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夏休みスウェーデンフィンランド9日間の旅<後編>

こんにちは。8月中旬、夏休みに北欧のスウェーデンとフィンランドを旅行してきたのですが、想像以上に楽しかったのでここで旅程をまとめてみようと思います。今回は終わりのサーリセルカ編です。楽しすぎて書き始めたら終わらず、この分量になってしまいました。

前編はこちらから
中編はこちらから

さて、サムネイルでネタバレしているのですが、実は最終日の晩に夏なのにオーロラが見れました!

<7日目>

イナリーサーリセルカ

昨日釣りで十分楽しんだので、今朝は少しゆっくり目に過ごします。朝ごはんは昨日釣ったもう一匹のgraylingとじゃがいもの残り。チェックアウトをして、1時間半くらいの時間がサーリセルカ行きのバスに乗るまでありました。当初は散歩でもしようかと思っていたのですが、この町にはあまり見るところがないということはわかっていたので、昨日釣りガイドのAtteにも勧められた先住民のサーミの方の博物館であるSiidaに行くことに。

色使いとかがどことなくアイヌに似ていると感じるのは私だけでしょうか。

残念ながら全てをしっかりと見る時間はなかったのですが、大まかにはここには内部の写真のような文化の展示と、外の建物の展示があります。内部には伝統的な服装や歴史、イナリの自然などの展示があり、外には家や船などの展示があります。個人的に驚きだったのは、サーミ語、つまり先住民の言葉は一つではなく、10以上も存在し、中にはすでに流暢に話す方がいなくなってしまった言葉もあるということでした。その中には2003年に流暢に話せる人がいなくなった、という記述もあり、言語が恒久的に失われてしまうことに悲しみを覚えました。

駆け足でSiidaを見た後はホテルで荷物を回収し、バスを待ちます。バスにはバス停名が書いていないので少し不安になりますが、道路を渡るトナカイを眺めていたらほぼ時刻通りにバスが来てくれました。このバスは例のサンタクロース村のあるロヴァニエミまで行くバスで、このバスで最後の目的地、サーリセルカに向かいます!途中運転手さんのお昼ご飯休憩があったり、サーリセルカで降り過ごして慌てて次のバス停(幸い歩ける距離でした)で降りたりとちょこちょこイベントがありながらも昼過ぎにサーリセルカに到着です!サーリセルカはイナリよりももっと観光地化されている印象で街自体が大きく、それにもかかわらずスーパーはひとつ、レストランもそこまで多くはなくほとんどがホテルといった感じでした。
今回泊まったのはKuukkeli Log Houses Aurora Resortというところで、木のロッジに似せた雰囲気が良いホテルです。ホテルには受付がないので、近くのスーパーの2階にある郵便局でチェックインを済ませ、宿に向かいます。宿は壁が全て木でできており、それでいて汚らしくもなく非常に良かったです。
さて、時刻は15時近く。お腹も空いたのですがちゃんと食べてしまうと夕ご飯が食べられなくなってしまうので、フィンランドのファストフードを試してみることにしました。Scan burgerというハンバーガー屋さんへ。

じゃがいもが違うのか、ポテトの食感が少しねっとりめで美味しかったです。

店名を冠したスキャンバーガーのセットをいただきました。セットの飲み物が炭酸しかなく、少しアメリカを感じました。野菜が若干新鮮でしょうか、お肉も美味しかったです。

お腹を満たした後は、今日は特にすることもないのでお土産屋さんなどを見て回ります。天気も雨は降っておらず、上着を羽織っていればなんとかなる感じでした。かなり気になったのはいわゆる木の香りのオイル系ですが、テスターのあるものの中には気に入った香りがなく結局買いませんでした。
そういえばすることがないと書きましたが、翌日はハイキングをしようと思っていたので、ハイキングルートをインフォメーションセンターに相談に行くのを忘れないようにします。前編でサーリセルカに最後に寄ったのは朝イチのフライトでヘルシンキに帰る時に、イナリから空港までよりもサーリセルカからの方が近く、公共のバスが出ているからだということを書いたのですが、ここに2泊しているのはサーリセルカはウルホケッコネン国立公園というフィンランドで二番目に大きな国立公園があり、ここでハイキングをしたかったというのもあります。ここは広すぎるので1日で全てを回るようなことはほぼ不可能で、なんなら数週間かけてロシア国境付近まで行くこともできるのだとか(出典を見つけられませんでした)。1日ハイキングでもルートがたくさんあるので、おすすめをインフォメーションセンターに聞きに行きます。そして情報を加味した結論は、マウンテンバイクを借りよう、ということでした。いってみたい場所が多かったので、バイクで25 kmくらい走れば1日満足できるだろうと、そういった気持ちです。ルートについては明日のページで詳しく説明します。ちなみにここでは地図は有料です。ゴミを国立公園に増やしたくないという気持ちが伝わってきました。

これでやることも無くなったので、夕ご飯を食べに行きましょう。ヘルシンキで食べずじまいだったトナカイを食べるべく、フィンランド料理屋さんのRavintola Pirkon Pirttiに行きました。ここではトナカイのフィレをそのままと燻製と二種類あるメニューをチョイス。

左がそのまま右が燻製のトナカイ。

もちろん美味しかったのですが、個人的には去年友人がヘルシンキで頼んでいたトナカイのフィレステーキの方が美味しかったです。今回のトナカイは臭みがそこそこあり、獣を食べている感覚がありました。ちなみに釣りのガイドのAtteによると、地元の人が食べているトナカイと観光客用のトナカイは違うとのことで、観光客用には地元の人が食べない、若いか年老いたトナカイが出されることが多いそうですので、それが関係あるのかもしれません。これならヘルシンキでももう一回くらいトナカイを食べておいても良かったなぁと少しだけ後悔しました。

帰ってきた後は、自分の部屋に割り当てられた時間帯で共用のサウナに入り、そして夜のウルホケッコネン国立公園でオーロラが見えないか少し散歩しましたが、やはり夜空は一面の雲に覆われていて、あまり芳しくはありませんでした。

<8日目>


ウルホケッコネン国立公園

昨晩夜のお散歩をしてしまったので、今日は少しゆっくりめのスタート。朝食ビュッフェは9時半頃に食べ、その後お昼ご飯などを調達して、自転車を借り、11時過ぎにウルホケッコネン国立公園でのハイキング(バイキング?)スタートです!
今回のルートはこちら。大元の地図のリンクはこちら。

黄色が今回通ったルート。

まずはIisakipäに寄り道しながら、Rumakuru、Luulampiに向かいます。その後、Kiilopääを抜けて、5番の道でサーリセルカに戻ります。大体30 kmコースで、平地なら2,3時間で終わる距離ですが、果たしてどうなることでしょうか。
まずは、Iisakipäに向かいます。ここをルートに入れたのは、インフォメーションセンターの方にお勧めされたからなのですが、正直このルートが此の全行程の中でもっとも難易度が高く、近場でもあることから別の暇な日に軽く散歩に行くくらいがいいのではないかと感じました。というのもこの山頂までのルートはなんと階段の上り下りがあります(*自転車と徒歩の共通のルートです)。ここでだいぶ体力を持って行かれてしまったので、このルートを外しておけば後半もうちょっと楽だったのではないかと感じました。

山の中の道を進んでいきます。

とはいえ1時間程度で山頂には到達。山頂は高度こそ高くないもののすでに森林限界を超えており、非現実的な眺めをしています。

遠くにびっしりと生える針葉樹林が見えますでしょうか。

思いの外すでにハードな行程ですが、休憩したら先に進みます。苦労して登った甲斐があり、ここからしばらくは下りです。この下りが個人的には一番気持ちよかったでしょうか。最初の方は少し難易度の高いごつごつした道もあったりして、男の子としては降りこなしているという高揚感も得ることができワクワクしました。

下り坂を下っていきます。

下っていくと、Rumakuruに到着。ここはBBQの場所等もあり、休憩スポットといった感じです。トイレもあって助かりました。

自転車を置いて一休み。

Rumakuruをすぎると、少し下り坂も落ち着き、漕ぎやすいルートになります。この辺りは初心者コースということもあり、平らな道を特に無理なく漕いで進んでいくことができます。Luulampiに着いたのは14時前でした。まだ折り返し前なのに2時間以上経っています。やはり坂道が多いと時間がかかります(何より私は自転車がとても遅いです)。ここにもトイレと山小屋があるのですが、残念ながら山小屋は土曜日でお休みでした。

多くの人が休憩していました。

ここから一度道を間違えてとんでもなく狭い道を進んでしまったのですが、仕切り直してKiilopääまで坂を登っていきます。ここがほぼ最後の登りなのですが、個人的にはここがこの旅程で一番しんどかったです。とにかくずっと上りで、ギアを変えてももう進まなくなってしまい、最後の方はずっと自転車を押していました。実はレンタルのところには電動のマウンテンバイクもあり、私たちは電動でない普通のものを借りており(そちらの方が安かった)、実際序盤の階段などは電動でも重いだけだったので普通のものでよかったのですが、ここだけは電動の方が良かったかなと少し後悔しました。それでも登りながら森林限界を超え、少しずつ開けていく視界には感動しましたし、来た甲斐があったと感じました。

フィンランドの景色は写真よりも本物の方が圧倒的によく、見返していてもどかしいです。

こんな道を登り切ると、周りに木は全くありません。iPhoneによれば高度はたったの430 mで、北海道より北のスイスですら森林限界は2000 mより上のはずなので、自分が今いかに北にいるのかということを痛感させられます。
さて、登り切った後はお楽しみの下りの時間です!再び気持ちよく道を進んでいきますが、この辺りから周囲のベリーやキノコに目が行くようになってきました。その中からお気に入りを一枚。

ベリーと鮮やかなキノコ。北欧らしい写真ではありませんか?

そんな道を下っていくと、Kiilopääに到着です。時刻は15:30程度。いやはや丸一日サイクリングコースです。Kiilopääは実は国立公園の端であり、ここまで車できてハイキングを始める人もちらほら見かけました。ここからは国立公園の外をサーリセルカに向かって帰っていきます。帰り道にはちょっとしたアップダウンがあり、その度に自転車を降りて押していました。2日前に自転車に乗った時のお尻の痛みも残っていたりと、満身創痍感が募ります笑
そんな中でも、野生のトナカイが道のそばを歩いていたり(写真を撮ろうとすると警戒されてしまいました)、可愛らしいキノコや小川を眺めたりして、なんとかサーリセルカに戻ってきました。友人の方が圧倒的に体力があり、最後の方は結構待たせてしまいました。帰ってきたのは18時前。17:30から部屋に割り当てられたサウナの時間だったのですが間に合わなかったので、後で共用の時間に入りました。

サウナの後はFienoというイタリアンでピザをいただきます。

ピザってどうしてこんなに美味しいんでしょう。

美味しいピザだったのですが、生地分厚めのもので、私は耳を、友人は半分くらい残してしまいました。海外のピザの量はやはり舐めてはいけません。

ところで今日の写真を見ていただければわかるのですが、この日はこれまでで一番晴れている日でした。釣りのガイドのAtteが、先週(二週間前だったかもしれません)はオーロラが見れたよ!と言っていたのを聞いていたものの私は夏だし無理なのではないかと懐疑的だったのですが、すっかりその気の友人は、仮眠をとって12時過ぎくらいに起きてオーロラを見に行こう、といいます。正直最後の晩でかなり疲れており、乗り気ではなかったのですが(仮眠を取るのはとても苦手です)、12時に起きて国立公園に繰り出します。ちなみに気温は5℃程度。セーター、ウルトラライトダウン、タイツ、暖パン、全てフル稼働です。
街の喧騒を抜けて、人気のない国立公園の見晴らしの良いところまで進んでいると、友人が空を見て「あれオーロラかな?」といいました。見上げてみると、晴れた空に雲にしては色がついているようなものが見えます。確認するために夜間モードで写真を撮ってみると……

人生初めてのオーロラです。

バリバリにオーロラでした!正直見ていただければわかるように、西の空は緯度の関係で8月中旬の12時過ぎでもまだなんとなく明るく、これではオーロラは見えないのではないかと思っていたのですが、普通に見ることができました。急いで見晴らしの良い小屋のところまで向かうと、すでに若者たちが集まっていて、オーロラ見えたよね!という話を一緒にしました。その後しばらくは見えていなかったのですが、30分くらい粘っていると再び大きなオーロラが現れました!

明るい空とオーロラの対比が不思議な感じです。

この時はフランスのトゥールーズから来ていたご夫婦と一緒に見ていて、フィンランドいいところだね、という話をしながらオーロラを眺めていました。彼らは冬の方がオーロラの持続時間が長いから冬にまた来たいと言っていました。私はどうだろう、寒いよな……とやや及び腰です。
ところでこのオーロラの写真はiPhone13 miniで撮影しました。実は冬にアイスランドにオーロラを見にいくという話があり、年末にiPhoneを8から買い替えていました。結局その話は経ち消えてしまったのですが、こうしてオーロラを見ることができ、買い替えた甲斐があったなぁとしみじみとしていました。おそらくですが、ナイトモードがあればうまく撮影できると思います。
その後はオーロラがひと段落していそうだったので、翌日朝早いこともあり、帰って寝ました。オーロラで興奮していたと思ったのですが、疲労の方が勝ったのかすぐに眠ることができました。

<9日目>


サーリセルカーヘルシンキー帰国

この日は5時起きです。前日夜更かししていたこともあり朝がしんどい!チェックアウトは鍵を部屋に置いておくだけでいいので、サクッとバス停に向かいます。バスは事前にチケットを買っていましたが、当日でも買えそうでした。
8:05発のフライトで、ラップランドを後にします。すごく楽しかったので、また来たいなぁ。

さて、このフライトは実は電車のように途中駅があります。なので、最初の到着地点では降りずに、2ヶ所目の空港で降りるとヘルシンキです。この途中の空港でなんだか少しごたついており、10:35にヘルシンキに到着する予定だったのですが、1時間程度遅れてしまいました。元々はチューリッヒへのフライトが16:30であり、15:30に空港に戻ってくるとして3時間弱くらいは最後にヘルシンキ市内でお昼とお土産くらいは買えるかなと言っていたのですが、この遅延により2時間弱になってしまったため、諦めました。空港でのんびりお土産を買ったりします。

最後のサーモンスープ。なんとなくぬるかったのが残念。

最後のお昼はサーモンスープで締めます。味は悪くなかったのですが熱々じゃなかったのが今でも思い出されます。ここでついでにビールを頼み、食べる暇のなかったストックホルムのウナギの燻製(前編参照)をつまみにします。

つまみとして完璧すぎる。

レストランで食べたものと同じ最高の味でした。やはり舌の上で脂がとろけ、燻製の香りが広がり、そして塩味がガツンと聞いているのでビールが進みます。うーん、お土産に買いたかった。次回ストックホルムに行ったら絶対にまた買うと思います。

その後はお土産を購入。私は研究室にムーミンチョコクッキーを、そして自分用に見かけたストックホルムブランネリのピンクジンを購入しました(すでに開けてジントニックを飲んでいますが美味しいです)。

お土産を購入した後は、カフェでチーズケーキを食べながらのんびりします。このチーズケーキも美味しく、最後に友人と旅の思い出や、将来の話、人間の住む北限の話などをして時間を潰しました。
ちなみにこの友人はもうすぐ日本に帰ってしまうため、これが最初で最後の一緒の旅行でした。僕の希望が最初から最後まで詰まった旅行に二つ返事で来てくれて本当に嬉しかったです。

<フィンランド編まとめ>

今回はイナリ、サーリセルカがメインのまとめですが、

物価 ★★★★☆
治安 ★★★★★
観光 ★★★★☆
食事 ★★★☆☆

という感じです。イナリはレストランに行っていないのでわかりませんが、レストランは数えるほどでした。サーリセルカはそれよりは多いですがそれでもレストランの種類も少なく、ハンバーガー屋さんやバーが多いと感じました。ヘルシンキであればご飯はもっと種類も多く、美味しいです。
物価はヘルシンキであれば高いですが、サーリセルカは少し落ちるかなという印象を受けました。高級なレストランが少ないという言い方もできるかもしれません。
治安はヘルシンキを含めとてもいいです。ただサーリセルカのとある宿の前には昔ながらの古い車がたくさん並んでいて夜その車を乗り回している横で人が音楽と一緒にたくさん飲んでいたりして、安全なのでしょうが少しうるさいなと感じました。
観光を星4つにしているのは、いわゆる街を見る観光ではなく、イナリやサーリセルカはアクティビティをする場所であるため、観光とは違うかなと思ったためです。でも、ただの街歩きに飽きてしまった人はとても楽しく刺激的な休暇を送れると思います。

正直釣りもうまくいき、天気も悪くなく、何もかもがうまくいきすぎていた旅行だったため、最後にオーロラが見れた時は笑ってしまいました。

もしも次回行くとしたらイナリに3,4泊してハイキングやサウナにゆっくりと入る日を追加するでしょうか。サーリセルカのハイキングはとてもいいですが、街自体はあまり好みではないので2泊でよかったかなという気がします。

振り返ってみると、ここまで完璧な休暇はこれまでにも数えるほどしかありませんでした。夏の北欧、皆さんも行ってみませんか?

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