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ふらりと図書館、読書感想文

こんにちは、ちょんまげネコです。

ふらっと図書館に行って、お目当ての本が全部貸出されていたのでなんかいい感じの小説を探して1冊読んできました。
選んだ条件は、比較的新しく出版されたもの。1ページ読んで現代の日本が舞台っぽい(要するにファンタジーではない)もの、分体や作品の雰囲気が私が書く小説に似ているもの。といった感じです。

それで選んだのは、乾ルカさんの「龍神の子どもたち」でした。


一通り読むと感想書きたくなってしまうので、ちまちまと書いていきます。

以下、ネタバレちゅういです






主人公の住む集落で行われるお祭りの行列のシーンから物語は始まります。

この時、私は「集落!?村じゃなくて!?」とちょっとびっくり。

お神輿と、それに続いてお祭り用の歌を歌って練り歩く子供達。
それは集落のシンボルとも言える二つの山の片方へと向かいます。山にはそれぞれ神様がいるのですがこうしてお祭りがあったり祀られているのは片方の山だけ。
もう一方の山は都会の業者達によってゴルフ場やら公園やらが開拓されているのでした。

ずっと農業をして細々と暮らす地元民。
その一方、山の開拓の為に都会から人が流れて住み始めます。一部はマンションや大型スーパーが建ち、外から来た人たちの身なりもピシッとしている感じ。みるからに金持ち。

主人公の中学校にも、いわゆる都会っ子がわんさかやってきて、元から集落に住んでいる子達と対立します。

校長先生がそんな主人公達を常に気にかけてたのすごいよかったな。

この辺から主人公達集落の家は汲み取り式?の和式トイレだということが発覚するんですけど、まぁド田舎ならそういうのも今もあるんだろうなーって思ってたらまさかの、主人公を含めた集落組は洋式トイレを知らないという記述にびっくりしました。
で、この辺から舞台は現代ではなく昭和後期? バブルの気配が見え始めた頃だというのがなんとなく分かる。
本の発行が令和2年だから、てっきり現代だと思ってたーーー!
初めに説明してくれーーー!!

で、途中、校長先生が集落組と都会組でいがみ合ってるのを見て「ゲームで勝負しましょう」と言い出します。
赤のないクレヨンセットでツツジを描いてみろ。というもの。
集落組は「この時期なら赤い果を実らせる植物があったはずだからそれを潰して描けばいい!」と田舎ならではのアイデアなんだけど
都会組は1人が刃物で指を切って血で色を塗るという暴挙に出ます。

この辺りから「…ん?」と私は不安になりました。少なくとも現代に近い現実世界のお話を書く時には私はあまりキャラクターを傷つけたくないんですよね。。

で、その後軽くではあるけれど、地震と雨の表現が頻繁に出て
中盤になってやっと冒頭で行われていたお祭りで歌われる歌の歌詞が判明するんですがどう見ても「2つの山の1つが土砂崩れを起こしたら片方の山へ逃げろ」といった内容。これもしや災害系か…ちょっとしんどい。でもとりあえず読み進めよう、うん。
でも、歌詞読んだだけで土砂崩れの話だと分かるのに中学生も大人もよく分かってない設定だったのちょっとモヤ…。物語序盤に人の顔を持った蛇と鷹の山神様の話があったんだからそれを歌詞にからめてもうすこし複雑にするのもアリだったのではー? と思ったり。

そして、開発された方の山へ林間学校行ったタイミングで土砂崩れに巻き込まれます。

子供は助かるけど、大人はあっさり死んでしまって死亡状態の様子が生々しく描かれていました。あれ、私と作風が似てそうな作家さんを選んだはずなのに…
冒頭だけ読んで決めつけるのよくないですね

私の場合、歴史モノを書くとしたらちゃんとキャラクターを史実に則って死亡させますけど、こう、オリジナル作品の場合はおやつ感覚でキャラクターを傷つけたり死亡させたりはできません。

歌の意味すら分からなかった子供達が、土砂崩れに巻き込まれたことで急に賢くなってびっくりした。
暗記が超得意で学年順位1位の子が出てくるんだけど、暗記だけで物事の意味を考えるのが苦手なタイプって読者に印象植え付けさせてたのに、急に全部考えて的確に当ててくるのは元々素質があったってこと…?



でまぁ、一通り読んで。

私はもっと小説を書く時はその話の舞台となる町の設定を作り込めばもっといいものが作れるんだなと学びました。人口がどのくらいで、どのくらい栄えていて…とか。いつもその辺はぼんやりしがちなので今回プロの本を読んで良かったです。

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