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「もしもし、太宰先生??」

自分の中で行ってみたい場所の一つ「斜陽館」へGW期間中に行ってみた。


なぜ行ってみたかったのかと言われれば、なんとなくで読んだ
「斜陽」がきっかけ。
生々しい感情の表現力と繊細さに一気に魅了されてしまったのである。

「斜陽館」はとにかく広く、部屋の様子や物の豪華さから当時の
津島家(※太宰の生まれた家)の財力をこれでもかというくらい知ることができた。

そして「斜陽館」のほかにもう一つ、
少し離れたところにある「旧津島家新座敷」というところ。
元々は太宰の兄夫婦の新居として建てられたものだが疎開した太宰が暮らした家でもある。
私的にはここが1番魅力的だった。

斜陽館は資料館としてもしっかり成り立っているのに比べこの旧津島家新座敷は高級感ありつつ「自宅」の感じが強く残っており「あ、太宰は本当にここにいたんだな」と太宰の存在を身近に感じられる貴重な建物だった。
もっと言うと生活の温かみみたいなものを感じられた。

実際に太宰治が座って創作していたというお部屋で私もパシャリ。



ところで、
私は太宰治作品に惚れはしたものの太宰治という人間はかなり苦手である。

ここまで語っておいてなんだと思われるかもしれないが、もともと太宰治のイメージは「暗くて危うい人」だし今もそのイメージは変わらない。

そして今回の体験をより深く落とし込もうと購入した「人間失格」を読んでさらに太宰の暗さに触れてしまった気がする。
めんどくさい人間だな。さぞ生きづらかっただろうな。周りの人間も大変だったろうな。とまで思う。

そして同時に、

「側にいたら絶対引き込まれてしまう」

とも思う。

顔が良く弁もたつのにどこか儚げで庇護欲を掻き立てられる様は、
そりゃあんた、女がほっとかないわよ。

悔しいかな、太宰治のことは好きじゃないと豪語しつつその魅力にハマりかけている自分がいたりいなかったり・・・。



『もしもし、太宰先生??わたしあなたが生きている世界に生まれなくてよかったって心底思います。』

同じ世界線にいたら私もきっと素直にあなたの危うさに魅了されていたでしょう。





……あれ?私もう太宰治にハマってしまってます??

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