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2024沖縄旅行|那覇周辺で宗教と歴史を感じる

元日から災害や事故が立て続けに起こっていたが、被災地から離れた人間は通常通りの日常生活を行うことと募金をすることが最善であることを東日本大震災で学んだため、予定していた通り沖縄旅行を決行することにした。
1/4-1/6の2泊3日で、那覇周辺をぶらついたので、そこで気づいたことをつらつらと書いていく。

一日目 移動日

移動日。夕方ごろの便で那覇空港に向かう。
到着した頃がちょうど夕焼けの見れる時間だったが、やはり本土に比べると日が沈むのが遅い。そしてあったかい。長袖Tシャツ一枚で十分といった感じだった。

那覇空港からの夕焼け

空港でソーキそばを食べて、ホテルに直行した。
那覇では珍しく温泉があるホテルだったので、大浴場でゆっくりあったまったあと、屋上のバーで夜風に当たりながらビールを飲む。よい。

二日目 波上宮周辺〜嘉数高台公園〜首里城公園

7時ごろに起きたが、まだ外は薄暗かった。陽が沈むのが遅ければ、逆に陽が上るのも遅い。
ホテルが波上宮という神社に近かったので、朝イチで見に行く。
沖縄風の社殿の脇に明治天皇の像がデンと鎮座していたのが印象に残った。
その像を見たこともあって、神社ということだから、北海道のように明治になって日本が神道を導入するためにこの神社を作ったのだろうかと思ったが、さにあらず。
波上宮のある場所はもともと沖縄の民間信仰の聖地で、14世紀にはすでに神社となっていたらしい。その当時、琉球王国の支配者層が日本から持ち込まれた真言宗や熊野信仰を信仰するようになり、聖地に神社や真言宗の寺院を置いたという経緯とのこと。
ご興味のある方は、参考にした以下の論文をご覧ください。

周囲に目を向けると、神道に影響を受けた天理教の支部や、密教をベースとした阿含宗の支部が波上宮の近くに置かれていて、元々の在来文化の聖地に神社や寺院が置かれるだけでなく、これに関係しそうな他の宗教までもが集まってきているのが興味深い。

かと思えば、中国系の道教の神々(天尊・関帝・龍王・媽祖)が祀られている廟(天尊廟地)も近くにあったりして、さながらチャンプルー状態だ。
以前はここに孔子も祀られていたらしく、何がなんだかといった状態だ。
これは琉球王国時代に福建省から渡ってきた中国系の知識人たちによってもたらされたもので、このあたり一帯が久米村という中国系の住民が住むエリアだったとのこと。
この一帯を見るだけでも重層的な沖縄の歴史を感じることができる。

天尊廟地

モノレールの県庁前駅の方面に少し移動すると、公園の一角に移設された孔子廟が見えてくる。
これもまた立派な建物だ。

孔子廟

モノレールとバスを乗り継ぎ、次は嘉数高台公園へ。目的は普天間基地を一望できる展望台だ。
バス停から坂道をそこそこ歩くのだが、まだ午前中だというのに陽射しが強い。東京のゴールデンウィークごろの様子に近い。日頃の運動不足も相まって展望台に上がりきったときにはバテバテになっていた。
展望台からは普天間基地が一望できた。海や街並みもよく見える。ヘリコプターや飛行機が通るたびに轟音がするのだが、麓の公園で遊んでいる子どもたちは意に介さず慣れた様子だった。
これが敗戦後のアメリカ統治の作り出した光景なのだろう。
この基地が移転すれば展望台から見える風景も変わってしまうと思い、見に来てみたのだった。

嘉数高台公園から見える普天間基地

そこから首里城公園に向かい、首里城を見学。ここは以前にも来たことがあったので、景色を楽しみながらサラッと回ることにした。
以前マカオの媽閣廟の獅子を見て首里城のシーサーに似ている気がしたので並べてみる。
阿吽になっているかどうかや子供を抱いているかどうか、細かいところは結構違うことがわかる。ただ、シーサーはやっぱり中国との繋がりを感じる。

首里城のシーサー
マカオの媽閣廟の獅子

ここでやっと昼ごはん。
アメリカ的な食べ物が食べたかったので、A&Wでハンバーガーセットを貪ることにした。
もちろんルートビアも欠かせない。
そういえば、昨年台湾に行ったときに、黒松沙士を飲んだことを思い出した。同じくサルサパリラの根のエキスが入った炭酸飲料でルートビアに近い。
A&Wの店内のポップにも中国語でサルサパリラを意味する「沙士」と記載してあった。
アメリカ経由で入ってきたと思われる沖縄のルートビアと台湾の沙士にどんな関係があるか分からなかったが、地理的に近いところで同じような飲み物が飲まれているのは面白い。
よく飲む湿布とか言われるが、そこまで言うほど変な味ではないと思う。

日差しの強さにバテたのと、思ったより徒歩での移動が長くなってしまったので、夕方には早々に宿に戻ってゆっくりすることに。
夜にはこれまたアメリカ的なステーキをもりもり食べた。

そういえば、街を歩いているとゴミ出しの日だったらしく、ゴミ袋が集積所に積んであった。
ネットをかけられていないところに違和感を覚えたのだが、本土のようにカラスが多くないのでゴミを荒らされることがあまりないからだろう。
ただし、最近では行政が注意喚起しているので、カラスの被害が全くないとはいえないのだろうが、習慣としてはまだネットをかけるのは定着していないらしい。うらやましい。

三日目 福州園〜沖縄県立博物館・美術館〜豊崎美らSUNビーチ

二日目に行った孔子廟の横に福州園という中国式の庭園があったので、見学。
これも久米村の中国系住民とゆかりのある庭園とのこと。
30分程度で回れて中国らしさを感じられる。

龍が三匹
案外あそこまで登るのは大変

近くのバス停からバスに乗って、沖縄県立博物館・美術館に向かう。
これまで観光してきて感じた沖縄の歴史を体系的に学ぶことができてよかった。

近くの公園にこんな掲示が。

「しばらくするといなくなります」というのがなんだか面白い。
駆除するとかではなくいなくなるのを待ったり本当に放っておいていなくなるのかが謎だったりする。
調べてみると市への要望があったらしく掲示したらしい。大量発生するときがあるが、6月以降はだんだんいなくなるとのこと。確かにいなくなるんだ。

博物館を出て公園をぶらついても、まだ昼過ぎだった。
夕方の帰りの便には早いが、お土産を買ったり昼ごはんを食べようと思い空港まで行った。だが人が多すぎる。
人が多すぎず、空港から行きやすくて暇が潰せるところがないか調べていたところ、空港からバスで直行できるショッピングモールとビーチがあったのでそこに向かうことにした。
バスで30分くらいで到着し、ショッピングモールでタコライスや塩ソフトクリームを食べて、ビーチへ。
夏でもないと人もそんなにはいない。人工ビーチらしいが雰囲気はバッチリでまさに南国って感じがする。

適当に時間を潰してから空港に戻り、お土産を買ったりして帰路へ。

思いの外、宗教や歴史について触れることのできた旅でとてもリフレッシュになった。
それに去年の台湾もそうだが、寒い時期には暖かいところに行って観光するのが個人的には合っている気がする。
海外旅行は高いし、まだ見るべきところがありそうなので、また沖縄に行ってみようと思う。

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