買い求めれば少々安く済みます。まぁほとんど変わらないので気にするほどでもないです。

⑧ガソリン
→ほとんど安くする方法はないです。道に迷わないようにするぐらいでしょう。まぁ迷うのも旅の思い出のひとつではありますが。

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以上が費用に関する注意事項でした。

これからは僕の失敗に基づいて注意事項などを解説していきます。

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