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『糖尿病の治し方』8-1 Snさんの話、2回目

以前話したSnさんがまた来てくれた。
 
病院内ではとても孤独なので、話し相手になってくれるのは
助かる。
 
今回は話題が、私が入院前におはぎを食べすぎたことから
派生して、糖尿病のペットボトル症候群のことについての
話になった。
 
私が食べすぎていた和菓子の類も、おはぎ1個あたり
コーラ1杯分ぐらいの糖質を含んでいるので、コーラを
ガブ飲みするペットボトル症候群と似たようなものらしい。
 
Snさんいわく、清涼飲料水などのペットボトル飲料は
液体なので、大量の糖分を溶かし込むことができ、
あまり気にせずにゴクゴクと飲めてしまうところに問題が
あるそうだ。
 
しかも、冷たい飲み物は甘みを感じにくくなるので、
コーラやジュースには大量の糖質が入っているらしい。
 
それを常飲する習慣がつくと、大量の糖質が腸からすみやかに
吸収され、一気に血糖値をはね上げてしまう。
 
高血糖状態は有害なので、人体はすい臓からインスリンを大量に
出すことで対応しようとしてしまう。
 
しかしそのせいで、逆にインスリンが効きすぎることにより、
血糖値が下がりすぎてしまい、今度は低血糖状態になる。
 
低血糖状態も、高血糖状態以上に危険なものなので、今度はまた
糖質を多く含んだ甘いものを食べることで、人体は急場をしの
ごうとする。
 
この、危ないシーソーゲームのような負の連鎖を繰り返すことで、
どんどんすい臓はインスリンを生産、浪費することを強いられ
続けるようになる。
 
休みなく働かされる過労状態が続くと、インスリンを作る材料の
ビタミンやミネラルも足りなくなり、ついにはすい臓のB細胞が
へたばって自死してしまう。(糖尿病アポトーシス)
 
Snさんは、たくさんの人がペットボトル飲料や有糖の缶コーヒー
を常飲することで糖尿病になっていく現実を知り、「さすがに
コレはおかしいだろ」と思って大手メーカーに電話してみたらしい。
 
「あなたのところで作っている飲料が原因で、たくさんの人が
糖尿病になっています。 おかしくないですか?」と。
 
すると、その大手メーカーの受け答えする人は、「本人の自己責任
なのでは?」といったそうだ。
 
Snさんは、その出来事がとても無念だったらしく、「ネコさんも
糖尿病になって大変な目にあったのだから、今後こういった被害が
起こらないようにするためにも、何かしらの方法で世の中の人達に
経験したことを伝えてみてはどうでしょうか?」とススメてくれた。
 
私はよく、医師や看護師さんに手紙を書いて意思を伝えていたので、
Snさんから創作系の人だと思われたのかもしれない。
 
実際、過去にヘタな漫画を描いたりとかしていたので、「エッセイ
漫画みたいなのにでもしてみたらいいのかもしれませんね…」と
適当に答えた。
 
Snさんからは、「ぜひやってみて下さい。 世の中のためになり
ますから」といわれたんだけれども、現状私は死にかけているので、
軽くそういったフラグを立ててくれるSnさんのことが、私には
魔王のように思えるのだった。(「いや、無理だろ…」と)
 
まあしかしでも、Snさんの言い分も分かるとは思った。
確かに私の経験したことは、誰かに伝えられる意義のあることだと
は思う。
 
漫画とかにして伝えられれば、世のため人のため、何なら私のため
にもなる…だろう。
 
言い分は分かるんだが…。
 
そのフラグはちょっと、『これから恐山に行って、魔獣1体を討伐
してきて欲しい』といわれているようなものなので、どう考えても
今の私には無理フラグでしかないのだった。
(というか、ソレ『死亡フラグ』じゃんって……。rz)
 
「Snさんは魔王」というのが、私の脳内で確定したりしたんだが、
まあそこは別にどうでもいい話なのかもしれない。
 
今の私にどうしろと……。

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