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涙が乾く前にまた泣いた THE FIRST SLAM DUNK

昔なんとなく見ていたアニメ、スラムダンク。
私は物覚えが悪く物忘れが激しい。
スラムダンクが面白かったかどうかすら覚えてもいなかった。
内容もうろ覚えで、主人公が桜木、という情報だけで映画を観てきた。

そんな、ほぼ何の情報も入っていない状態の私ですら、大号泣した。
今の技術でスラムダンクを残してくれたことに感謝したぐらいだ。

作者である井上雄彦氏は映画化を長らく断っていたようだが、数年かけて企画書やパイロット(先行して製作された映像媒体)を何度も持ち込まれたことで、最終的にOKを出したそうだ。
本作はモーションキャプチャによる3DCG作品なのだが、今、この時代でしか表現しきれなかったのだろうと思った。
時間もかかったのだろうけど、時代を待っていたようにも感じた。
これだけの大作を完成させられるだけの技術の発展した時代を。

スラムダンクファンは劇場で観るべきとの声が多いが、個人的にはファンでなくても劇場で観ることをおすすめする。
スラムダンクの映画を観るにあたって、なぜかマイケルジョーダンの映像をYouTubeで観ていたのだが、正にNBAのそれだった。
「本物の試合を観ているみたい!」というコメントが多い理由はそこにある。

原作が完結して26年。
今更ながら私はスラムダンクの大ファンになった。

映画を観た後、すぐにアニメを見始めた。
101話を一週間で完走し、翌週にはもう一度映画を観に行った。
今回は予備知識万端。
紆余曲折を経てコートに立った湘北メンバーを見ただけで涙が出そうになった。
桜木や流川がどんな人間かも分かっている。
ミッチーの過去も理解しているし、赤木とメガネ君の努力もリョータの好きな人も知っている。

万全の状態で挑み、二度目の映画鑑賞で一度目よりも泣いた。

背景が分かる分、涙が堪えきれなかった。

映画では、度々無音になるシーンがあるのだが、息が止まる思いだった。
息を止めているのに、涙は止まらない。
とても不思議な体験をした。

一度目の鑑賞は、いつもガラガラであることが魅力の近場の映画館で鑑賞したが、これでは勿体無いと感じ、都内で一番大きなスクリーンがあるグランドシネマサンシャイン池袋まで観に行った。

グランドシネマサンシャイン池袋のシアター12(IMAX)は、幅25.8m × 高さ18.9mの国内最大の大きさを誇るスクリーンだ。
割高なプレミアムクラスを予約し、その予約をするために年会費500円の会員にまでなった。
会員になれば、通常よりも3時間早く座席の予約ができる。
予約開始時間ピッタリにスマホを連打し座席の確保を試みたが、それでもプレミアムクラスの中央の座席を予約することはできなかった。
上映から四ヶ月も経っているというのに、未だにとんでもない人気だ。
粘りに粘り、中央より少し端寄りのプレミアムクラスの予約に成功した。
これは本当に幸運だった。
臨場感・没入感共に100点だったと思う。
ぜひ三度目も同じ場所で、できれば中央で鑑賞したい。

何度でも観たいと思える映画に出会えて、幸福な春になった。

nekogaki




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