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言葉の花束ーアキの詩集No.23

1.「うちの悪い猫」

この悪い猫は
とにかく暴れん坊のお転婆で

急に猛ダッシュしたかと思えば
エアコンの風に吹かれて
舞い上がったカレンダーめがけて大ジャンプ

先住猫にしょっちゅう
絡んでちょっかい出しては
「しつこい!」と怒らせてけんかになる

魚を焼けば
泥棒しようとする
特にサンマは
狙わない日はない

玄関先に人が出入りしようとすれば
察しのいいこの猫は
すぐさま駆け出して
ちょこんと玄関前でスタンバイする
脱走を図る気満々だ

捕まえられた際に
必ず「にゃー!」と
抵抗の声を上げ
身体をのけぞる

玄関は横開きドアなため
簡単に開けられてしまう

だから
家の出入りは要注意だ

それを怠れば
たちまち脱走を図る

今日もしてやられた
悪い猫


今日は
いつもは大人しくていい子の先住猫も
真似して脱走を図った

あぁ
なんて悪い子なんだ

その悪い子は今
私のすぐ隣で
ごろんと寝ている

なんて無邪気な寝顔なんだ
寝ているときだけは
良い子なんだよな

私が布団で寝ていると
のそりのそりと寄ってきて
足と足の間に入るか
足にぴったり体を寄せて
一緒に寝てくる

人を困らせてばかりいる
この悪い猫は
こういうことをするから
可愛いんだよな

悪いけど
可愛くて
やっぱりいい子!

そう思って
なでなでしてやると

かぷっと
手を噛んでくる


大人しく撫でさせてくれない

やっぱり悪い子かな



2.「幸せへの違和感」

家族と
美味しい食事を食べて
面白い番組を見て
笑い合う

幸せだ
心からそう思う

だけど
何だろうね

幸せを感じすぎると
変な違和感というか
拒否感が出てしまう

小さい頃から
そうだった

私は
幸せになっていいのか?

もちろん
幸せになっていいんだろうけれど

何でだろうね?

誰もが幸せでいること
幸せな気持ちの連鎖により
平和が訪れることを
私は望んでいるはず

それが実現してしまうと
嬉しいはずなのに

実感してしまうと
胸の奥深いところが
痛むんだよね

この疼きの正体は
何だろうね?



3.「夕食時の父娘の会話」

夕食はいつも
父と準備する

こんばんは
白菜のうま煮と
かぼちゃのそぼろあんかけ
そして
冷ややっこ

白菜とかぼちゃは
私が料理し

冷ややっこは
父が人数分に分けて
みょうがを刻んてくれた


いただきます

かぼちゃ
どう?

う~ん
ちょっとしょっぱいな

あぁ
確かに
塩コショウかけすぎたかしらね
じゃあ
白菜は?

こっちは
逆に味が薄い

なら
プラスマイナスゼロだね

そうだね
でも
白菜のうまみが効いているよ

なら良かった


料理の出来を
評価してもらうとき

ただ
「美味しい」と言ってもらうのも
ありがたいけれど

感じたことを
率直に言ってもらった方が
私は嬉しい

少しショックを受けることもあるけれど
今度、どうしたらいいかを
考えることが出来るし

家族の
「美味しい」という顔が
見たいから

もっと頑張ろうと
思うことが出来る

何より
父が言ってくれるから
すっと言葉が
心に入ってくる

嫌味のない言葉だからというのも
あるけれど

それだけ
父を信頼しているからだと
私は思う



4.「夫婦の情」

夫婦の情という
やつなのだろうか

父は
母に対して
愚痴をこぼすことがよくあるけれど

困った表情はしても
嫌な顔をしていない
むしろ
笑っている

母が父に対し
「何でこうしないのよ」などと
文句を言っても

怒りながらもどこか
笑みをたたえている

お互いに対し
不満を抱えているとしても

そこに
憎悪はなく

代わりに
愛情がある


これが夫婦なんだ

そう覚った
今日の出来事



5.「恥を知れ」

ルール違反は
基本的にいけない

その集団、組織において
周囲に迷惑をかけたり
害をもたらすからだ

自分で自分のしたことの
ミスや過ちに気づかないことは
あるだろう

他者から指摘をされたら
自身の過ちを認め
謝罪する

出来るならば
今後、同じ過ちをしないよう
対策を自分で考えるか
指摘した相手と一緒に考えてもらうなど

社会で働く
大人としての振る舞いを
すべきだろう

何が良くて
何が悪いか
自己判断出来ないならば

指摘を受けたことを
一つ一つ受け入れて

知識として
地道に良し悪しの区別を
するのが筋だ

それをしないのは
己のプライドのせいか?
受け入れる心の余裕がないからか?
心の弱さのせいか?

本人は
真面目にやっているつもりなのだろうが

個々によって
出来る範囲は異なるとしても

出来る範疇で
ベストを尽くす
一生懸命やるのは
社会人として当たり前だ

人並みにやれないとしても
ならば
自分は何が出来て
どの程度までできるのか
周囲に説明して

枠組みを明確化した上で
職務を果たすべきだろう

それもしないで
十分に作業をこなさないでいる

出来ないところは
仕方なく周囲がフォローをする

それは
合理的配慮とは言わない

その上
非常識的な振る舞い
他者への迷惑行為
害のある行動まで取る

掃除という職務といえど
それ相応の責任がある

明らかに
床に落としたであろうペーパーを
捨てずに
元の袋に戻すとか
衛生上あってはならない

それを指摘すれば
「知らない」としらを切るし

業務時間中に
施設利用者様用の読書コーナーで
本を手に取って読む

しかも
他の職員や利用者様が見ている前で

それを指摘すれば
「やっていいって言われたよ?」と
見え見えの嘘をつく

あなたには
恥というものがないんですか?

確かに
私はあなたのことが嫌いだから
仲良くしようとはしないし
業務上の必要最低限の関りしかしない

素っ気なく感じて
それが圧力になって
委縮させているのかもしれない

だけれど
いけないことは
いけないのです

それを受け入れて
反省すべきは
あなたです

その責任の所在は
あなたにあります

ミスや過ちをしてしまうのは
仕方ないのかもしれませんが

次、同じことをしないよう努めることで
改善を図ることは出来るはずです

友達としての関りを求めて
受け入れてほしいと望み
それが叶わなくて委縮しているならば

それは叶わない願いです
私はあなたの友達ではありません
あくまでも同僚です

責められるのか怖いと思って
委縮しているならば
責められないよう
努力してください

何にせよ
あなたを同僚として
信頼できていません

おそらく今後も
信頼は出来ないでしょう

責務を果たせない人を
私は信頼することはありませんから

とにかく
指摘されたことをはぐらかしたり
嘘をつくのは
社会人としてあり得ないことです

もっと
恥を知ってください



6.「お世辞にも美味しいとは言えない」

今日の夕食の
ビーフシチューは
お世辞にも美味しいとは言えない味だった

いつも買わない牛肉を
間違えて買ってきてしまったため

父がわざわざ
ビーフシチューのルーを買ってきて
丹精込めて作ってくれた

だから
「美味しい」と言いたかった

けれど
いざ食べてみると
味がほとんど
ない

父から
「どうだ?」と聞かれて
一瞬沈黙

しばらく考えて
私が言った言葉は
「ちょっと味がないかな。
薬局で買ってきたルーだから
仕方ないよ」

美味しくないのは
父のせいではないと
意味を込める

父は
「薬局のルーは量が少ないから
味が薄かったね」と言って

結局
誰からも
「美味しい」の言葉が
出ることはなかった

いつも
美味しい食事が出るのが当たり前で
「美味しい」と言い合うのが
普通だったから

今回の夕食は
とても残念極まりなかった

だけれど
「不味いね」という言葉が
出ることもなかった

それを言えば
父の頑張りを否定することになるだろうから
私は言えなかった

何より
その一言は
楽しい食卓の雰囲気を
一瞬にしてぶち壊す

だから
「不味い」という言葉が出なかったのは
父娘、お互いの
気遣いと思いやりの表れだと思う



7.最後に(詩の解説)

1.の詩

我が家の愛猫「シマちゃん」について書いたラブポエムです。

この詩を書いた日は、先住猫のココちゃんにも脱走されて
父がてんてこ舞っていました。

2.の詩

幼少期から感じている幸せへの違和感について書いた哲学詩です。

3.の詩

父と娘(私)の何気ない日常を書いた詩です。

4.の詩

私の両親を見て気付いたことを詩にした哲学詩です。

5.の詩

私の職場(老健)にて同僚のおばさんのことについて書いた詩です。
この方の非常識ぶりにはいつも唖然としますが
何より腹が立つのは
指摘したことをはぐらかしたり、嘘をついてごまかそうとするところです。
受け入れるだけの器量がないのでしょうが
本当にこの人、恥を知らないと感じます。

先日、つぶやきでもこの方について書きましたが

深く掘り下げて詩にまとめました。

6.の詩

父と娘(私)の日常の一コマを書いた詩です。

今晩の夕食はビーフシチューでした。
美味しくなかったとしても
不味いと言って、作ってくれた人の頑張りを否定したり
雰囲気をぶち壊すような真似はしたくはないです。
というのが私の考えですが

うちの母は率直に「不味い!」を言う人なので
母がいるときの食卓はしょっちゅうひやひやしますし
度が過ぎるときはイラっとします。

美味しいという言葉は出なくても
それなりに食事を楽しむことが出来ました。
美味しくなくても
父の想いが料理にこめられているのを感じているからでしょう。


最後までお読み下さり

ありがとうございます(^^)

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