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大切にこの時を迎えたい

11月になりいよいよ寒さが身に堪える時期に。
それでも今年は例年より寒さが緩やか。今年2月の記録的な大雪の悪夢の記憶がよぎる。
そうまだあの時から一年は経っていないのだ。

人の体験や記憶の保持は、いかに脳に焼き付けるかだ。
言い換えると、身に堪えるような経験などが残れば保持されやすい。
人の記憶は曖昧であるが、鮮烈な体験や良くも悪くも印象的なものほど残るわけだ。

認知症の方々と接するとこの記憶についてよく考える。
体験や経験と置き換えてもいい。

ある人は30代の子育て時期
ある人は夕方になると決まって自宅の様子が気になる
ある人は亡くなったはずの夫との会話
ある人は絶叫の中何かに対して怒っているのか?悲しんでいるのか?

時期・場所いわゆる時空を超えた記憶が、認知症と言う病にあっても瞬時に繋がる。
脳の機能はその部位によって様々な働きがあると言われているが、福祉を学ぶ際に若干医学の入門的なさわりを学ぶが、詳しい脳科学・医学には疎いため「へーそうなの!?」程度である。

ただ、目の前の入居者から読み取ると、かつての記憶や体験が今の入居者らの一部であるのも事実として認識する。

入居者が歩んできた歴史は、太平洋戦争前後に生まれ、戦後の荒廃した地域と共に生きて復興してきた。そして奇跡とまで言われた、高度経済成長期を経て物質的な豊かさを享受した方々である。

教育・価値観などが激変した中、しなやかにかつ逞しく生きてきたその姿は現在を生きる私達とは何が違うのか?
いや本質は何ら変わりなく、ただ時代に順応しただけなのだ。

そして認知症になった。それだけ…


かつての体験・経験した記憶が失われる中で、今なお断片的にも保持しているそれらは、入居者にとって、もはや自分の考えや言葉では上手く表現できない。家族などに確認するしか方法がないが、家族も知らない内容は多くある。

11月2日今日は一体どんな日として過ぎて行くのか誰にも分からない。

ある人は学校で発表する
ある人は仕事で商談がある
ある人は新しい命を授かる
ある人は新しい職場で働く
ある人は静かに息を引き取る…

ただの平日の水曜日として捉えるか?
今日はこれまでにはない一日として捉えるか?
その人次第…

地球はそんな人の生き様など関係なく動いている
そう我々も地球から見れば、ただの生き物の一つなのだと
生まれ、生きて、そして死ぬ
それだけ…

だから、大切にこの時を迎えたい
何の代り映えしないと思わないで今出来る、打ち込める、集中出来ることを全力でやるだけなのである。

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