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夏休みスウェーデンフィンランド9日間の旅<中編>

こんにちは。8月中旬、夏休みに北欧のスウェーデンとフィンランドを旅行してきたのですが、想像以上に楽しかったのでここで旅程をまとめてみようと思います。今回は中盤のフィンランドのトゥルク、ヘルシンキ、イナリ編です。
前編はこちらから


<フィンランド編>

<4日目>

トゥルクーヘルシンキ

フェリーの狭い2段ベッドの上で目を覚ましました。腕時計の時刻は5:30。フィンランドはスウェーデンより1時間早いので、手動で時刻を6:30に変更します。顔を洗ったり歯を磨いていると、船内放送と、それから実際に乗務員の方がドアを開けて起きるように伝えてきました。下船はスムーズに行いたいようです。今日はトゥルクからヘルシンキに向かいます。
荷物を持ってデッキに向かうと、いつの間にか掲げられていたフィンランドの国旗と、いかにも北欧らしい景色が朝を彩ってくれました。

デッキの朝は良い天気でした。

下船はほぼ時刻通りに行われました。いよいよフィンランドに上陸です!

トゥルクのフェリーの到着場所と駅周辺の中心部は少し距離があるのでバスに乗ろうと思ったのですが、途中にトゥルク城があるのでそこまでは歩きます。スーツケースをごろごろ言わせつつ、トゥルク城に到着しました。

トゥルク城。朝で人がいないためか一層荘厳な雰囲気が漂います。

トゥルク城はフィンランド最古の城であるらしく、建築もこれまでのストックホルムの街並みとは全く異なります。また、街自体も戦争で破壊されてしまったそうで、街並みも比較的新しく感じました。トゥルク城含め、多くの観光地は10時に開くのですが、今はまだ7時過ぎであり、周りに時間を潰せる場所もあまりなさそうだったので、トゥルク城は入り口から逆側に中庭を通って抜けるだけに留めました。
思いの外中央駅までは時間がかかりそうだったので、ここからはバスに乗ります。こちらもデビットカードのタッチで、一回3ユーロでした。そうです、ここからはユーロ圏ですね。逆にスウェーデンクローナの現金は一度も使わなかったことになります。キャッシュレス社会は便利ですが、コインなどはちょっと欲しかった気もします。

中央駅に到着したら、まずはカフェで朝ごはんを食べます。中心部の広場にあったCafe Einoで朝食にクロワッサンのサンドイッチとカプチーノをいただきます。友人は揚げパンのようなものを食べており、それも美味しそうでした。ところでフィンランドの好きなところの一つは、挨拶が可愛いことです。Moi!と挨拶して、Moi!と返事が来ると、フィンランドに来たんだな、と強く感じます。

広場には露店もあり、優雅な朝食という感じがします。

ここで一度予定を練ります。お昼ご飯はヘルシンキに移動した後に食べることにして、トゥルクは大聖堂だけ見た後、バスでヘルシンキに移動することにしました。大聖堂は港とは逆側にもう少し歩いたところにあります。
大聖堂も比較的落ち着いた建物で、内部もあまり派手さがなく、個人的には良い大聖堂でした。印象に残ったのは子供のためのスペースがあったところです。聖書の場面をモチーフにした布や、偉人の顔出しパネルがあったりと、子連れの方のことが考えられていていいなと感じました。ヘルシンキの図書館(地球の歩き方などにはありませんが、とてもおすすめです)など、フィンランドは公共施設が充実していると思う機会が多いです。

トゥルク大聖堂。落ち着いています。

その後はバス停に向かいます。バスはOmniBusといい、フィンランド国内を比較的廉価で輸送している赤いバスです。価格は15.3ユーロ。2時間10分のバス旅だと思うとお手頃かなと感じます。座席自体は広くはありませんし、空きがあるのに前から座席を指定しているなど不満もあるにはありますが、綺麗ですしwifiやトイレも付いていて概ね満足でした。船での睡眠が足りていなかったため、寝ている間にあっという間にヘルシンキに到着。時刻は12:10。バスはヘルシンキ中央駅の近くのKamppi駅のターミナルに到着しました。今回宿泊するホテルフィンにチェックインし、荷物を置いてからお昼ご飯を食べに向かいます。今回は少し離れていますが個人的に前回行って気に入っていたHakaniemi Markethallの中にあるSoup+Moreというスープ屋さんでサーモンスープを頼みます。サーモンスープはここともう一ヶ所食べたのですが、個人的にはこちらがコクがありつつさっぱりしていて好みです。お値段も普通のレストランよりはお手頃なのも嬉しいところ。

バゲットがセルフサービスなのも地味に嬉しい。

ところで去年来た時はここのマーケットは工事中で仮設の建物の中にあったのですが、今年来たところ移転が完了したようです。最初は仮設の建物の方に行ってしまい、潰れてしまったのかと勘違いしてしまいました。その後、新しい建物を発見できてよかったです。

食べ終わった後は雨が降っていたのですが、ひとまずスオメンリンナの要塞
に向かいます。その前に通り道にあるヘルシンキ大聖堂に寄り道します。大聖堂は去年も行ったのですが、相変わらず素敵な場所です。

前の広場には小さな市が立っていました。


さて、スオメンリンナ島に行く港に行く前にもう一ヶ所寄り道を。港の前にあるマーケットでMuikkuのフライを注文します。

アーリオソースつけてと言ったら思ったよりかけられた様子。

Muikkuとはサケ科の小魚で、フィンランドの北の方の湖などに生息しているようです。去年このフライを何気なく食べたところ衝撃的に美味しかったので今年も購入しました。去年よりも魚が小さく、よりおつまみ感が増していた気がします。去年いくつか食べ比べた結果、個人的にはあまりにも大きいと骨が気になってしまうので、小ぶりなフライ、そしてdeep fry(骨までサクサク)を売っているお店で買うことにしています。アーリオオーリオソースかける?と聞かれてはいと言ったのですが、去年の写真を見直したらかけていませんでした。それでも変わらず美味しかったです。

フライをつまみながらスオメンリンナ島行きの船に乗ります。ここも去年に続いての来訪になります。ここはヘルシンキからすぐに行ける要塞で、ガイドブックに必ず書いてあるような場所です。個人的なお気に入りはやはり砲台などが残っている場所でしょうか。

要塞の名残を強く感じる。

少し雨がぱらついていたりしたのですが、帰る頃にはすっかり明るくなりました。船に乗ってヘルシンキに戻りますが、ここで少々問題発生。晩御飯が決まりません。ブログなどにはかもめ食堂ことRavintola Kamomeにはフィンランド料理の盛り合わせがあると書いてあったりしますが、現在は完全に日本食屋さんのようでフィンランド料理はメニューに見当たらず、日本食の気分ではなかったので再考。かといってフィンランド料理のレストランはしばしばラップランド料理を出している(トナカイなど)ため、この後わざわざラップランドに行くのだからヘルシンキで食べなくてもいいんじゃない?となり、悩みに悩みます(結果論としては、フィンランド料理を食べてもよかったかな、となりました、理由は後編で)。結果、去年もいった高級なレストランであるRavintola Raguに行くことにしました。ここはシェフのお任せがあり、去年友人がお任せでクジラがメインに出てきたのが驚きだったので、今回は2人ともお任せを注文してみます。

1人では入れないオシャレなレストランの料理という感じがします。

さて、今回のコースは前菜、メイン、デザートに合わせてそれぞれ一杯ずつ料理に合うワインが出てきます。今回のお任せのメインはイベリコ豚でした。相変わらず美味しかったです。ところでここの前菜のさらに前に出てくるアペタイザーのパンについてくる付け合わせの発酵バターが信じられないくらい美味しいです。僕はここのバターが人生で食べた中で一番美味しいと思います。バターってこんなに違うんだ……って衝撃を個人的には受けたので気になる方は行ってみてはいかがでしょうか?笑

<5日目>

ヘルシンキーイナリ

さて、今日は半日ヘルシンキを見た後、夕方の便でラップランドのイナリまで北上します。
朝ごはんはついていないのですがコーヒーや紅茶が飲めるホテルなので、スーパーであるところのKマートでパンを買って朝ごはんにします。

映えも気にせずに撮ったところに眠気を感じます。

パンはこちらでよく食べられるシナモンロールとベリーの入ったパイのようなもの、そしてヨーグルトにしました。シナモンロールはあまり甘すぎず食べやすかったです。

チェックアウトして荷物をホテルに預けた後は、半日間の観光に向かいます。ヘルシンキ自然史博物館に向かいながら、図書館に向かいます。この図書館ですが、詳しいことは去年行った記事をそのうち書こうと思っているので割愛しますが、すごいです。図書館がすごいのではなく、図書館に併設されている施設がすごいのですが、例えば防音のスタジオがあって、ギターなどの楽器を借りられたり、ゲームルームとゲームのレンタルがあったり、3Dプリンターがあったり、クッキングスタジオがあったり、リモートオフィスがあったりします。ついでに映画館とレストランまで一階にはあります。興味を持っていただけたでしょうか?笑。残念ながらプライバシーの問題から写真を撮ってはいけない場所が多く、故に写真は載せませんがぜひ行ってみてください。
ところでここで私は椅子に座った際にスマホを手から離してそのまま置いてしまったようで、後で親切な方にあなたのスマホですよ、と渡されて初めて落としていたことに気がつきました。これがなければ危うくラップランドの写真は撮れないところでしたので、本当に優しい人でよかった、と思うと共に、フィンランドの治安の良さを再認識しました。

続いて、ヘルシンキ自然史博物館に向かいます。ここも去年行っていたのですが、今回はれっきとした目的があります。

可愛いですね。

サカバンバスピスです。最近ネットで見かけるようになったな、と思ったらなんと去年も行った自然史博物館にあったと聞いて、そんなの見かけたかな?となったので確かめに来ました。結論としては、確かに目立たない場所にひっそりと佇んでいました。友人と2人で大盛り上がりして写真を撮ったりしましたが、周囲で盛り上がっていたのは我々だけでした笑。でも、コメントを残すノートには日本や中国からサカバンバスピスを見にきたという人のメッセージがいくつかありました。
さて、サカバンバスピスで有名になってしまったようですが、この自然史博物館は個人的にはかなりお気に入りです。というのも、4階建ての博物館の中で、4階にはフィンランドの自然の展示があります。このフィンランドの自然の展示が非常によく、フィンランドに生息する鳥や魚、ベリーなどを知ることができ、これを見てからハイキングなどすると、自然が一層身近に感じられるのではないでしょうか。

さて、自然史博物館を出て、Kamppi駅の駅ビルの上にあるレストランフロアでお昼ご飯を食べます。ちなみにこの駅ビルには無印良品が入っていて、フィンランドの食品も扱っているのでお土産を買うのには便利だと思います。今回はFisken på Diskenでフィッシュ&チップスを、友人はサーモンスープをチョイス。

タラの身がプリプリでした。

このフィッシュ&チップスは想像以上に美味しかったです。友人のサーモンスープにはなんと鰹節が入っていて、かなり和風な感じがして斬新でした。サーモンスープはお店の数だけ味に違いがあるのかもしれません。

お昼ご飯を食べた後は、宿に荷物を取りに帰って飛行場に向かいます。空港までは電車で40分程度かかり、寄り道をしすぎてやや時間がギリギリになってしまいましたが、ヘルシンキの空港は手荷物検査で機械や水を出さなくていい最新の仕組みなので、列は長かったもののすぐに抜けることができました。時刻は16時25分。いよいよ憧れのラップランドの玄関、イヴァロ空港へ飛び立ちます!
ところでラップランドに行くにあたって一番恐れていたことは気温です。20度以上はあったヘルシンキからさらに北へ行き、旅行を始める前の予報では一番寒い時で最低気温が5℃、最高気温が12度程度。8月……?という感じであり、このためだけにタートルネックの服や、スキー用のタイツ、ウルトラライトダウン、セーターなど季節外れの洋服たちを引っ張り出して来ていました。さて実際の気温やいかに。
イヴァロ空港はラップランドの入り口と言いましたが、サンタクロース村などがあるロヴァニエミよりはさらに北になります。今回向かうイヴァロ空港から宿のイナリまでは公共のバスなどはなく、送迎のバンを利用しました。こちらの利用には事前に予約が必要で、フライトの20分後に発車ということで、なんかギリギリで心配だなぁとと思っていたところ、本当にフライトが20分くらい遅れてソワソワしました。流石に予約は名前も書いているし、空港でフライトの到着前に発車したらお客さんは誰もいないだろう、と分かってはいるのですが、一抹の不安があります。
さて、空港に到着。タラップを降りると、英語のほかに日中韓国語でようこそイバロへ、のボードを掲げた方がいらっしゃいました。オーロラなどでアジアから来る方が多いのでしょう、日本語があるとやはり嬉しいですね。そして案の定バンは待っていてくれました。最初はバンではなくバスだと思っていたので、唯一止まっているバスにこれじゃないと言われヒヤリとしたのですが、行き先をバスの運転手さんに言ったところ、隣のバンだと教えてくださいました。よかった!
しばらくすると同じバンに乗る方達も合流し、いよいよホテルに向かいます。車内からは、ちらほらと湖が見えます。いよいよ明日は旅のメインイベント、釣りです!

ホテルに到着したのは19時頃でした。オンラインチェックインを済ませていたので、すぐに部屋に入ることができました。今回泊まったのはホリデイヴィレッジイナリというところで、釣りで釣った魚を食べたかったためキッチン付きの部屋、かつサウナに入りたかったのでサウナ付きの部屋をチョイスしています。部屋の写真はウェブサイトに譲りますが、ここは今までの旅行でも屈指のいいホテルでした。ここはフライトの都合サーリセルカに移動するため、2泊なのですが正直3泊以上したかったです。もっとのんびりして、サウナに入って外でちょっと涼みながらお酒を飲む…..そんな素敵な休暇がここでは可能です。何より、目の前には湖があり、湖を水風呂することもできます(サンダルはあった方がいいです)。体感普通の水風呂よりかなり寒いですが、それでも入っている人は見かけました。

ホテルの目の前には、イナリ湖が広がっています。この景色も最高でした!

このホテルは少し中心部から外れているのですが、10分も歩けば中心部のスーパーがあります。ここで今日は買い出しをして、夕ごはんと明日の朝ごはんを入手します。

こういう温めるだけの食品がスーパーにたくさんあるのも久々の感覚でした。

夕ご飯は右上から時計回りに、美味しそうだったスープ、ストックホルムで買った鮭の燻製との比較用の鮭の燻製、トナカイの肉の煮込み、レバーペーストとご飯、でした。この中で一番美味しかったのはトナカイの肉の煮込みで、こんな電子レンジで温めるだけのものにも日本のようになかにベリーのソースがついていて、これがまたお肉によく合います。日本人が肉じゃがに砂糖やみりんを入れるように、フィンランドではお肉にベリーソースをかけるのでしょう。彩りが追加されていて目でも楽しめますし、美味しいですし個人的には大好きです。ちなみにスイスでは同じような感じでミートソースにアップルムースをかけるのですが、これはどうも僕には合いませんでした。スープも普通に美味しかったですが、レバーご飯は少し甘かったです。またサケの燻製はストックホルムで買ったものの方が値段も高かったこともあって美味しかったです。

その後は部屋のサウナに挑戦。温まるのに40分くらいかかると言われていたので、夕飯と同じくらいのタイミングで温めておきました。小さいからか、体感はかなり暑く、そしてロウリュをするとすぐに熱い蒸気が回ってきます。友人はフィンランド式サウナは初めてで、ロウリュをするたびに暑さに驚いていました。暑くなったら外に出て、涼みます。霧雨がむしろ心地よいのですが、何度か温まってきたあたりで涼み具合が物足りなくなり、素足で湖に向かいます。湖は信じられないくらいに冷たく、すぐに足の感覚がなくなってしまうほどでしたが、お互いに水を掛け合ったりしてかなり冷えることができました。
ところでサウナ付きの部屋の盲点だったのが、サウナを切った後も当然サウナが冷えるのには時間がかかるため、その間に部屋の温度もどんどん上がってきてしまうことです。結局その日中にはサウナは冷めなかったような気がします。
ちなみに少しだけ気になっていたことが。翌日の釣りを予約した際に、ガイドの方のメッセージに、「夜はオーロラをみたいかもしれないし昼に釣りしようね」との言葉が。オーロラって冬にしかみられないと思っていたのですが、地元の方が言うのならば間違いないのでしょう。ソワソワしながらサウナから上がった後に空を眺めていましたが、本日は霧雨、雲が一面に広がっていて見える気配はありませんでした。

<6日目>

マウンテンバイクー釣り

さて、今日はいよいよ待ちに待った釣りの日です!昼の12時にホテルでピックアップなので、午前中は少し時間があります。悩んだ結果、午前中はホテルでマウンテンバイクを借りて周りを走ってみることにしました。レンタルが3時間20ユーロというのも午前中だけ走るのにちょうど良い感じです。

朝ごはん。このパン何が入っていたでしょうか……忘れてしまいました笑

昨日スーパーで買ったパンとバナナ、ヨーグルトを食べてから、バイクを借りに行きます。今思うと先住民であるサーミの博物館であるSiidaとかに行ってもよかったかもしれません。
ともあれ、Juutua trailという自転車の道を進んでいきます。ホテルからSiidaに向かい、左に曲がって川に沿ったトレイルをファットバイクを漕ぎながら進んでいきます。天気は晴れてはいませんが、道も悪くはなく、ウインドブレイカーを羽織って気持ちよく進んでいきます。

こんな感じの標識に沿って自転車を漕いでいきます。
地味にファットタイヤの自転車は初めてだったかもしれません。

このみちはOtsamoという山につながっているルートなのですが、そこまで行くと釣りに間に合わないので途中で引き返します。ちなみにこのサイクリングルートは冬はスキークロスカントリーの道になっているようです。雪の針葉樹の中のクロスカントリーはどんな感じなんだろう、気になります。

針葉樹の中を自転車で進んでいきます。

しばらく漕いでいると、川沿いに出ます。ここは急流で、落ちたらちょっと生きて帰れないかもしれません。ここを川と逆側に進むとOstamoの山頂に行けるようでしたが、今回はここまで。吊り橋を渡って川の逆側を通ってホテルに戻ります。帰り際にトナカイ牧場と書いてあるところに寄ってみましたが残念ながらトナカイはいませんでした。辞めてしまわれたのかもしれません。
11時過ぎくらいにはホテルに戻ってくることができたので、釣りの支度をします。気温は15度くらいありますが、フライフィッシングをしうるという話を聞いており、フライフィッシングは川の中に入る釣りなので下半身は暖かめの方が良さそうかな、と思いました。そのため、スキー用のタイツ、スキー用の厚手の靴下、ユニクロの暖パンという下半身に、ヒートテック、タートルネック、ウインドブレーカーという8月とは思えない服装で迎えを待ちます。もちろんこれでも足りなかったとき用にセーターとウルトラライトダウンも持っていきます。これで寒かったら諦めましょう、笑。ちなみに結果的にはウルトラライトダウンまでは雨が降ってきた時に着ましたが、セーターまでは着ずに済みました。
12時きっかりに、ガイドであるAtteが部屋の前に車で来てくれました。彼はFishing bookerという釣り版Booking.comのようなサイトで見かけ、予約しました。すでにこのウェブサイトではマルタとヘルシンキと2回釣りを予約しているので、そこそこ信頼しています。今回のツアーは8時間の釣りのツアーで、1人295ユーロでした。ライセンス、釣具のレンタル、ウェイダーのレンタル、お昼ご飯、ピックアップなど全て含まれていることを考えるとかなり割安なのではないかと感じました。
Atteのバンは外にフライフィッシングの装備が、中にはルアーロッドがあり、さらに車内には冷蔵庫や仕掛けを作る用の作業スペースなどもあり、圧巻でした。ポイントまで車で向かい、ひとまずフライフィッシングをします。実は私は日本ではボート釣りがメイン、友人は船釣りがメインとどちらもフライフィッシングをしたことはありませんでした。それでも今日の晩御飯にトラウトを食べたいのでまずはチャレンジ。
先ほども書いたように川に入る釣りなので、防水のウェイダーという装備が必要になります。これは前述の通りAtteから借りることができました。大変ありがたい限りです。準備ができたところで早速釣ってみましょう。
フライフィッシングは川に落ちた羽虫を魚が食べるのを真似した釣りで、川を流れる羽虫に似せた毛針を川の上流から流し、魚のバイトに合わせて釣る、という感じです。やり方を習いつつとりあえずやっていると、早速バイトがあり、最初の一匹を釣ることができました。ひとまずは坊主回避です笑

Graylingという魚、大きくなるほどヒレが美しくなるようです。

Atteの言っていたように、魚が食べる瞬間が見えるというのが最高にエキサイティングで、普通の釣りだとウキが沈む、竿の振動といったように間接的にしか魚の存在を感じることができませんが、フライフィッシングは魚がまさに水面で毛針を食べる瞬間を見ることができ、その瞬間を今か今かと待つのがとてもワクワクします。練習しているうちに、もう何匹かをキャッチ。ここでAtteから衝撃的な一言が。
「Graylingは持って帰れるのは35 cmからだからね」
35 cmって結構大きくない?と思い、サイズアップのコツを聞いてみると、遠くに投げること、と言われます。なんでも川に入ると音で魚が警戒して遠くに行ってしまうとのこと。しかし、普通のルアーフィッシングと違いフライフィッシングの毛針はとても軽く、遠くに投げるのはとても難しいです。そのまま練習タイムに突入し、最初のポイントでは30 cmサイズまでは釣ることができましたが、持ち帰りサイズには届きませんでした。

少し遅くなってしまいましたが、15時過ぎにお昼にします。Atteがバーベキュースポットで火を起こし、昔自分で釣ったというブラウントラウトを調理してくれました。正直お昼を用意してくれるとは聞いていたのですが、こんなにしっかり作ってくれるとは思っておらず、感動しました。お昼ご飯も、焚き火で用意してくれたコーヒーも、デザートのJUUSTOLEIPAというチーズも、とっても美味しかったです。Atteは夏の間は週に6日くらいは火を起こしてご飯を作るそうです(!)

手際よくお昼が準備されていきます。
ゆでたジャガイモとにんじんに、火で炙ったブラウントラウト。ディルがいいアクセント。
デザートのチーズ。食感が独特でとっても美味しかったです!

昼食の準備の間にAtteに色々なことを教えてもらいました。イナリでは今日午前中途中まで行ったOstamoという山のおかげで、西から風が吹くと雲が山に遮られてオーロラが見やすいこと、Atteは冬は凍ったイナリ湖でオーロラを見たりアイスフィッシングをしたりする仕事をしていること、会社を3つ起業したこと(!?)……。Atteはまだ若い(少なくとも若く見える)ので、若い人が地方で起業して生計を立てられるというのはとても魅力的だなと思いました。

さて、お腹を満たしたところで次のポイントに向かいます。ここは先ほどのバーベキュースポットから歩いて行けるところで、川の流れが先ほどよりも圧倒的に速く、水深も深く(ほぼ股まで水に浸かります)ポイントに向かうのはだいぶ怖かったです。転んでも生きているとは思いますがスマホが生きているかは別問題ですし。笑。
しかし、ここでなんとなく遠くに毛針を飛ばすことができるようになったところでついに35 cmオーバーのGraylingを釣ることができました!興奮して写真を撮り忘れましたが(笑)、感動の瞬間でした。これでキッチン付きの宿をとった意味が生まれるというものです。フライフィッシングは楽しくいつまでもできそうでしたが、残り1時間ちょっとになったところでここを撤収して最後にボートからパイクを釣ってみよう、となりました。ところが撤収の途中でAtteが目視で大きなGraylingを発見。友人はまだ持ち帰りサイズが釣れていなかったので、Atteに場所を教えてもらうと当たりが!釣れたのは45 cmはあろうかという大きなGraylingで、これで2人とも持ち帰りサイズを釣ることができました!

最後はボートの上からパイクを狙います。小さめの手漕ぎボートで、先ほどの滝の下あたりにワームを投げていきます。前回ヘルシンキでパイクを釣った時には、パイクは葦の下のようなストラクチャーに潜んでいると聞いたので、滝の下に投げるのが意外だったのですが、要するに流れにルアーが流されていき、流れがなくなったところで止まるのでそこは流れが止まる理由がある(ストラクチャーがあったりする)ということのようでした。短い時間でしたが、僕は小さいながらパイクを2匹、Atteもパイクをキャッチしていました。大きさは大きくはありませんでしたが、それでもやはりGraylingよりは引きが強く、楽しめました。
釣りは20時に終了し、そのままAtteの運転で夕食の買い出しへ。Atteの調理法が美味しかったので、魚はバター炒めにして、付け合わせは茹でたにんじんとじゃがいも、そしてディルとレモンを買います。スーパーにはホテルの受付のお姉さんがおり、Atteとも知り合いの様子。イナリは小さい町なので、皆が知り合いなのだそうです。

ディルとレモンを添えるだけで一気におしゃれさが増します。

さて、時間も遅いですが料理を始めます。graylingを食べるのは初めてですが、さっぱりしていて、ニジマスよりはイワナに味が近いかなという感じがしました。バターで炒めたのも、ディルを添えたのもレモンをかけたのも正解だったかなという感じがします。特にフィンランドで初めて自分で釣った魚を食べているので満足感も格別でした!そういえばAtteはgraylingは刺身で食べられるからトライすべきだ、ということを言っていたのですが、万が一これで翌日以降に影響が出たら……と不安でパスしました。しかし生で食べられる川魚なんているのでしょうか……。ちなみにトライしたい方は、醤油は現地のスーパーに売っていたのでぜひ結果を教えていただきたいです笑
遅くまで釣りをしていたこともあって、食事をした後はチャカチャカと寝る支度をして就寝です。この日も残念ながら空は曇っていて、オーロラの気配はありませんでした。

いよいよ旅も終盤。後編に続きます!

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