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手も爪も髪も服も私しか見ていない。

” 0時28分 ”
珍しい夜泣きの対応で
気付いたら子供の横で寝落ちていた。
携帯を見ると日付が超えている。
自分との約束を守る為に、
鉛のように重い体をやっとの思いで動かし
パソコンの前に座り昼間の続きに手を付ける。

爪が伸びてきて
透明のマニキュアが所々剥げている。
” そろそろ塗り直さなきゃ ”
と、思うものの
遠目から見たら
マニキュアを塗っているのかすら
相手にわからないのが透明の良さ。
爪は綺麗に見せてくれるけど、
自己主張は控えめな奴。
しおらしくて好きだ。
 
色付きは滅多に塗らない。
水仕事で剥げてしまうし、
自分の手の色に合わないと
老け込んで見える気がする。

( 水仕事とか言いつつ、
大半の洗い物はミーレ様のお世話に )


中学生の頃バレーボールで酷使した
私の指は関節ごと太くなった。
大きさは普通より少し小さめ
” 薄っぺらくて幸がなさそうな手 ”と
母によく言われた。
( 見たままを言い、もっとご飯を食べて
太りなさいという意味で悪気はないらしい。
表現下手な親心なのか?笑 )
そんなこの手とも30年の付き合いになる。
 
昔はピアノがスムーズに弾ける
大きな手に嫉妬し、
すらっと伸びた
コマーシャルに出ている
ハンドモデルさんの指に憧れた。
しかし、最近少し年季の入ってきた
この手が気に入っている。
 
爪が自由に伸ばせるようになり、
不細工な形が少しマシになった。
そしてアルコール消毒地獄から
解放された手は潤いを取り戻しつつある。
( 昔は腰につけた消毒液を
毎月何ml使用したのか
申告しなければならなかったな。遠い目 )
 
特別なことはできないけれど、
毎日頑張っている手に優しく出来たら
自分に優しくなれる気がする。
 
正直、何を勘違いしていたのか
” 良い母親たるもの
お洒落やセルフケアを遠慮している方が美徳!”
と思っていた時期がある。
( いつの時代の思考でしょうか )
一人目の産後すぐの母親学級では
20代前半は自分一人。
初めての保育園のクラスは
上に兄弟が居るママさんたちが多く、
同世代は自分の他にもう一人くらい。
最初は、なお孤独に感じ
偶然が重なった環境だった分
若くして母になった部類に
自然と入っていた。
” 舐められたくない ”
” 真剣に育児していると思われたい ”
他人の評価ばかりが気になっていた結果
お洒落は敵!みたいな
謎の思考になっていた気がする。
本当は見かけだけで
何も判断出来ないのにね、

そんな私もとうとう
” 他人にどう思われるか ” よりも
” 自分がどう感じるか ” に
重きを置く日が増えてきた。
 
家に居る時間が長い。
毎日園の先生と夫以外の誰かに
会うことも無い。
自分と向き合う時間が長いからこそ、
自分ウケする気に入った姿で居たいと
想う日が日に日に増えた。

” 動きやすいが後回しの日があっても良いか ”
なんて考えながらワンピースを選び、袖を通す。
 
タイトルの通り、
隅々まで私のことを見ているのは私。
( 実は子供もよく見てくれているけど 笑 )
私がどんな洋服を纏っていようと、
誰も覚えていない。
 
指先の潤い、
剥がれないマニキュアの足先、
体型に合っている洋服、
流行り廃りない色使い
なんてことない一面だけど
時々で変わりゆく
自分の好みを理解し、
自分だけの為に大事にしていきたい。
 
 


 

 

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