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花言葉を自分で決める

記事を一部加筆修正しました(2022/10/23)


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花言葉を自分でつくろうと企んでいる今日この頃。

花言葉というのは昔から決まっているのだろうけれど
なんだか急に自分で新しく決めたくなったのです。

でもそもそも花言葉って
誰がどうやって決めたのでしょう?

その人自身に花にまつわる思い出があれば
その人が自分の好きなように決めてもいいのでは?
…なんて少し思いました。

例えば、うちの父が一番好きな花は「リンドウ(竜胆)」です。
しかも一番好きな花をすぐ答えられる父って
「実はすごいかも」とちょっと思ったりもしています。

リンドウの花言葉を調べるとこんな感じ。

「悲しんでるあなたを愛する」「正義」「誠実」

また色別でも意味が変わってくるそうで
とにかく様々な意味があって少し困惑しています。

こんなに色々意味があるとなんだかちょっと大変な気もします。
私自身は常識などはよくわかりませんが
もしあまり親しくない人に花を贈る場合は
花言葉の意味をちゃんと気を付けて贈るものなのでしょうか?
失礼にならないようにと、TPOと花言葉の関係まで考えて
決めているのでしょうか?

そもそも花はそのままの姿を楽しんだり
咲く環境にこそ魅力があるのでないかと思うんです。

もし決められた花言葉があっても、花自身は意外と
「正直その意味違うし」と思っていたら面白いな~と
一人でニヤニヤと考えてしまうこともあります。

まぁそんなことを思っていたら、自分の心の中でだけでも
自分専用の花言葉をつくってみてもいいんじゃないかと思ったわけです。

そこで先程の父の好きなリンドウの話ですが
まずはここでリンドウの基本的な情報を。

リンドウ(竜胆)
リンドウ科リンドウ属の多年草で、日本原産の植物なんだそうです。
多年草とは、同じ株から何年も枯れずに続けて花を咲かせる植物のことで
日本のほぼ全域に生息しています。
リンドウは秋の初めの野山に釣鐘型の花を咲かせます。
もともとは野生の花ですが群生せず単独で自生します。
種類としては約400種もあり、色は寒色がよく見られるそうですが
白やピンクもあるそうです。

このリンドウ、なぜ父が一番好きな花なのかというと
「自分の小さい頃の思い出の花」なのだそうです。

父の故郷は雪深い田舎町。父は幼い頃に父親を病気でなくしました。
母親(私の祖母)は女手一つで子供二人を育てる為、他の仕事しながら
残された田んぼもなんとか頑張っていたそうです。 
そこで家族の為に、幼いながらも父はその田んぼを手伝っていました。
田んぼがある場所は家から遠く、山を越えて行かなければなりません。
今から考えると「なぜそんな大変な場所に?」という感じですが
一人で二人の子供を育てる為には、残された田んぼも
なんとか活用しなければということだったのでしょう。
その田んぼに父はいつも母親と一緒に行っていたわけですが
秋の時期になると、稲刈りをした後は籾を30㎏程担いで
山を越えなければいけなかったそうです。
幼い父にはそれはあまりに辛く何度もくじけそうになったといいます。
その時父が見た景色の中に、沢山の紫のリンドウがありました。
山道に静かに咲くリンドウは、苦しかった父の目に
それはそれはとても美しく映ったそうです。

リンドウは、その時頑張った自分を
思い出させてくれるものだと言っていました。
そしてどんなに辛いことがあってもリンドウを見ると
「あの時に比べたら全然マシじゃないか!」と思えるそうです。
そうして今まで頑張ってきたと言っていました。

リンドウを見ると父はいつも
「昔のことを思い出す」と言っていました。
父にとってリンドウはそんな大切な思い出の花なのです。

他の人にとってリンドウはただの綺麗な花かもしれませんが
その花にこうして思いを馳せる人もいるのです。
そう考えると、自分で自分なりの花言葉を決めるのも
案外いいのではないでしょうか。

この記事を書いていたら、以前父が
「お父さんの一番好きな花ってなんだと思う?」と
私に聞いてきたことを思い出しました。
あの時私は「向日葵」と答えて不正解でしたが
好きな理由を教えてくれた父の言葉が忘れられず
今もこうしてその父の話と共に正解を覚えているわけです。
恐らく私はこの先、父の一番好きな花を
間違えることはないでしょう。

今度父自ら、リンドウに
花言葉をつけてもらおうと思います。
そしてその言葉が私の中での
リンドウの「花言葉」となるでしょう。

自分のための花言葉
みなさんもいかがですか?


ではまた。


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