猫道(猫道一家)

東京在住。国家資格キャリアコンサルタント。元進学塾講師・元ブライダルMC。スポークンワ…

猫道(猫道一家)

東京在住。国家資格キャリアコンサルタント。元進学塾講師・元ブライダルMC。スポークンワードという言葉のパフォーマンスをやっています(歴16年)。自作の詩や物語を喋ったり歌ったりします。声と言葉に携わる者として、気がついたことや考えたことをマイペースに綴っていきます。

最近の記事

唐十郎氏の芝居から受け取ったもの

■はじめに 劇作家・演出家・俳優・作家の唐十郎氏が亡くなった。享年84歳だそうだ。自分は、1998年に大学演劇を始め、演劇サークルで野外にテント劇場を建てて芝居を上演する活動をやっていた。そのため、2000年前後に唐氏が率いる劇団「唐組」のテント芝居をよく観ており、影響を受けた。とても大きな存在が亡くなったので、唐十郎氏の作品から自分は何を受け取ったのかを書いておきたい。 ※注 はじめに断っておくと、自分は唐十郎作品が好きではあったが、戯曲を全て読んだわけではないし、唐

    • 仕事とスポークンワーズ⑥(職業訓練校)

      ※この記事は前回の内容「仕事とスポークンワーズ⑤(高校受験塾)」の続きです。 喋りの仕事を直撃したコロナ禍 司会業+講師業+ライブ活動の生活は、自分に合っていましたし、順調でした。面白いことに、3つの活動はリンクしていきました。ライブの現場で授業を頼まれたり(イベント内でパフォーマーが好きなテーマで授業をするというユニークな出演依頼)、講師の現場ではライブ活動で出会った歌人の作品を朗読したり(中1の国語で定形詩の単元がある)、学校の教室でライブをさせてもらったり(中高生が

      • 仕事とスポークンワーズ⑤(高校受験塾)

        ※この記事は前回の内容「仕事とスポークンワーズ④(ブライダルMC)」の続きです。 約10年ぶりに塾業界に復帰(2014年〜) ブライダルMCの仕事のチャンスは土日祝日のみ。また、近年は新婦がリードして披露宴内容を決めることが多いこともあって、婚礼スタッフは女性がメインでした。そのため、女性MCであれば土日祝日の司会業だけで生活していくことができましたが、男性MCは仕事の本数が少なく困難!平日も何か仕事をして収入を得る必要がありました。 そこで、司会業とのダブルワークで7

        • 仕事とスポークンワーズ④(ブライダルMC)

          ※この記事は前回の内容「仕事とスポークンワーズ③(イベントMC)」の続きです。 婚礼司会者になった経緯(2012年〜) イベントMCとして思いのほか機能し、充実した日々を送っていた俺ですが、あっさり仕事を失いました(笑)。クライアントである大手飲料メーカーの震災によるダメージが甚大で、CSR事業に予算を割くことが難しくなってしまったのです。その事業の企画・実施をメインの仕事にしていた勤務先は、従業員への給与が支払えなくなってしまいました。その時、感じたのは「収入を一つの何

        唐十郎氏の芝居から受け取ったもの

          仕事とスポークンワーズ③(イベントMC)

          ※この記事は前回の内容「仕事とスポークンワーズ②(声優専門学校)」の続きです。 フリーター時代と転機 声優専門学校の後のキャリアは、幼児教育(小学校受験)の世界で1年くらい講師をして、そのままなんとなくフリーターになりました。フリーターとしての勤務先は、ベネッセ系列のコールセンターTMJ(テレマーケティングジャパン)。毎日喋りのスキルを使える上、同僚にミュージシャン・ナレーター・俳優が多く、楽しかった記憶があります(休憩室の掲示物で髪の毛がオレンジ色の管理者が表彰されてい

          仕事とスポークンワーズ③(イベントMC)

          仕事とスポークンワーズ②(声優専門学校)

          ※この記事は前回の内容「仕事とスポークンワーズ①(中学受験塾)」の続きです。 中学受験専門塾での正社員の仕事は年間休日が90日程度(え…?)。とてもじゃないけど、劇団主宰 兼脚本・演出との両立は図れませんでした。そこで、20代半ばに転職したのが声優の専門学校 東京メディアアカデミー(現在の名称は東京声優・国際アカデミー)。社員として、学生たちのクラス担任と学校広報を担当しました。 声優業界を支える仕事内容(2005年〜) 初めて飛び込んだ芸能関連の仕事。声優の専門学校の

          仕事とスポークンワーズ②(声優専門学校)

          仕事とスポークンワーズ①(中学受験塾)

          はじめに 「仕事とスポークンワーズ」というテーマで、いくつかのテキストを書きたいと思い立ちました。6回くらいのシリーズで、3月中に完結することを目標に書き始めます。 書きたくなったきっかけは、年明けからの就職活動で過去の職歴を振り返ったことです。また、俺のスポークンワーズの師匠筋である飯田華子ちゃんが、文芸誌「東京荒野」最新巻で自身の「裏の職務経歴書」(夜職などの職歴とライブ活動の経歴を綴った名文)を書いていたことにも影響を受けました。俺の場合、ずっと喋る仕事を続けており

          仕事とスポークンワーズ①(中学受験塾)

          スラムでタイトルを獲るためにやったこと

          はじめに 私 猫道はスポークンワードという言葉のパフォーマンスをやっており、そのきっかけは2000年代に出会ったアンダーグラウンドの日本語ラップへの憧れでした。ラッパー達が自分の書いた詩と肉声で1人で勝負する姿にグッときたのです。でも、好きなことと向いていることは違います。「自分がやるとしたらラップじゃないな」と直感し、手はじめに自分が書いたショートストーリーをリズムトラックに合わせて朗読してみました。2007年1月頃の話です。 それ以降、「スラム」と呼ばれる言葉のパフォ

          スラムでタイトルを獲るためにやったこと

          猫道が敬愛する6人の独演家

          11月末まで野外ライブと無観客配信以外のライブを休止することにした。出演予定が2つしかないので、空いた時間で少し整理をしたい。今回文章に書いてまとめておきたかったのは、自分はソロパフォーマーとしてどんな演芸をやっていきたいのか。 整理の仕方は単純で、これまで共演したソロのライブパフォーマーの中で特に好感を持っている人について書き連ねていくことにした。自分が惹かれた理由を並べれば、自分が舞台に立つ時に大切にしていることも見えてくるはずだからだ。6名のアーティストを2人ずつ紹介

          猫道が敬愛する6人の独演家

          白いのにペンキで赤く塗る

          自宅で自粛生活を過ごしていると、セッションで出会ったベーシストの烏賀陽弘道氏から素敵なDUBのトラックが送られてきました。 で、以前書いた短い詩を乗っけてみたら合いそうだったので、リモートセッションしました。タイトルは特になかったのだけど【神社に祀ってハッピーエンド】にしてみた。こんなリリックです。 不思議の国のアリスのシーンを 思い出しては苦笑い 兵隊たちは庭の白いバラを 必死でペンキで赤く塗ってる 女王陛下が赤と決めたのに 白いバラを植えたんだって 必死で帳尻あ

          白いのにペンキで赤く塗る

          出会いと別れ、再会の記録

          私 猫道は「スポークンワード」というソロパフォーマンスをライフワークにしており、自作の詩や物語をビートに合わせて喋ったり歌ったりしています。元はミュージシャンではなく、演劇人。20代の頃は俳優や脚本・演出をやっていました。現在も楽器は弾けないのですが、東京を中心にライブハウスやクラブ・DJバー・劇場などで約14年活動するにつれて、少しずつミュージシャンの仲間も増え、自分で簡単なバックトラックを作ったり、ピアノやギターとセッションするライブも増えてきたところです。 さて、今回

          出会いと別れ、再会の記録

          素顔(心情)を化粧(技術)で伝えるMC

          立春を迎え、寒さは厳しいものの晴れた日中はどこか春の兆しを感じるようになってきました。1月に観たライブで印象に残ったことがあったので、書き残しておきます。(その前にちょっと長めの前置きをしますね。) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 舞台を通じて知り合った友人達がやっている「胎動」というジャンルレスのライブイベントがあり、2017年に「胎動大学」という新企画にお世話になりました。この企画は珍しいもので、普段 胎動に関わるパフォーマー達が好

          素顔(心情)を化粧(技術)で伝えるMC

          推薦入試とファック・ザ・ポリス

          あけましておめでとうございます。猫道です。今年からnoteを始めてみました。ライブパフォーマーとして、司会者として、塾講師として、一年中 人前で喋っているので、その中で感じたことをマイペースに記録していこうと思います。いわば「声と言葉」にまつわる日記です。 さて、年が明けて東京もかなり寒くなってきました。いよいよ受験シーズン。昨夜は都立高校の推薦入試を受験する生徒たちのレクチャーを担当しました。自分はいつもは英語や国語や社会といった教科の指導をしているのですが、昨夜はグルー

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