第6話:『北関東グレイブディガー』13
真凛がチーフを呼んでくる間、おれは残ったコーヒー牛乳をのんびりと飲み干しながら、ロビーの片隅のハイビジョンテレビに目をやった。画面内で繰り広げられる刑事ドラマの再放送ををぼんやりと眺めていると、おれのアタマがようやく、今回の仕事そのものについて考えを巡らせ始めた。
シドウの事を抜きで整理してみると、笑えるほど事態は進展していなかった。幽霊が出るという街に来て、ちょうどその頃行方不明になった人の事故現場に行ってみたら、何故か他所の異能力者と遭遇して叩き出されました、以上。