見出し画像

関西人の、真のソウルフードとは②

①を投稿してからかなり経ってしまいましたが、シリーズ第2弾です。

上京して強く感じたのは、「関西の出汁文化の素晴らしさ」です。

東京にもうどん屋さんはありますが、醤油味濃いめ、色味が黒めのお出汁がどうしても受け入れられず、上京して2年経っても積極的に食べようという気にならないんですよね・・・(もちろん、美味しいと思うんですが)

私にとって馴染み深いのは、昆布と鰹節(追加でいりこを使うことも)でとった、透き通った色のお出汁です。一見味が薄そうですが、シンプルな材料で旨味を最大限まで引き出したお出汁は、素晴らしい関西の食文化ではないかと思います。

おかんの教え

高校生くらいの時から、母に耳にタコができるくらい言われたのが、「お出汁だけはマスターしときや。そしたらお味噌汁でも煮物でも、いろんな料理が作れるからな。」ということです。

この名言(?)に、「とにかくお出汁がとれたら、ずっと独身だろうが結婚して旦那はんできようが、ごはん作って食べるのに困らへんからな!」というのがくっつく時もあったなあ。

正直なところ、お出汁がとれたところで、それほど万能なのかは「?」ですが、確かに和食の基本はお出汁なので、作れるに越したことはないですね。

即席の出汁パックとか出汁の素とか、手軽なものはたくさんありますが、ちょっと手間でもお出汁は手作りするようにしています。

これはほんまに不思議なもんで、私がお出汁をとってお味噌汁を作ろうが、煮物を作ろうが、煮魚を作ろうが、全部決まって母の味になります。同じ人間が作ってるわけではないのに、味の記憶ってすごい。

ある意味、おかんはこの味を継承して欲しかったんかな、と最近思います。親から子へ、子から孫へ。もし将来子どもが生まれたら、私の作るごはんの味が記憶として残るんやろうか・・・。ちょっとだけプレッシャーですが、それはきっとおかんにとっても私にとっても、嬉しいことではないかと思います。

基本のお出汁のとり方

全く大したレシピではないんですが、私のいつものお出汁のとり方をご紹介します。いりこは使わず、昆布と鰹節だけですが、十分美味しくできます。

<材料 2人分(お味噌汁約2杯分)>

・昆布 4〜5センチ角くらい(高級な羅臼昆布はもちろん美味しいですが、国産であればなんでも良いかと)

・鰹節 1つかみ(花かつおを使っています。)

・水 お椀2杯分

<作り方>

1.お鍋に水を入れ、昆布を浸けておきます。30分くらい浸けると旨味がよく出ますが、時間がなければ15分程度でもOKです。(写真は7杯分くらい作った時なので、全然量が違います。ご容赦ください・・・)

画像1

2.中火で沸騰するまで加熱します。沸騰したら弱火にし、鰹節を加えます。びっくり水をする方法もありますが、私はいつも弱火にしてコトコト煮出しています。

画像2

3.吹きこぼれないよう気をつけながら、10分弱煮出します。火を止め、2〜3分だけおいてから昆布と鰹節を除きます。

お出汁の安心感

最後に、お出汁を使って料理していてちょっと感動したお話。

冬、鰤が美味しい時期になるとちょくちょくブリ大根を作るんですが、あまり作り方も分からずに、とりあえず醤油と酒とみりんで煮込んだらええんやろ、くらいの感じで作ってました。

ある時、ふとお出汁いっぱいとったから味噌汁にしても余るなあ、と思い、調味料と一緒に入れてみたところ、劇的に美味しくなりました。あとおかんが作ってくれた味に近くなりました。(多分ググったらいくらでも書いてるやろうに・・・。なんとなくわかるから調べへんでっていうこの無駄な頑固さよ・・・)

醤油とみりんで甘辛い味が強めだったものが、お出汁によって一気にまろやかになり、かつそれぞれの調味料をうまく融合してくれるというか、仲をとりもってくれるというか・・・。お出汁が安心感を与えてくれるような気がします。

ほっとする味、なんかおかんの作ってくれたような味。お出汁が醸し出してくれる柔らかい風味、懐かしい香りは、関西人の真のソウルフードの1つだと勝手に思っています。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?