見出し画像

アキのエッセイNo.121ー入職した後輩が発達障害傾向強めでした(障害者が社会で働くために必要な支援について考えたこと)

1.新しく入職した清掃員さんが発達障害傾向強めの方でした

こんにちは、アキです。

私はASDと診断されています。

そして

作業療法士を目指して学業に励んでいた頃に

発達障害について色々勉強していたので

発達障害がどういうものか

どう接した方が良いかも

ある程度の知識と理解はあると思います。


私の周囲も

わりと発達障害系の人が多くて

(母、兄、伯父、従兄弟、友人、職場の同僚などなど)

そのせいか

軽く接するだけでも

「この人、傾向あるな~」と分かるようになってしまいました。


以前の記事でも書いたことはありますが

私は老健の清掃のパートをしていて

そこで一緒に働いていた同僚のおばさんが

めちゃくちゃADHD傾向が強くて

対応に困ったというお話を書いたことがありました。

(発達障害の人=困った人というわけではありませんよ。

あくまで、このおばさんに関してそう感じているだけです)


そのおばさんが

身体的にも働ける状態では無くなり

先日退職しまして。


事務長が

清掃専門の方の募集をかけたところ

新しく40歳代の男性が入職されたのですが


その方も

発達障害傾向強めの方だったのです。


どういう点でそう感じるかというと↓

・何度教えても、なかなか仕事を理解してくれない

→時間をかけて繰り返し説明したり、経験を重ねれば習得出来るが、それでも所々忘れるところがある

・表面的には理解出来るが、物事を深く理解することが苦手

→作業を行動として捉えることは出来ても、「どうして今、その作業が必要か?」とか、「この場合はこういう配慮が必要」など、作業の意味や必要な配慮などを理解出来ない。習慣的な動作としては習得出来るとしても、臨機応変に行動するのは難しいと思われる

・作業が不器用で雑

→掃除のやり残しが目立つ。上手くゴミを掃けないなど

こちらが話している最中に話し始める。間が読めない(コミュニケーションの問題)


などなど色々あります。


指導を開始して1週間

取りあえず1F清掃の手順を教え

ある程度出来るようにはなりましたが


どう考えても

完全自立は出来ないですね。


マニュアルを作成して当人に渡して

とりあえず

今度は一人で1F清掃をやってみようということにはなりましたが


正直

不安です。


どう考えても

途中で手順や清掃箇所が抜けることや

掃き残しなど

色々トラブルが起こることが

目に見えているので。


今までは

私という補助や監視がいたために

出来ていた作業でしたから


修正自立は出来たとしても

完全自立まで目指すのは

この方には厳しいのでは?と思うのです。


皆さんは

安心して仕事を任せられない方を

信頼出来ますか?


誰もが

Noと答えると思います。


私は障害者雇用(精神障害者の枠)で

働かせて頂いています。


私は

時短勤務で、休憩時間を変則的に活用するなどの

配慮を受けていて

仕事は

自分で言うのもあれですが

作業は完全自立で行えています。


他にも一人

辞めてしまった方ですが

障害者雇用で働いていた方がいましたが

その方も

時間的な配慮を頂いていても

作業は完全自立でした。


その方が仮に

障害者雇用でうちで働いたとしても

完全自立では働けない場合は

働くのは難しいと思います。


修正自立よりも低いかもしれません。

だって

作業が出来ているようで出来ていないので。


誰かが監視、助言や指導をしないと

作業が上手く出来ない

それなりの質が保てない場合

うちの会社で雇うのは厳しいような気がします。


1Fは一人体制

3、2Fは1~2人体制でやっていて

3、2Fをやってもらうにしても

そこは基本、ドライバー兼掃除の方が担当するエリアで

送迎や修繕の依頼が入ると

ドライバーさんは清掃から離れなければいけません。

その方をつきっきりで見て

清掃を監視、指導する体制を取るのは

厳しいのです。



2.障害者雇用について考えてみる

障害者雇用というのは

障害者手帳が交付された方が

会社側から必要な配慮を得て働ける制度ですよね。


うちの会社は

障害者雇用を取っていますが

先ほども述べたように

時間的配慮などを得ながらも

作業を完全にこなせる方でないと

難しいところがあります。


誰かが常に傍にいてフォローするということは

正直言って無理です。


そういう面では

障害者に対し求めるスキルが高いような気がしますね。


そういう会社がある一方で

常に傍で指導者さんが見ていて

何らかのフォローをしてくれるような会社も

あるのでしょう。


特例子会社とか

そういう感じなのでしょうか?


何にせよ

障害者が働くにあたり

その方のやりたい気持ちを尊重するのも必要でしょうが

その方のレベルに合っていて

その方が適応出来るような環境


つまりは

その方に必要なフォローをしてくれるような

会社を選ばないと


当人も困りますし

会社側も困りますよね。


私は支援職を目指していて

将来は

障害のある方々の就労や生活支援に携わりたいと考えていますが


就労を支援する際

上記のことを意識して、当人の作業スキルや特徴をアセスメントし、その情報を正確に会社側に伝えて


かつ

会社側の求める人材は何か?どこまでのフォローが可能なのか?を正確に聞き出して


当人と

会社を上手くすりあわせて

マッチングしていく必要がある。

そして

双方の合意を形成して

両者に負担が内容に

双方をサポートしていく必要がある

考えました。


3.当事者の方々が会社で上手く働けるには?

新しく入られた方を通して

どういう就労支援をしたらいいかを

考えることが出来ましたが


この方は

健常者として働いていらっしゃるのですよね。


ご自分が発達障害者であって

会社側からのフォローが必要であると

自覚してもらうことを要求するのは

難しいですよね。


取りあえず

事務長に

この方が完全に作業を自立して行うのは難しいことを

伝えようとは思います。


発達障害傾向があると方々で

その自覚がない方は

結構いらっしゃると思います。


全ての人に

自覚を持てとは言えませんが


自分はどういう特徴があって、何が出来て、何が難しいか。
どういうフォローを得られれば、どこまで作業が出来るかを知って、社会に適応していく術を身につけていって欲しいです。


というのは簡単ですが

それが出来る方は

そもそも自覚が出来ている方ですよね。


本人に自己理解や対処を任せるだけでなく

周囲の方々が気付いて、必要なフォローについて一緒に考えて対処していくのが一番良いと思います。


そのためにも

世間に発達障害含め

色んな障害への知識が普及することが必要です。


対処をするにしても

当事者を排除し、持て余すような

そういうネガティブな対処に走るのではなく


当事者の方々が

その環境に適応し

その方の良いところが発揮できるようにするには

どう、周囲が動いたら良いか?


できる限り

考えていけたら良いのではと思います。


ただ

日本の現状として

健常者の方が健常者として、周囲からのフォローを得るのは難しいところがあるように思えます。


「このくらい出来て当たり前」という風潮があると言いますか

普通ならば出来ることが出来ていない人に対し

偏見を持たれる方が多く

また

「自分はこれが苦手だから手を貸して欲しい」とお願いしても

快くその気持ちを汲まない方が多いように思われます。


そういう世の中ですから

健常者ならばこのくらい出来て当然と思われるような世間

発達障害傾向の方が

自分の特性と折り合いをつけ

周囲にフォローを得るのは

難しいように感じます。


自分のこなせる以上のスキルを求められ

普通に合わせながら生きていく辛さは

私も経験しています。


ならば

障害者と認定され

障害者として配慮を得るとすれば

生き辛さは解消されるかと言えば


社会福祉サービスを得られる点や

合理的配慮を周囲から得られやすいという点では

そうかもしれません


しかし

障害に対する理解が

偏った方向に向かうと

偏見に至ることがあります


私も

周囲に障害を公表して

差別を受けました。


何をしても

人から差別の情をなくすことはできないのかもしれません


できる限り

健常者として生きていても

障害者として生きていても

当人が上手くその場に適応し

自分らしく生き生きと生きていけるような

環境作りのサポートをしていきたい

私は考えています。


そのためにも

知識の普及が大事ですね!


精神保健福祉士を目指して奮闘中ですが

自分の理想を現実にするために

頑張っていきたいと思います。


最後までお読み下さり

ありがとうございます。

















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?